新宿区議会 > 2016-02-25 >
02月25日-03号

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  1. 新宿区議会 2016-02-25
    02月25日-03号


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    平成28年  2月 定例会(第1回)        平成28年第1回定例会会議録(第3日)第3号平成28年2月25日(木曜日)出席議員(38名)   1番   豊島あつし      2番   木もとひろゆき   3番   三沢ひで子      4番   井下田栄一   5番   小野裕次郎      6番   三雲崇正   7番   佐藤佳一       8番   川村のりあき   9番   北島としあき    10番   野もとあきとし  11番   池田だいすけ    12番   桑原羊平  13番   平間しのぶ     14番   大門さちえ  15番   渡辺清人      16番   鈴木ひろみ  17番   久保広介      18番   志田雄一郎  19番   あざみ民栄     20番   阿部早苗  21番   中村しんいち    22番   有馬としろう  23番   下村治生      24番   おぐら利彦  25番   佐原たけし     26番   ひやま真一  27番   吉住はるお     28番   えのき秀隆  29番   のづケン      30番   ふじ川たかし  31番   近藤なつ子     32番   沢田あゆみ  33番   赤羽つや子     34番   宮坂俊文  35番   伊藤陽平      36番   かわの達男  37番   田中のりひで    38番   雨宮武彦---------------------------------------欠席議員(なし)---------------------------------------説明のため出席した者の職氏名  区長       吉住健一    副区長      野口則行  区長室長     村上道明    総合政策部長   針谷弘志  総務部長     寺田好孝    地域文化部長   加賀美秋彦  福祉部長             子ども家庭           赤堀充男             吉村晴美  事務代理             部長                   みどり土木  健康部長     髙橋郁美             野﨑清次                   部長  環境清掃部長   柏木直行    都市計画部長   新井建也  会計管理者    高橋麻子    企画政策課長   平井光雄  財政課長     大柳雄志    総務課長     山田秀之  教育委員会            教育委員会           酒井敏男             中澤良行  教育長              事務局次長  選挙管理  委員会      杉原 純    常勤監査委員   濵田幸二  事務局長  監査事務局長   野田 勉---------------------------------------職務のため出席した議会事務局職員  局長       小池勇士    次長       大野哲男  議事係長     濵野智子    議事主査     臼井友広  議事主査     佐藤公彦    議事主査     氏家あふゆ  議事主査     唐澤一彰    書記       山崎友之  書記       笠原鉄平---------------------------------------  速記士      橋口仁子---------------------------------------2月25日    議事日程 日程第1 代表質問 日程第2 一般質問 日程第3 第5号議案 平成27年度新宿区一般会計補正予算(第8号)                           [委員会審査報告] 日程第4 第10号議案 新宿区公共の場所における客引き行為等の防止に関する条例の一部を改正する条例 日程第5 第11号議案 新宿区職員定数条例の一部を改正する条例 日程第6 第12号議案 新宿区職員の退職管理に関する条例の一部を改正する条例 日程第7 第13号議案 新宿区職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例 日程第8 第14号議案 新宿区職員の分限に関する条例の一部を改正する条例 日程第9 第15号議案 新宿区職員の結核休養に関する条例を廃止する条例 日程第10 第16号議案 新宿区職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例 日程第11 第17号議案 新宿区職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例 日程第12 第18号議案 新宿区立消費生活センター条例の一部を改正する条例 日程第13 第19号議案 新宿区一般事務手数料条例の一部を改正する条例 日程第14 第20号議案 新宿区指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例 日程第15 第21号議案 新宿区指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員、設備及び運営並びに指定地域密着型介護予防サービスに係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準を定める条例の一部を改正する条例 日程第16 第22号議案 新宿区子ども未来基金条例 日程第17 第23号議案 新宿区保育所保育料徴収条例の一部を改正する条例 日程第18 第24号議案 新宿区立子ども園条例の一部を改正する条例 日程第19 第25号議案 新宿区立子育て支援施設の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例 日程第20 第26号議案 新宿区学童クラブ条例の一部を改正する条例 日程第21 第27号議案 新宿区放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例 日程第22 第28号議案 新宿区保健事業の利用に係る使用料等を定める条例の一部を改正する条例 日程第23 第29号議案 新宿区大気汚染障害者認定審査会条例の一部を改正する条例 日程第24 第30号議案 新宿区国民健康保険条例の一部を改正する条例 日程第25 第31号議案 新宿区道路占用料等徴収に関する条例の一部を改正する条例 日程第26 第32号議案 新宿区特定公共物管理条例の一部を改正する条例 日程第27 第33号議案 新宿区立公園条例の一部を改正する条例 日程第28 第34号議案 新宿区立妙正寺川公園条例の一部を改正する条例 日程第29 第35号議案 新宿区自転車等の適正利用の推進及び自転車等駐輪場の整備に関する条例の一部を改正する条例 日程第30 第36号議案 新宿区建築審査会条例の一部を改正する条例 日程第31 第37号議案 新宿区中高層階住居専用地区内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例 日程第32 第38号議案 新宿区特別工業地区内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例 日程第33 第39号議案 新宿区環境土木・都市計画事務手数料条例の一部を改正する条例 日程第34 第40号議案 新宿区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例 日程第35 第41号議案 新宿区中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例の一部を改正する条例 日程第36 第42号議案 新宿区幼稚園教育職員の給与等に関する特別措置に関する条例の一部を改正する条例 日程第37 第43号議案 新宿区幼稚園教育職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例 日程第38 第44号議案 新宿区立の小学校、中学校及び特別支援学校の非常勤の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例 日程第39 第45号議案 新宿区立幼稚園条例の一部を改正する条例 日程第40 第46号議案 新宿区立図書館条例の一部を改正する条例 日程第41 第47号議案 (仮称)「漱石山房」記念館建設工事請負契約 日程第42 第48号議案 東京都後期高齢者医療広域連合規約の一部を変更する規約について 日程第43 第6号議案 平成27年度新宿区一般会計補正予算(第9号) 日程第44 第7号議案 平成27年度新宿区国民健康保険特別会計補正予算(第4号) 日程第45 第8号議案 平成27年度新宿区介護保険特別会計補正予算(第3号) 日程第46 第9号議案 平成27年度新宿区後期高齢者医療特別会計補正予算(第3号) 日程第47 第1号議案 平成28年度新宿区一般会計予算 日程第48 第2号議案 平成28年度新宿区国民健康保険特別会計予算 日程第49 第3号議案 平成28年度新宿区介護保険特別会計予算 日程第50 第4号議案 平成28年度新宿区後期高齢者医療特別会計予算 日程第51 議員提出議案第1号 新宿区心身障害者福祉手当条例の一部を改正する条例 日程第52 議員提出議案第2号 新宿区介護サービス事業者に対する人材確保・定着・育成支援補助金の交付に関する条例 日程第53 議員提出議案第3号 新宿区保健事業の利用に係る使用料等を定める条例を廃止する条例--------------------------------------- △開議 午前10時00分 ○議長(下村治生) ただいまから、本日の会議を開きます。 会議録署名議員は、   14番 大門さちえ議員  34番 宮坂俊文議員 を指名します。--------------------------------------- ○議長(下村治生) 本日の会議時間は、議事進行の都合により、あらかじめ延長します。--------------------------------------- ○議長(下村治生) 陳情の付託について申し上げます。 受理した陳情は、お手元に配付しました陳情付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託しましたので、報告します。     〔巻末諸報告の部参照〕--------------------------------------- ○議長(下村治生) これから本日の日程に入ります。 日程第1、代表質問を行います。 質問の通告を受けましたので、順に質問を許します。 最初に、32番沢田あゆみ議員。     〔32番 沢田あゆみ議員登壇、拍手〕 ◆32番(沢田あゆみ) 日本共産党の沢田あゆみです。2016年第1回定例会に当たり、日本共産党新宿区議団を代表して、区長並びに教育委員会に質問いたします。 新宿区はこの3月、平和都市宣言から30周年を迎え、3月27日には平和のつどいが大々的に開催されます。改めて平和の大切さを区民の皆さんと共有し、この新宿区から平和を発信していきたいと思います。 昨年、安倍内閣が強行した憲法違反の安保関連法=戦争法を廃止しようという国民の声が大きく広がっています。私たち日本共産党は、戦争法廃止と立憲主義を取り戻すため、あらゆる団体・個人と野党の協力共同を広げながら頑張る決意を申し上げ、以下、質問に入ります。 最初に、区長の政治姿勢と区政の基本方針について質問いたします。 甘利前経済再生大臣の政治とカネの問題は、口ききの見返りとして受け取ったお金の原資に国民の税金が使われているという点からも許すことができません。徹底的な真相究明と同時に、企業・団体献金の禁止こそ必要です。そもそも企業・団体献金は賄賂性が強く、政党助成金制度創設の際、自民党も企業・団体献金は禁止していく必要があると認めていたはずです。ところが安倍首相は、今回の疑惑について、「企業・団体が政党に献金すること自体が不適切なものとは考えていない」などと答弁しており、とんでもありません。 企業献金で政治がゆがめられたしわ寄せは、区民生活にも直結します。2014年に自民党が受け取った企業献金は22億円を超え、安倍政権のもとで企業減税は来年度以降年間4兆円で、大企業の内部留保は300兆円を超えました。一方、国民に対しては消費税増税や社会保障改悪でますますの負担増、そして実質賃金は4年連続の減です。 そこで、区長の政治姿勢について伺います。 企業・団体献金は賄賂性が強いと思いますが、区長はどう思われますか。政治がお金でゆがめられることのないよう、企業・団体献金は法律で禁止すべきと考えますが、区長自身がこれまでにパーティー券も含めて企業・団体とお金のかかわりを持ったことがあるか、今後の姿勢もあわせて見解をお示しください。 次に、区政の基本方針について伺います。 第1は、区民生活の実態です。 基本方針説明で区長は、区民の暮らしや営業の実態について一切触れず、国の発表した景気動向などを述べるだけで、経済政策の効果もあって云々とアベノミクスを評価しているかのような印象さえ受けます。区長は、少なくとも昨年の基本方針説明では、「実質賃金の低下」や「個人消費の回復」が進まないことに触れていましたが、今回はなぜ言及されないのですか。区長がどのように区民生活の実態を把握し、心を寄せているのかが伝わってきません。来年度は、子どもの貧困対策にさらに一歩踏み出す予算も計上されており、その点は評価していますが、格差と貧困の拡大は区長も感じていらっしゃるのでしょうか。区長の見解をお示しください。 第2は、消費税10%への増税についてです。 基本方針説明では、景気動向について、中国等の経済減速により景気が下押しされるリスクや、株価の乱高下、日銀のマイナス金利導入などに触れ、注視しなければならないと言っています。しかし、そうした事態が起こる背景には、実体経済が低迷しているから中国経済の影響を世界の中で日本が最も受けてしまったのであって、実体経済が追いつかない原因は、消費税8%への増税の影響が尾を引いているからだと専門家は指摘しています。 区長は、消費税の10%への増税は、さらに区民の暮らしと営業を追い詰め、景気を悪化させるとは思いませんか。今やるべきは、年金生活者に3万円をばらまくことでもなく、軽減税率という名の一部8%据え置きでもありません。来年4月からの消費税増税にきっぱり反対すべきと考えますが、いかがでしょうか。 第3に、財源の確保についてです。 基本方針説明でも触れられましたが、法人住民税の一部国税化がさらに強化されます。その影響額は特別区分だけでも1,000億円を上回るので、「国に対し法人住民税の一部国税化を早期に見直すことを引き続き強く要望」していると述べられておりますが、一方で、固定資産税の増収が見込まれるため、危機感が薄れているのではないでしょうか。本気で国と闘うのならば、23区が合同で決起集会を行うぐらいのことをしなければ、一度奪われた財源を取り戻すことはそう簡単ではありません。特別区長会は、主張の表明にとどまらず、さらなるアクションを起こすよう、吉住区長が提案されたらいかがでしょうか。 そして、都区財政調整も、いつも都に押されっぱなしの印象が拭えません。子育て、介護など、国の制度が変わると都区財政調整制度の算定基準が切り下げられることがこれまでもありましたが、子ども・子育て支援新制度や介護保険法改定後の新制度についても、区側の需要が正しく算定されるよう要求すべきと考えますが、いかがでしょうか。 第4に、予算編成についてです。 基本方針説明では、今後、新宿駅直近地区や東西駅前広場の再整備、サブナードの延伸など、大きな事業費が想定される計画がめじろ押しです。これまでも繰り返し確認してきたことですが、オールジャパンの新宿駅とその周辺の整備は、国や東京都の財政と、それによって利益を得る事業者によって負担されるべきで、区税を投入すべきではないと考えますが、いかがでしょうか。 一方、国の予算の有効活用も重要です。国は、補正予算と新年度予算案で「地方創生加速化交付金」と「地方創生推進交付金」を打ち出しました。「加速化交付金」は2月中旬が申請の締め切りでしたが、区としてどのような事業申請をしたのかお答えください。 また、「推進交付金」も検討を始めていると思いますが、区民生活にかかわることで、区政の課題解決に役立つ事業を実施していただきたいと思います。例えば、特別区が立ち上げた「特別区全国連携プロジェクト」も参考に検討してはいかがでしょうか。 以上、答弁願います。 ◎区長(吉住健一) 沢田議員の御質問にお答えします。 初めに、区長の政治姿勢と区政の基本方針についてのお尋ねです。 企業・団体献金についてのお尋ねですが、企業・団体献金等の政治資金については、政治資金規正法に基づき適切に行われるべきものと考えています。 なお、企業、団体、個人を問わず、献金や寄附を受けた際には、すべからく政治資金規正法に基づいて届け出をしております。 次に、区民生活の実態についてです。 国内の景気は、雇用・所得環境の改善が続く中、緩やかな回復に向かうことが期待されていますが、総務省の家計調査によると、総世帯の消費支出は前年比で実質2.7%の減で、2年連続の減少となっており、個人消費が停滞している状況にあります。また、日銀による我が国初のマイナス金利の導入など、金融政策が家計や景気動向にどのような影響をもたらすか、注視していく必要があります。 一方、区が実施している中小企業の景況調査では、全般的な業況は若干持ち直していますが、マイナスが続いており、景況調査にあわせて行った特別調査における「平成28年の自社の業況見通し」では、昨年同時期の調査より上向いているものの、明るい見通しを示した企業が2割台にとどまるという結果になっています。このように、国内景気については回復基調にあるものの、先行きは不透明であり、区民の暮らしについても楽観視できないものと認識しています。 また、格差と貧困については、新宿区の生活保護の状況を見ると、受給世帯数は依然として増加傾向が続いています。区では、生活保護受給者の自立に向けた支援を初め、生活困窮者自立支援法施行に伴い、昨年4月から福祉部に生活支援担当課を置き、経済的に困っている方からの相談に対応する「生活支援相談窓口」を開設して、自立相談支援事業、住居確保給付金の支給及び就労準備支援事業等の各種支援事業を実施しています。 今後も、生活保護受給者や生活困窮者の自立に向けた支援を総合的に実施することにより、格差と貧困の解消に取り組むとともに、子ども未来基金の創設や子育て世帯の経済的負担軽減のさらなる拡充など、子どもの貧困対策に取り組んでまいります。 次に、消費税率の引き上げについてのお尋ねです。 少子高齢化の急速な進展や、国、地方ともに厳しい財政状況のもとで、国民が安心し、希望が持てる社会保障の実現が求められています。こうした中、持続的な社会保障制度を構築し、その安定財源を確保する観点から、段階的に消費税率を引き上げることは必要であると考えています。 しかし、消費税率の再引き上げは、厳しい状況にある地域経済に対してマイナスの影響を与えることが懸念されているため、低所得者に対する支援や経済状況に応じた中小企業への配慮など、特別区長会を通じて国へ要望してまいります。 次に、法人住民税の一部国税化の見直しについてのお尋ねです。 法人住民税は、法人の地域での活動や、そこで働く人々を支えるためのさまざまな施策の財源として負担を求めているもので、これを地方自治体間の財源調整に用いる国の措置は、受益と負担に基づく応益課税であるべき地方税の原則に反するものであり、地方分権の流れに大きく逆行するものと言わざるを得ません。 こうした考えにより、特別区長会においては、「税源偏在是正議論についての特別区の主張」を公表するとともに、昨年度に引き続き東京都、特別区長会、東京都市長会及び東京都町村会の4団体連名による地方財源の拡充に関する要請活動を行いました。私は、今後とも特別区長会や東京都などの関係者と一体となり、地方が担う権限と責任に見合う地方財源の拡充に向け、全力で取り組んでまいります。 次に、都区財政調整についてのお尋ねです。 都区財政調整交付金は特別区共有の固有財源であり、その算定については特別区がひとしく、その行うべき事務を遂行することができるよう、特別区における行財政の実態を踏まえ、毎年、都区間の協議により見直しを行っています。 平成28年度都区財政調整協議では、区側が提案した67項目のうち、子ども・子育て支援新制度や生活困窮者自立支援事業など新規算定で10項目、国民健康保険事業助成介護保険事業助成など算定の充実で20項目など、全体では45項目を算定に反映させました。引き続き、特別交付金の透明性、公平性を高める観点から、普通交付金の割合を高めることや都市計画交付金のあり方などについても特別区の行財政の実態が的確に反映されるよう、都区協議に臨んでまいります。 次に、新宿駅や周辺整備に係る経費負担についてのお尋ねです。 現在、新宿駅東西自由通路は、施設を所有する鉄道事業者が事業主体として整備しています。その整備は地域の30年来の願いであり、新宿のまちの発展には欠かせない施設であるとの観点から、区としても、国の「都市・地域交通戦略推進事業」を活用し補助金を支出しています。この事業に係る区負担分については、全額都区財政調整制度により財政需要として算定されているところです。 また、「新宿駅直近地区のまちづくり」や「東・西駅前広場の再整備」、「靖国通り地下通路の延伸整備」についても、回遊性の高い快適な歩行者空間やにぎわいのある良質な都市空間を創出することから、新宿のまちの魅力やポテンシャルをさらに向上させる取り組みであると考えています。これらの整備についても、まちづくり事業として国や東京都を初め関係事業者などと連携しながら、それぞれの役割に応じた適切な負担のもと、整備を進める必要があるものと考えています。 次に、国の予算の有効活用についてです。 初めに、区は地方創生加速化交付金についてどのような事業を申請したのかについてです。 地方創生加速化交付金は、地方版総合戦略に位置づけられた事業で、しごと創生やまちのにぎわい創出等のまちづくりなどの先駆性の高い事業を対象とする予算規模が1,000億円の交付金です。区では、まちのにぎわいの創出に向けた事業を交付対象として検討し、現在、国に対する申請を行っているところです。 次に、地方創生推進交付金については、平成28年度からの地方創生の深化に向けて、官民協働や地域間連携などの先駆性のある取り組みや、既存事業のあい路を発見し打開する取り組み等を対象とする、予算規模が1,000億円の交付金です。区では、区政の課題解決に向けた取り組みの中で、地方創生推進交付金の活用に適した事業を検討し、交付金の申請に係る具体的なスケジュール等が示され次第、申請等の手続きを進めてまいります。 ◆32番(沢田あゆみ) 次に、新総合計画の策定について質問いたします。 現在の基本構想、総合計画が策定されたとき、私は、基本構想審議会と都市計画審議会の委員として策定に直接かかわりました。当時を振り返ると、基本構想策定に当たっては300人を超える区民が参加した新宿区民会議が提言書をまとめ、都市マスタープラン地区別まちづくり方針については地区協議会が報告書をまとめ、それらを尊重して基本構想審議会と都市計画審議会が何日も議論を行い答申しました。まさに議論に議論を重ねて策定されたのです。事務局となった区職員の皆さんの御苦労も相当なものでしたが、そのときの徹底した区民参加の経験が自治基本条例のバックボーンになっています。基本構想の基本理念には、「区民が主役の自治を創ります」とあります。自治基本条例制定から間もなく5年、新総合計画策定は、まさに新宿区の自治の真価が試されるのではないでしょうか。 今回は、基本構想は変えず、都市マスタープランの見直しを含めた新総合計画の策定となりますが、既に2月から町会・自治会、地区協議会への説明が行われ、4月下旬までに意見を集約するとしています。4月下旬からは既存の審議会や区民討議会で議論を行うとともに、インターネットによるアンケート調査を行うとし、区民全体からの意見聴取は骨子案の段階と計画案の段階でパブリック・コメント、地域説明会などを2回行うスケジュールが示されています。 前回と大きく違うのは、新宿区民会議のような公募区民による会議体がないことです。前回は、地区協議会の立ち上げと同時に地区別まちづくりの議論を始めたこともあり、地区協議会も多くの公募区民が参加していましたが、今回はそれも状況が違います。一方で、区民討議会を設置するとしていますが、これは無作為抽出した中から参加を募る手法で、それ自体は区民参加の方法として有効ですが、さらに公募区民の枠を大きく設けてはいかがでしょうか。また、地区協議会にも地域の幅広い意見が反映されるよう、例えば地区協議会が地域住民の意見を聞く場を設定し、そこに区の職員が説明に出向くなど、区として可能な限り支援をすることが必要と考えますが、いかがでしょうか。 また、基本構想審議会のメンバーも、前回は学識委員、区議会議員のほか、町会連合会のような区民団体の代表と新宿区民会議の各分科会の代表、各地区協議会の代表で構成されていましたが、今回の区民枠はどのようにお考えなのか、お答えください。 前回は、区民参加の努力を重ねたことによって、パブリック・コメントも団体から116件、総数480件もの多くの意見が寄せられました。審議会なども当初の日程では足りず、日数をふやして議論の時間を保証しました。今回は、前回の策定過程と比べてどの程度日数、時間が保証されるのでしょうか。自治基本条例の趣旨からも、前回と比べて区民参加、住民自治が後退することのないよう進めるべきと考えますが、区長の見解をお示しください。 ◎区長(吉住健一) 新総合計画の策定についてのお尋ねです。 初めに、区民討議会に公募区民枠を設けることについてです。 区民討議会は、無作為抽出により参加者を募ることで、日ごろあまり区政に参加する機会のない方からも御意見を伺うために実施することを考えています。このため、区民討議会に公募区民枠は設けませんが、基本構想審議会の委員に公募区民枠を設けることについて検討しています。あわせて、町会連合会を初め、どのような区内各種団体を構成メンバーとするかについても検討しているところです。 次に、基本構想審議会の日程等についてです。 区は、総合計画策定までのスケジュールに基づき、審議に必要な会議回数と時間を確保するとともに、効果的・効率的な会議運営に努め、円滑な審議が行われるよう事務局として取り組んでまいります。 現在、新たな総合計画の策定に向けた作業を進めており、策定に当たっては多くの区民から御意見をいただくことが重要であると考えています。このため、今月から担当課が各地域の町会連合会、地区協議会に伺い、御意見をいただくようお願いをしています。 また、新年度からは区民討議会のほか、インターネットによるアンケートの実施、各種審議会委員から御意見をいただくなど、総合計画の骨子案を作成する段階から区民の皆様の御意見を伺う機会を設けていきます。さらに、骨子案と計画案のそれぞれの段階において地域説明会とパブリック・コメントを実施していきます。このようなさまざまな取り組みにより、幅広い住民参加の機会を設けてまいります。 ◆32番(沢田あゆみ) 次に、子どもの貧困対策について質問いたします。 区の来年度予算案では、子どもの貧困対策として、「子ども未来基金の創設」を初め、ひとり親家庭への「生活相談会の実施」、「ニーズ及び課題調査」、経済的支援として「多子世帯及びひとり親世帯等の保育料軽減」、学習支援として「子ども家庭支援センターでの小学校低学年向け学習支援を1カ所から3カ所に拡大」、保護者への就業支援として「高等職業訓練促進給付金の支給期間を2年から3年に拡大」などが計上されました。これについては評価した上で、さらに子どもの貧困対策を充実する必要があると考え、以下、質問します。 第1に、子ども未来基金についてです。 この基金は、「子どもの育ちを支援する区民等の自主的な活動に対し助成をする」として、具体的には子ども食堂や学習支援、子どもの居場所づくりなどを行う団体を想定していますが、そうした活動を始めたいと考えたときにハードルとなるのが、一定の初期費用や場所の確保です。助成額は1団体30万円としていますが、区が必要と認める場合は助成額を引き上げてはいかがでしょうか。また、地域センターや区立住宅の集会室など区施設を貸し出すことや、区内民間施設、機材や物資の提供を申し出る団体・個人等をコーディネートするなど、基金条例の趣旨に合致する団体に対しきめ細かい支援を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。子ども未来基金を生きた事業にするためには、人員含めて体制の充実が必要と考えますが、区長の見解をお示しください。 第2に、貧困対策の中心とすべき経済的支援についてです。 1つ目は奨学金です。 日本の異常に高い学費と貧弱な奨学金制度が貧困の連鎖をつくり出しています。この間、政府は、国民の所得が減っているにもかかわらず国立大学の学費を上げ続け、奨学金の有利子化を進めてきました。その結果、所得の低い世帯の子どもは大学進学率が低く、大学生の親の収入を見ると、800万円以上の世帯が50%以上を占め、400万円未満の世帯は10%に届きません。こうしたもとで、奨学金借り入れ総額が卒業時に500万円以上になった学生が、この4年間で倍増しました。子どもの貧困対策を率先して行うべき国は、来年度予算にまたしても給付型の奨学金制度創設を盛り込みませんでした。区長は、こうした貧しい奨学金の実態と政府の姿勢をどう思われますか。貸付型奨学金は無利子にし、返済の減免制度をつくること、給付型奨学金制度を早急に創設することを国に要望すべきと考えますが、いかがでしょうか。 足立区は、来年度予算案で「足立区育英資金」について、一定の要件を満たした利用者を対象に貸付金額の半額を返済免除することを盛り込みました。また、世田谷区は児童養護施設を巣立つ若者を支援する事業を開始し、住宅支援や居場所支援とともに給付型奨学金の交付を行います。 どのような環境であっても教育を受ける権利を保障することを国が踏み出さないのであれば、区民に一番身近な区政が踏み出すべきです。「新宿区奨学資金」の対象人数は現在12名ですが、足立区は50名、大田区は95名です。12名はあまりにも少な過ぎます。新宿区奨学資金は要件を緩和し、対象人数をふやすべきです。支給額も学費の実態に合わせ増額し、給付型とすべきと考えますが、いかがでしょうか。 経済的支援の2つ目は、生活保護世帯の子どもへの塾代、受験料補助等についてです。 東京都の「受験生チャレンジ支援貸付事業」は、一定所得以下の世帯の中学3年生と高校3年生に対し、塾代として20万円、受験料として中3は上限2万7,400円、高3は上限10万5,000円を貸し付け、合格すれば返済免除になる制度ですが、生活保護世帯は対象外です。生活保護世帯向けには、塾代として小学4年から中学2年まで上限10万円、中学3年は上限15万円と受験料1校上限2,200円の補助がありますが、チャレンジ事業より上限額は少なく、そもそも大学受験は対象にもなっていません。ある生活保護世帯のお子さんが、ことし大学受験しましたが、受験勉強は自力で行い、私立大の受験料は3万円以上のため1校しか受験しなかったそうです。親御さんは「生活保護の子どもは大学に行くなということでしょうか」と嘆いておられました。 昨年、中学3年の塾代上限額についてはチャレンジ事業と同等にすることを東京都に要望すると答弁されましたが、都はどのような回答でしたか。生活保護世帯の子どもと、それ以外の子どもの格差があることは、平等に教育を受ける権利を保障する上から絶対に許されません。生活保護世帯に対してもチャレンジ事業と同等の補助を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。東京都が行わないのであれば、区独自に補助すべきと考えますが、いかがでしょうか。 第3に、支援体制の強化についてです。 経済的困難を抱える区民が総合的に相談できるのは、生活困窮者自立支援制度に基づく生活支援相談窓口です。しかし、区民の中での認知度は低く、区役所の中でさえ十分に活用されているとは言いがたい状況です。さらなる周知、活用が必要と考えますが、いかがでしょうか。また、時間的余裕がない方は役所の開庁時間内の来庁や電話は難しく、メールでの相談やアウトリーチも含めた時間外の対応を行うべきと思いますが、いかがでしょうか。 生活困窮者自立支援制度のメニューにある学習支援は、高校進学と定着支援として、高校1年の夏休みまでフォローする内容です。ここでも高校生の進路を支援する視点がありません。学習支援を高校卒業まで拡充することを求めますが、いかがでしょうか。 学校をプラットフォームとした総合的な子どもの貧困対策の推進に国も予算配分を強化していますが、区教育委員会はスクールソーシャルワーカーを2名配置しています。しかし、活動実態からスクールソーシャルワーカーの認知度は低く、学校に生活上の相談ができることを知らない保護者がほとんどです。スクールソーシャルワーカーの存在と役割を十分に周知すべきではないでしょうか。また、よりきめ細かな対応を行うためには、スクールソーシャルワーカーを増員すべきと考えますが、いかがでしょうか。 以上、答弁願います。 ◎区長(吉住健一) 子どもの貧困対策についてのお尋ねです。 初めに、「新宿区子ども未来基金」についてです。 今定例会に基金の設置条例案及び関係予算を上程させていただきました。基金の助成事業として想定している学習支援や子ども食堂などの活動は、区内で実績のあるNPOや他区の事例では、利用者からの実費徴収と寄附やボランティアによる運営の工夫がなされています。こうした事例や、これから活動を始めたいという区民の御意見を参考にさせていただき、予算は助成額の上限を1団体30万円として積算しました。 次に、活動に取り組む方々への支援についてです。 区には、子ども食堂などの活動をこれから始めたいという相談が複数の個人・団体から寄せられています。これから活動を始めようとされている皆さんのお話を伺うと、御指摘のとおり活動場所の課題が挙げられます。活動場所としての区有施設の活用については、地域センター等で行われている高齢者への食事サービスや子どもの料理教室等も参考に検討していきます。また、食材等を提供してくださる方とのコーディネート、必要とする人に支援が届けられる仕組み等についても、庁内の関係部署による推進体制である「子どもの貧困対策検討連絡会議」で情報交換を行いながら、きめ細かく対応していきます。 次に、貧困対策の中心とすべき経済的支援についてです。 まず、奨学金についてです。 国は、「子どもの貧困対策に関する大綱」において、「大学等進学に対する教育機会の提供」のため、「奨学金制度等の経済的支援」の充実を掲げています。私も、意欲と能力のある子どもたちが経済状況にかかわらず大学進学の機会を得られることが、貧困の連鎖を防ぐ上で大切なことであると認識しています。そのため、教育委員会から全国都市教育長協議会を通じて無利子奨学金の事業費の増額や給付型奨学金制度の拡充等を国に対して要望しています。 次に、生活保護世帯の子どもへの塾代・受験料補助等についてのお尋ねです。 中学3年生への塾代補助上限額の増額については、受験生チャレンジ支援貸付事業との均衡を図るべきと考えています。そのため、東京都に対し増額を要望しましたが、実現には至っておらず、引き続き要望をしていきます。 また、高校への受験料については、生活保護制度の中で都立高校の受験料の額の範囲で給付されるため、補助の必要はないと考えています。 高校生への支援については、平成26年度から国の高校生等奨学給付金制度が始まりました。また、昨年10月からは高校生のアルバイト収入等から塾代が収入認定除外となるなど、国の取り組みが進んできています。 区では、生活保護受給世帯の子どもへの学習に関する支援については、まずは高校への進学を支援することが重要と考えています。そのためには早期からの支援が有効と考え、受験生チャレンジ支援貸付事業の対象とならない小学4年生から塾代の補助を行っています。したがって、区として独自に補助することは考えていません。 次に、支援体制の強化についてのお尋ねです。 生活支援相談窓口は、平成27年4月の生活困窮者自立支援法の施行に先駆け、平成26年10月に開設し、地域及び関係機関等に対し事業の周知及び連携、協力を依頼し、生活困窮者に対する包括的な支援体制を構築しました。 生活支援相談窓口の周知・活用としては、経済的にお困りの方がかかわる庁内相談窓口及び関係機関等へリーフレットを配布し、生活支援相談窓口との連携を図るとともに、区ホームページ、ツイッターを活用した積極的な情報発信を行っています。今後もさまざまな機会を利用し、生活支援相談窓口の周知・活用を図っていきます。 時間的余裕がない方への対応については、メールでのお問い合わせをお受けしており、時間外の対応を行うことは考えていません。 次に、学習支援を高校卒業まで拡充することについてのお尋ねです。 経済的にお困りの世帯の高校生の進路の相談については、生活支援相談窓口で進学のための貸し付けを含めた家計に関する相談支援の体制を整えています。また、子ども総合センターなどで、保護者だけでなく子ども本人からの相談も受け、支援しています。そのため、学習支援を高校卒業まで拡充することは、今のところ考えておりません。 ◎教育長(酒井敏男) 教育委員会への御質問にお答えします。 新宿奨学資金についてのお尋ねです。 新宿奨学資金は、成績優秀で、かつ経済的な理由により修学困難な生徒に就学に必要な資金の貸し付けを行うものです。募集人数は、過去の応募状況から12人としています。平成27年度生については5人の応募があり、成績や経済状況を勘案して、全員に資金の貸し付けを実施しています。 奨学資金の要件や貸付額につきましては、これまでも希望者が応募しやすい要件になるよう改正をするとともに、国公立学校、私立学校の授業料等の状況を踏まえて、必要に応じて見直しを図ってまいりました。また、現在国及び東京都において高校の授業料の負担軽減制度や授業料以外の負担軽減を図るための奨学給付金制度を実施されており、国の平成28年度予算案では奨学給付金額の増額により低所得者や多子世帯の教育費負担の軽減が図られています。そのため、現時点では区の奨学資金を給付型にする考えはありませんが、要件や給付額などさまざまな状況も検討しながら、引き続き奨学資金貸付制度を実施することにより修学の支援を図ってまいります。 次に、スクールソーシャルワーカーの存在と役割の周知についてのお尋ねです。 スクールソーシャルワーカーは、教育分野だけではなく、福祉分野の専門的知識や技術を活用し、家庭、学校、子ども家庭支援センターなど地域の関係機関をつなぎ、ネットワークを構築し、子どもの悩みや抱えている問題の解決に向けて支援する専門家として配置しています。 ここ数年、特に中学校の不登校率が減少傾向にあり、スクールソーシャルワーカーなどのきめ細かな支援により成果を上げていると捉えています。このような成果を教育相談担当者会等で広く教職員に周知し、また学校だよりなどで家庭や地域に発信できるよう検討してまいります。 次に、スクールソーシャルワーカーの増員についてのお尋ねです。 「子供の貧困対策に関する大綱」が平成26年8月に閣議決定され、その中でスクールソーシャルワーカーの配置の拡充が示されています。その大綱を踏まえ、全国で1,500人いるスクールソーシャルワーカーを4年後までに1万人へ拡充する目標が文部科学省から示されています。このことは新聞などでも報道されておりますが、現段階では区市町村に具体的には示されておりません。 新宿区では、今後の国や都の動向、学校の状況を踏まえ、スクールソーシャルワーカーの効果的な活用と配置について検討してまいります。 ◆32番(沢田あゆみ) 次に、待機児童対策について質問いたします。 今年度の待機児童解消策の取り組みは、賃貸物件を活用した私立認可保育園や、富久ソラのこども園、早稲田南町保育園分園の開設等、624名という過去最大の定員拡大となっており、ことし4月の待機児童は大幅に改善することが期待されていました。しかし、4月入園の第1次申し込みに対し、2月17日付で424名に不承諾通知が送られました。昨年より33名少ないものの、一昨年の426名とほぼ変わらない状況ですから、またもや多くの子どもが待機になってしまうのではないかと心配です。4月の待機児童の新定義、旧定義、それぞれ想定される人数と、その評価についてお答えください。 来年度は中央図書館跡地を活用した私立認可保育所の開設等、422名の定員拡大を図るとしていますが、これによって来年4月の待機児童をどれぐらい見込んでいるのでしょうか。第三次実行計画では、2018年4月に待機児童ゼロを目標にしていますが、過去最大の定員拡大を行っても不承諾通知が例年と変わらないのですから、422名を大きく上回る定員拡大を行う必要があると考えます。今後の申し込み状況も踏まえて、さらなる待機児童解消策を打ち出すべきと考えますが、いかがでしょうか。 その際、来年度予算案で示された賃貸物件を活用した2所と、地域型保育所2所も含めて、園庭を設置できる広さの土地を確保する努力を区として行うべきです。公有地の活用を繰り返し求めてきたところですが、国は、待機児童解消のための国有地の活用制度として定期借地料を半額程度にしているものの、新宿区の9割減額には及びませんし、売却は自治体に優先的に紹介するだけで割引はありません。保育所整備のための国有地を無償または低廉に売却、貸し付けを行うことを改めて国に対し求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。 国は、国家戦略特区のメニューの一つとして、都市公園内における保育所等の設置を解禁しましたが、本来国がやるべきことは、国有地を積極的に提供したり財政的支援をすることです。しかしながら、土地確保が困難な都心区では公園の活用も検討せざるを得ません。荒川区では、このメニューを活用して、来年4月、都立汐入公園に私立認可保育所を開設し、区立公園内にも設置を予定しています。新宿区は今年度早々に公園活用を検討し、待機児童の多い牛込箪笥地域の区立公園6カ所を調査した結果、物理的に不可能だったとしていますが、今度は新宿区全域を視野に入れ、区立公園以外も含め、改めて公園内の保育所設置を検討してはいかがでしょうか。 この項の最後に、保育士確保策について伺います。 保育従事職員宿舎借り上げ支援事業は、職員用の宿舎の借り上げを行う事業者に対して、区市町村が経費を支出した場合に、その一部上限8万2,000円を補助することにより、保育人材の確保・定着を図る事業です。しかし、今年度は13園38名と、十分活用されているとは言いがたい状況です。事業者の方に伺ったところ、「就業から5年以内、通勤時間1時間以内という補助要件は厳しい。5年以上であっても処遇改善は必要。経験を積んだ保育士こそ定着させたい。通勤時間も安い家賃の物件を探すと遠くなり、1時間以上かかる人も結構いる」とのことでした。保育従事者の定着をより強化するために、補助要件を緩和すべきと考えます。「就業から5年以内」は、国、東京都の要件ですから、それぞれ改善を要望し、実現までの間、区が上乗せすること、また「通勤時間1時間以内」は新宿区独自の要件ですから、直ちに見直すべきと考えますが、いかがでしょうか。 以上、答弁願います。 ◎区長(吉住健一) 待機児童対策についてのお尋ねです。 初めに、4月の待機児童の想定人数と、その評価についてです。 今回発送した不承諾通知数は平成26年とほぼ同じですが、内容的には不承諾に含まれる転園を希望する方が26名、育児休業申請のため不承諾通知を希望する方が8名ふえています。また、昨年度と比較してゼロ歳から2歳までの空きが44名多く発生していること、今後育児休業の延長や転出による申請の取り下げが一定数発生することなどから、平成28年4月の待機児童数は一定の改善が見込めると予測しています。 次に、平成28年度の定員拡大による平成29年4月の待機児童の見込みと今後の申し込み状況を踏まえた解決策についてです。 区では、この4月の待機児童数や、平成27年度の実績を踏まえて見直しを図った子ども・子育て支援事業計画による今後の保育需要量の見込みを勘案しながら、必要があればさらなる保育定員の確保策を検討してまいります。 次に、園庭を設置できる土地の確保と国有地の活用についてのお尋ねです。 保育所開設に伴う園庭の確保は都心部の課題であると認識しており、区は、公有地、民有地を問わず園庭が確保できる適地の情報収集に努めています。国有地については、全国市長会を通じて貸し付けや売却価格などの積極的な減免措置の実施を国へ要望しており、今後もさらなる軽減を図るよう、引き続き要望していきます。 次に、公園内への保育所設置についてです。 区は、平成27年度当初に牛込箪笥地域での区立公園6カ所について検討しましたが、その背景には、当該地域が緊急整備地域であったにもかかわらず、保育所整備用の公募物件がなかなか出てこなかったという事情があります。その後、区が賃料補助の独自加算を開始してからは、不動産会社からの紹介案件がふえ、現在のところ、整備物件の確保については一定のめどがついているところです。 公園には地域での役割と存在意義があり、保育所等への活用は特段の事情がある場合にのみ限られるべきと考えていますが、今後、待機児童問題をめぐる状況にさらなる変化があった場合には、区内の公園活用も含め、柔軟な検討を行っていきます。 次に、保育士確保策についてのお尋ねです。 区では、保育従事職員宿舎借り上げ支援事業について、都の基準では原則区内とされている宿舎の所在地を通勤時間でおおむね1時間以内の場所とするほか、施設運営に必要な事務員も対象に加えるなど、要件を拡大して実施しているところです。しかし、自治体により上乗せの内容が異なるほか、国・都の基準どおりの場合もあり、複数の自治体に施設を設置している法人では、職員間で処遇が異なってしまうことから申請に至っていない現状もあると認識しています。 なお、平成28年度は新たに申請する意向を示している法人も複数あり、利用実績は上がるものと考えています。したがって、区としては、現行の要件の上乗せや見直しを行う考えはありません。 ◆32番(沢田あゆみ) 次に、国民健康保険について質問いたします。 来年度の国民健康保険料については、低所得者対策で実施される法定減額の対象拡大分を差し引いても、1人当たり4,850円の大幅値上げの提案がなされています。値上げの第一の要因は、医療給付費の増大としています。来年度の診療報酬はマイナス改定となりましたが、医療費がかさむ高齢層が増加しているため、療養給付費がふえるとしています。 そもそも国民健康保険は、定年退職や疾病により健康保険組合や協会けんぽを脱退した医療依存度の高い人たちが加入するので、高齢者人口の増加に伴って給付費がふえるのは自然です。しかし、国が1984年当時50%だった国庫負担割合を今日では23%まで引き下げたため、保険料が大幅に上がって、自治体の一般財源からの支出が増大してきました。国民皆保険制度を実質的に保障している国民健康保険制度を維持するために国庫を投入することは当然であり、国庫負担を増額するよう求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。 また、国庫負担が減らされ、やむを得ず地方自治体が一般財源を投入し国民健康保険制度を維持していることは当然の措置だと思いますが、区長の見解をお示しください。 国は、2014年度からの低所得者向け保険料軽減措置拡充分約500億円に加え、2015年度から低所得者対策強化のための支援制度として1,700億円、被保険者1人当たり5,000円分の予算をつけました。保険料軽減措置により法定減額の対象拡大が行われ、自治体への財政支援分についても、国民健康保険運営協議会の資料によれば、20ある政令指定都市中10市で応益割が引き下げられ、6市は応益割、所得割とも据え置きで、多くの自治体が支援制度の趣旨にのっとって保険料負担軽減のために活用したと考えられます。しかし、23区は均等割を1,500円引き上げ、1人当たり平均3,442円引き上げました。その一方、区の一般財源からの繰入金は前年の56億円から51億円に減額です。これは、国の支援制度を保険料負担軽減に使わないで、もっぱら区の負担軽減に活用したということでしょうか。国の支援制度の新宿区への影響額と、1人当たり保険料への影響額と、あわせて御説明ください。 また、支援制度は2016年度も続行されますが、来年度はどのような扱いとするのか、支援制度の保険料への影響額もあわせてお答えください。 値上げのもう一つの要因は、これまで一般財源で負担してきた高額療養費を2014年度から順次保険料に転嫁しているためです。広域化が1年先送りされ、移行期間の残り2年を3年に延伸しても、1人当たり保険料がこの分だけで2,394円押し上げられます。2013年度まではゼロだった保険料による負担が、来年度予算では1人平均約7,000円もの負担増となり、来年も再来年もさらにふえることになります。広域化イコール一般財源投入ゼロという前提となっているからといって、広域化される前から一般財源の投入額を減らして先取り的に保険料を上げるやり方はやめるべきだと思いますが、いかがでしょうか。 また、区は、一般財源から国民健康保険会計に支出することは区民の理解が得られないかのようにたびたび答弁されますが、具体的にそのような意見が区民の何割ぐらいから出ているのか、御説明ください。 2014年度の全国の国民健康保険の状況が先ごろ明らかになり、実質的な赤字が3,585億円に達しています。高過ぎる国民健康保険料を払えない滞納世帯は336万世帯で、16.7%に達し、国民健康保険運営を支えるための一般財源からの繰入額は3,783億円に上ります。2018年からの広域化に伴い、一般財源からの繰り入れをやめさせるために国が3,400億円を投入することになっていますが、足りないことは明らかです。3,400億円にとどまらず、実態に合わせて引き上げるよう国に要望すべきではないでしょうか。 以上、答弁願います。 ◎区長(吉住健一) 国民健康保険についてのお尋ねです。 まず、国庫負担の増額要求と一般財源投入についてです。 国民皆保険制度を安定的・継続的に維持していくために、国の責任は大きいと考えます。区は、これまでも全国市長会を通じ国に対して財政支援を拡充するよう強く要望しています。また、いわゆる一般会計からの法定外繰り入れについては、国民健康保険に加入されていない方にまで国民健康保険の財政上の負担をお願いすることになり、できる限り圧縮していく必要があると考えます。 次に、低所得者対策強化のための支援制度についてです。 国は、国民健康保険の安定化に向けた改革の一つとして、低所得者対策の強化のため、保険料の軽減対象となる低所得者数に応じて、区市町村への財政支援策を拡充しています。 平成27年度の区への影響としては、国からの保険基盤安定費が約2億円ふえることとなり、平成28年度もほぼ同額となると見込んでいます。また、この財政支援策は低所得者数に応じた保険者への財政支援であり、直接保険料引き下げに使うものではないので、1人当たり保険料への影響額をお示しすることは難しいと考えます。 次に、この間、高額療養費等を賦課総額に算入して保険料算定をしている点についてです。 特別区では、高額療養費等を賦課総額に段階的に算入するロードマップを平成25年度に策定し、平成26年度から実施しています。これは、一般会計繰入金の圧縮及び国民健康保険の都道府県単位化に向けて保険料賦課総額の算定方法を基準政令に近づけることを目的としたものです。したがって、今後も被保険者の方々、特に低所得の方々への影響を十分考慮した上で、高額療養費等の賦課総額への算入を実施していきたいと考えます。 また、一般会計繰入金については、平成27年11月に国に対して、区内の多くの会社員等が加入する健康保険組合連合会及び全国健康保険協会から、国保の法定外繰り入れは原則認めないように、さらに保険料軽減を目的に法定外繰り入れを実施している地方自治体に対しては、原則として財政支援の対象からの除外を検討する必要があるとの強い要望が出されています。 次に、国の財政支援について、3,400億円にとどまらず実態に合わせて引き上げるよう、国に要望すべきとのお尋ねです。 区は、全国市長会を通じ、平成28年度国の施策及び予算に関する重点提言として、今後も医療費の増加が見込まれることから、国による財政支援を拡充し、さらなる国保財政基盤の強化を図るよう要望しています。区は、これからも国民皆保険制度を支える国民健康保険が安定的・継続的に運営できるよう、給付と負担のバランスをとり、的確な制度運営に取り組んでまいります。 ◆32番(沢田あゆみ) 次に、商店街及び個店への支援について質問いたします。 新宿区は、区内商店街の現況と空き店舗の状況の把握と、消費者動向を踏まえた今後の商店街にぎわい創出策を検討する基礎資料とするため、「商店街のにぎわい創出に向けた調査」を行い、昨年末に報告書をまとめました。調査は、商店街、空き店舗オーナー、消費者を対象に実施され、商店街の回収率は対象の9割近く、ほかは25%程度でした。 報告書では、区内商店街の主力構成要素である小売業と飲食業の事業所数が減少している実態がまとめの冒頭で述べられています。小売業は2004年に4,389軒あったのが、2012年には2,689軒と、8年間で約4割減少、飲食業は2006年の7,080店から、2012年には5,795店、こちらも6年間で2割近く減少しています。事業所が減少する中でも、新宿区商店会連合会加盟の商店会は会員が横ばいから微増で推移しており、厳しい経営環境下にありながら、区内の商店会はよく踏ん張っていることが伺えます。 商店会への調査で明らかになった課題として、経営者の高齢化と後継者不足が挙げられ、商店会活動も同様の問題があります。空き店舗オーナー調査は回答が20件ですが、そのうち空き店舗であると回答したオーナーは2件だけで、店舗として貸し出す意思のないオーナーが多いことが判明しました。また、消費者動向調査では、商店街の利用頻度では週二、三回程度利用し、1回当たり1,000円から3,000円を使う人が多く、利用しない理由では、通行経路にない、商品が充実していない、1カ所で用事が済まないことが挙げられています。調査を踏まえた今後の方向性としては、外国人観光客誘致策、PRと情報発信、空き店舗対策と消費者ニーズに合った店舗誘致、商店会活動への参加促進と担い手育成の4点を挙げています。 以下、質問です。 第1に、商店街と個店を支援する専門職の増員についてです。 商店会の後継者対策は、個店の後継者対策抜きには考えられません。区には、商店会の活性化や組織強化を支援するため、専門知識を持った商店会サポーター制度があり、4名のサポーターが1人で10~20の商店会を担当していると聞きました。サポーターの人員をふやして、商店会に加えて個店への援助も行うことが必要ではないでしょうか。 区には、中小企業対策で産業創造プランナーが非常勤で2名いますが、小売や飲食業の分野でも類似の役割を果たすアドバイザーを配置し、若手の起業・創業や後継者育成支援を行ってはいかがでしょうか。 また、今回の報告書では、商店街の要望に応えて、「他都市における商店街の取り組み事例」として20もの事例が掲載されています。しかし、これを参考に事を起こそうにも、人もお金も出せないのが実態で、実行するためのお手伝いを徹底して行う商店会サポーターの増員が必要と考えます。あわせてお答えください。 墨田区は、2015年度から経済産業省中小企業庁の創業・第二創業促進補助金の制度を個店が活用し魅力ある店づくりに取り組むことを支援しています。具体的には、店舗の看板・壁面等の改装、什器等を補充・改装して来客数をふやすために行う工事費の6分の1まで、最高額50万円を支援する制度です。私たちは、この間、商店リニューアル助成制度を要望してきましたが、国の各種補助金をよく調査し、活用して、個店を支援する姿勢を見習い、施策を具体化すべきと思いますが、区長の見解をお聞かせください。 第2は、空き店舗対策についてです。 私の知っている空き店舗のオーナーさんは、「以前貸した業者が夜逃げのようにしていなくなり、後が大変だったので、知らない人には貸したくない。自分も年だし、貸して大変な思いをするより貸さないほうがまし」とおっしゃっていました。また、家賃に見合うだけの売上がなかなか見込めず、チェーン店以外は困難というのが実態調査からも読み取れます。 それならば、新宿区が空き店舗の家賃を負担し、そこを商店会や地域が活用することが効果的ではないでしょうか。例えば、昼間は高齢者のサロン等に活用し、午後は子どもたちの居場所と食事を提供する子ども食堂として活用するなどはいかがでしょうか。そこで使う食材は、区を通じて伊那市などと連携し取り寄せるのもよいと思います。また、港区が7年前から行っている「商店街と地方都市との交流物産展」は、ふれあいフェスタでも人気の各地の物産展の商店街版のようなものですが、イベントとあわせて空き店舗でアンテナショップのようなものを区のコーディネートで行うことも考えられると思います。以上のような、他自治体と連携した新たな事業であれば、国の「地方創生推進交付金」の対象にならないでしょうか。この提案に対する区長の見解をお示しください。 3つ目に、このような調査結果を来年度予算や第三次実行計画、さらには新総合計画に活かさなければなりません。区長は、調査結果をどのように受けとめ、どのように活かそうとお考えなのか、お聞かせください。 以上、答弁願います。 ◎区長(吉住健一) 商店街及び個店への支援についてのお尋ねです。 初めに、商店街と個店を支援する専門職の増員についてです。 現在、商店会等への支援としては、4名の商店会サポーターが各商店会等に出向き、情報収集を行いながら組織強化や活性化に向けた相談や助言を行っています。また、個々の店舗を経営する事業者の方への支援として、商工相談事業で中小企業診断士の資格を持つ4名の商工相談員を配置し、創業や経営、資金調達などの相談に応じているところです。さらに、ビジネスアシスト新宿事業で区に登録をしていただいている中小企業診断士等の資格を持つ専門家を無料で派遣し、経営支援を行っているところです。そのほか、東京都中小企業振興公社においても商店街の活性化や個店の経営改善に専門家チームを派遣する制度もあり、現時点で商店会サポーターを増員する考えはありません。 また、商店街での開業等に必要な店舗の新装・改装工事につきましては、東京都中小企業振興公社の小売商業後継者育成・開業支援事業において、対象経費の2分の1、100万円まで補助する制度があります。こうした補助金や助成制度など、事業者の皆さんにとって役立つ情報を平成28年度新規事業の商店街の魅力づくりの推進事業において商店会や個店の方々に向け発行する情報誌を通じて提供してまいります。 なお、中小企業庁の「創業・第二創業促進補助金」につきましては、平成28年度から産業競争力強化法に基づく特定創業支援事業を受ける方のみを対象とすることが公表されております。区では、昨年10月に創業支援事業計画の国の認定を受け、11月より特定創業支援事業を実施しているところです。特定創業支援事業を受けることによる優遇制度については、ホームページ等で周知してまいります。 次に、空き店舗対策についてのお尋ねです。 区では、今年度、「商店街のにぎわい創出に向けた調査」の中で空き店舗に関する調査を行いました。商店会向けの調査の中で、商店街の中にある空き店舗と思われる物件が117店舗存在するという調査結果に基づき、当該物件の所有者向けにアンケートを行った結果、20件の回答をいただきましたが、9割の方が空き店舗でないとの回答でした。 区では、昨年7月に新宿区商店街空き店舗情報検索サイトを立ち上げ、不動産業者から情報提供を受け、賃貸物件の空き店舗情報を提供しているところです。御提案の活用方法について、区が直接お借りすることはできませんが、にぎわいと魅力ある商店街支援事業において、商店会等が地域のコミュニティ機能の強化を図ることを目的として空き店舗を活用する事業に対し、改装費や機器、設備、物品等の購入費に対する補助のほか、空き店舗借り上げのための賃借料も事業開始から起算して2年を経過後の年度末まで、最大月額20万円を補助することができます。また、NPO等が商店会等と連携して事業を行う場合、東京都中小企業振興公社の「商店街パワーアップ基金事業」による支援を受けることも可能です。こうした情報も提供しながら、引き続き新宿区商店会連合会と連携し、それぞれの商店会の取り組みを支援してまいります。 一方、地方創生推進交付金については、平成28年度からの地方創生の深化に向けて、官民協働や地域間連携などの先駆性のある取り組みや、既存事業のあい路を発見し打開する取り組み等を対象としています。御提案の事業については、一つの事例として受けとめさせていただきます。 また、今回の調査では消費者動向調査も行っており、商店街に望むこととして半数以上の方が身近な買い物の場であってほしいと回答されています。区内商店街が区民の身近な買い物の場であることを基本にしつつ、来街者の皆さんにも来ていただけるにぎわいと魅力あふれる商店街を目指し、国の交付金等の活用も視野に入れながら、商店会の皆さんとともに工夫をしていきたいと考えています。 ◆32番(沢田あゆみ) 次に、多文化共生について質問いたします。 2016年2月1日現在、新宿区には区民全体の11.6%に当たる、113カ国、3万8,942人の外国人が住民登録をしています。区では、これまで区内に生活する外国人も新宿区を訪れる外国人も安心して生活できるまちづくりをすすめてきました。私たちは、それをさらに発展させるために、外国人会議を設置し、市政への参加を討議し、住民投票条例に外国人の投票権を認め、多文化共生推進指針を策定するなど、多文化共生が積極的に進められている川崎市など先進自治体を参考にすることを求めてきました。そして、前中山区長は、外国人区民会議設置を表明し、2012年に設置されたのが多文化共生まちづくり会議です。昨年実施された多文化共生実態調査の結果を受けて、同会議が提言を出しました。 以下、質問です。 第1に、多文化共生まちづくり会議についてです。 多文化共生まちづくり会議の委員は、日本出身16名に対し外国出身15名と外国出身委員が少なく、もっと外国出身委員の比率をふやすべきと思いますが、いかがでしょうか。そして、先進自治体のように外国人の区政参加をさらに広げていくためには、区長からまちづくり会議へどのような諮問を行うかにかかっていると言っても過言ではありません。設置されて最初の諮問事項は、外国にルーツを持つ子どもの教育環境の向上についてと、災害時における外国人支援の仕組みづくりについてで、2年後に答申が出され事業化されました。区長は、今後、どのようなテーマを諮問されるのでしょうか。外国人の政治参加を保障する住民投票条例や、現在国政レベルでも大きな問題となっているヘイトスピーチなどをテーマに諮問してはいかがでしょうか。 第2に、外国人の住民投票権についてです。 現在、外国籍であっても納税を初めとする一定の義務を負い、地方自治体のサービスも日常的に受け、自治体と密接な関係を持っています。こうした外国人は、地方自治体に対して多くの意見や要求を持っており、外国人に住民投票権を付与することは、全住民参加で地方自治体は運営するとした憲法の地方自治の原則とも合致するものです。住民投票条例を制定し、投票権者として外国人を加えるべきと考えますが、いかがでしょうか。 第3は、ヘイトスピーチについてです。 新宿区議会は昨年、ヘイトスピーチ対策について法整備を含む強化策を求める意見書を採択しました。また、昨年、私たち日本共産党区議団が行った区政アンケートでは、「ヘイトスピーチに対して法的規制が必要か」との問いに「必要」が50.5%、「必要ない」が14.6%でした。 現在国会では、ヘイトスピーチを規制する法案は継続審議となっており、事実上審議がストップし、成立のめどは立っていません。ヘイトスピーチの規制は本来国が行うべきですが、多文化共生のまちづくりを推進している新宿区長としても、国会に働きかけを行い、法律の成立を求めてはいかがでしょうか。国の法律ができるのをただじっと待っているのではなく、ことし1月に全国初のヘイトスピーチ規制条例を制定した大阪市のように、本区も条例を制定すべきです。お答えください。 第4は、多文化共生実態調査の結果を踏まえた事業の推進についてです。 調査の結果、トラブルの発生や、偏見・差別意識の存在、情報の多言語化の要望など、多くの課題が浮き彫りになりました。 質問の1つ目は、多文化共生教育の推進についてです。 生活の中で起きるさまざまなトラブルの原因として、文化や習慣の違い、日本語が理解できないことからくる誤解、偏見や差別意識の存在などが考えられます。子どものころからお互いの文化や習慣を理解し合い、互いを認め合う教育が重要です。 外国人集住都市会議のメンバーである三重県鈴鹿市が5年前から行っている「多文化共生教育実践EXPO」の取り組みは参考になります。毎年講師を招いて設定したテーマごとに各学校の取り組みを発表し、各校から集まった教員など70名の参加者が経験交流を行い、多文化共生教育の実践に活かすというものです。区立小・中学校でも、あらゆる機会を通じて多文化共生教育が行われていることは承知していますが、鈴鹿市の実践も参考に、一層の促進を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。 2つ目は、情報案内の多言語化です。 区の窓口では、英語、中国語、韓国語に対応した通訳が常駐していますが、1言語1人の3人体制のため、混雑時や、同言語で2人以上の方が来ると十分対応できない問題が起きています。文京区や大田区が導入している通訳機能を備えたiPadの活用を検討してはいかがでしょうか。 また、外国人が住民登録に来た際に渡す「新宿生活スタートブック」やホームページ、SNS、歩道上の案内板や避難所等の看板、案内板など、ほとんどが4言語の対応です。人口がふえているネパール、ベトナム、ミャンマーの人たちにも対応し、基本的に7言語以上の対応とすべきです。多言語化の必要性は、行政監査結果報告書が外国人への情報提供について取り上げたことを契機に、2010年3月、「外国人への情報提供ガイドライン」が策定され、生活に必要な情報は多言語化が望ましいとしていながら、いまだにほとんどの情報が4言語にとどまっています。この際、総点検をするとともに多言語化を図るべきではないでしょうか。 3つ目は、情報発信のあり方についてです。 現在、外国語版ホームページは更新が毎月10日と25日の2回だけです。これでは日々更新される情報に取り残されてしまいます。来年度から開始予定のSNSは、月10回以上の更新と聞いています。ホームページも同様に更新頻度を上げるべきと考えますが、いかがでしょうか。以上、答弁願います。
    ◎区長(吉住健一) 多文化共生についてのお尋ねです。 初めに、新宿区多文化共生まちづくり会議の委員比率についてです。 同会議は、多様な文化や習慣を身につけた人々が交流し、相互理解を深め、ともに生きるための地域社会の形成に資する活動である多文化共生のまちづくりを総合的かつ効果的に推進することを目的としています。地域の日本人と外国人がともに参画して多文化共生のまちづくりを進めていくために、委員の約半数が外国出身者という現在の委員比率は、この目的にかなったものであると考えます。 今後、在住外国人の国籍数の多様性を踏まえ、より多様な国籍の委員構成となるよう検討してまいります。 次に、新宿区多文化共生まちづくり会議への諮問内容についてです。 同会議への諮問事項については、現在決定しているものはありません。今年度実施した多文化共生実態調査の結果を綿密に分析し、特に優先度の高い課題を会議に諮問すべく検討してまいります。 次に、住民投票条例を制定し、投票権者として外国人を加えるべきとのお尋ねです。 住民投票については、投票の対象となるべき事項、選挙で選ばれた長や議会の権限との関係、投票結果の拘束力のあり方など、地方自治制度との関係において検討すべき多くの論点があると認識しています。また、外国人の住民投票への参加については、さまざまな議論があると認識しています。このため、引き続きこれらの課題の整理を行うとともに、区民や議会の意見を十分聞きながら慎重に検討していくことが必要であると考えています。 次に、ヘイトスピーチ規制法案に対するお尋ねです。 新宿区では、多様な国籍や文化を持つ人々が集住したり訪れたりしていることを区の特性と捉え、お互いの文化の違いを理解し、協力し合うことが新宿のまちの発展につながるものと考えています。 御指摘のとおり、ヘイトスピーチの規制については、国において法律を制定すべきものと考えます。国会では、規制の対象とするべきものの定義の幅や人権擁護と表現の自由の兼ね合いなど、さまざまな論点にわたって議論がされているところであり、国会での審議を注視してまいります。 次に、区として条例を制定すべきという御質問です。 御指摘のとおり、大阪市ではヘイトスピーチ規制条例を制定し、市としてヘイトスピーチを定義づけ、被害者の申し出により審査会が調査し、ヘイトスピーチと認定した場合、団体名の公表や罰則の規定を盛り込んでいることは承知しています。区として条例を制定していくことは考えていませんが、他自治体の取り組み等も引き続き収集するとともに、差別という行為は許されることではないということを啓発してまいります。 新宿に暮らす人も、新宿を訪れる人も、国籍や文化の違いを理解し合い、お互いを思いやる中で社会は成熟していくものと思います。今後も安心して快適に過ごすことができるまちづくりを目指してまいります。 次に、情報・案内の多言語化についてです。 区では、戸籍住民課の窓口で英語、中国語、韓国語の通訳が対応しています。本庁舎内に設けた外国人相談窓口では、同じく3カ国語の相談員が常駐し、行政手続きを初め外国人のさまざまな相談を受け付けています。また、総合案内を含め、各窓口では英語、中国語、韓国語のほか、必要に応じた言語で案内を作成して配布しております。 今回の実態調査で、外国人住民の日本語に困っていることや不満なことの内容で「役所や病院の説明を理解すること」の割合が高かったことや、外国人住民の増加も踏まえ、文京区や大田区が導入しているタブレットの活用などについても今後検討してまいります。 次に、言語対応の拡大についてです。 「外国人への情報提供ガイドライン」では、外国人への情報提供は、日本語ルビつき、英語、中国語、韓国語の4言語を基本とし、対象とする外国人や伝えたい情報と行政課題を考慮した上で使用言語を拡大するよう定めています。近年増加している、来日して間もないベトナム、ネパール、ミャンマーの方に対しては、日本のルールやマナーについての情報を確実に届ける必要があります。そのため、初めて住民登録する際に窓口で渡している「新宿生活スタートブック」のベトナム、ネパール、ミャンマー語版を作成する予定です。 案内板や避難所等の看板などについては、限られたスペースでわかりやすい表示となるよう、ユニバーサルデザインや視認性の確保等に配慮するほか、ピクトグラムの活用なども検討してまいります。 次に、外国人向け生活情報ホームページの更新回数についてです。 同ホームページは、多くの区政情報のうち、特に外国人にとって重要な情報を選定して掲載しています。税金や医療制度などの専門用語を多く含む情報を正確に翻訳するためには一定の日数が必要となるため、月2回の更新頻度としています。また、平成28年度から運用する外国語版SNSでは、翻訳が簡易なイベント情報などを中心に、即時性を重視して、月10回程度の情報発信を行います。さらに、災害時に必要となると想定される情報を事前に翻訳しておくことで、発災時における迅速な情報発信に対応してまいります。 今後、外国語版SNSとホームページの特性を活かした情報発信を行う中で、より効果的な運用方法について検討してまいります。 ◎教育長(酒井敏男) 教育委員会への御質問にお答えします。 鈴鹿市の実践を参考にした多文化共生教育の推進についてのお尋ねです。 文部科学省が主催する多文化共生教育に係る連絡協議会において、日本語指導のあり方や支援体制づくりなどに関する協議や情報交換を行っているところです。昨年度は、鈴鹿市の担当者と情報交換を行い、鈴鹿市の取り組みを聞く機会がありました。鈴鹿市は、小・中学校の学校数と外国人児童・生徒数が新宿区に近く、参考となる部分があります。ただ、違いもあり、中国や韓国を初め多国籍の児童・生徒が多く在籍する新宿区に対して、鈴鹿市はブラジルやペルーなどを国籍とする児童・生徒が多数を占めています。 鈴鹿市では、担当の教員によるネットワーク会議が開催され、指導に関する研修や実践事例の交流などが行われていると聞いています。このような情報交換や専門性向上を目的とした研修の機会は大変重要であることから、新宿区においても日本語指導推進委員会を開催し、指導方法や教材などに関する情報交換、講師を招いた言語能力の把握に関する研修を行っています。 今後は、得られた情報の内容を広く小・中学校に発信するとともに、鈴鹿市の例も参考に、各校の実践事例を全校で共有するなど、多文化共生教育を推進していきます。 以上で答弁を終わります。 ◆32番(沢田あゆみ) ただいま区長と教育委員会から御答弁いただきました。 それで、1点だけちょっと答弁がなかったように思いましたところを再質問させていただきます。 子どもの貧困のところの基金のところでお尋ねしたのは、子ども未来基金を活きた事業にするためには、人員を含めて体制の充実が必要ではないかと伺ったんですけれども、その前段の質問のところで庁内の連携組織云々というお話はされたんですが、実際にその体制の充実、人員も含めてというところのお答えはなかったように思うので、そこだけ聞いておきたいと思います。 ◎子ども家庭部長(吉村晴美) 体制につきましては、区長がお答えしましたとおり、貧困対策の連絡会議の中で調整をとりながら、関係各課でしっかりやっていくというところでお答えをしたつもりでございます。 以上です。 ◆32番(沢田あゆみ) そうすると、今以上の体制充実はお考えがないという意味だと思うんですけれども、いずれにしましても、今回、この議会では子どもの貧困対策にしろ、それから多文化共生にしろ、各会派、党派を超えて何か共通のテーマがあるのかなというふうにも感じておりますので、これからの突っ込んだ議論につきましては、今後の予算特別委員会の議論、同僚議員に託していきたいと思います。 ありがとうございました。(拍手) ○議長(下村治生) 次に、35番伊藤陽平議員。     〔35番 伊藤陽平議員登壇、拍手〕 ◆35番(伊藤陽平) スタートアップ新宿の伊藤陽平です。 既に御存じだと思いますが、所属していた日本を元気にする会の政党要件が喪失し、私は無所属として活動していくことになりました。日本を元気にする会新宿として活動させていただいておりましたが、このたび会派名をスタートアップ新宿に変更いたしました。 「スタートアップ」はカタカナ表記ですが、英語では「スタート」と「アップ」で「始める」という意味と、1単語の「スタートアップ」で、イノベーションにより急成長を成し遂げ、社会へ豊かさをもたらすベンチャー企業の特殊な形態のことをあらわします。後ほども質問させていただきますが、税や保険料などの政府への支出や規制などがスタートアップ企業を立ち上げる上で非常に大きな壁となっています。ぜひここにいらっしゃる皆様にもスタートアップ企業の研究や御支援をいただければ幸いです。 それでは、本日もインターネットで募集した御意見を中心に質問をさせていただきます。 1、多文化共生について。 (1)、多文化共生実態調査の結果と課題解決策について。 平成27年度に新宿区多文化共生実態調査が実施されました。その中に、偏見、差別に関しての調査がありました。「日本人からの差別が全くない」と回答された外国人の方は15.9%、「わからない」、無回答を合わせて10.5%と、約75%の方は何かしらの偏見や差別を感じられています。どのような場面で偏見、差別があるのかということも次の設問で記載されていましたが、1位は「家を探すとき(51.9%)」に偏見・差別を受けたという結果が出ています。 最近では、民間で社会的課題を解決する社会起業家と呼ばれる起業家が注目されており、外国人の支援に特化した企業も登場しています。例えば株式会社グローバルトラストネットワークスでは、外国人の家賃保証や賃貸住宅保証などを通じて、外国人が日本に住めるよう支援をしています。新宿区では、まだ事業者と連携をしていないようですが、相談に来られた外国人の方にさまざまな民間事業者のサービスを紹介することで一定の問題解決につなげることはできるのではないでしょうか。また、利益を出すことが難しいとされる社会起業家支援の観点からも、非常に低コストかつ有効であると考えています。 そこで、2点質問がございます。 1、多文化共生実態調査が実施されたことで、差別や偏見を受けたことがある方がいらっしゃり、「家を探すとき(51.9%)」に差別や偏見を感じるという課題が明らかになりました。区としてこれらの解決をしていく御予定はありますか。また、どのように改善していくのでしょうか。 2、多文化共生実態調査によって把握できた課題について、例えば、区への問い合わせに対して民間企業の情報を提供するなど、提携をしていくことはお考えですか。 (2)、外国にルーツのある子どもたちの教育について。 2016年2月1日の住民基本台帳によると、人口33万4,613人のうち外国人は3万8,942人です。新宿区は外国人の割合が非常に多いまちだからこそ、全国に先駆け、外国にルーツを持つ子どもたちへの支援が必要です。 「外国人の子どもの公立義務教育諸学校への受入について」という文書によれば、義務教育は「日本国籍を有するもの」が対象になります。しかし、日本が批准する子どもの権利条約に基き、教科書の無償配付及び就学援助を含め、日本人と同一の教育を受ける機会を保障するとされています。 外国にルーツを持つ子どもに区立学校への就学を案内するに当たり、教育委員会では住民登録を原則としています。しかし、DVなどの家庭の問題から住所を明かすことができず、居住地への住民登録が不可能である場合もあります。住民登録がない場合は、文部科学省の通知によると、就学手続時に一定の信頼が得られると判断できる書類により居住地等の確認を行うなど柔軟に対応することとされています。多文化共生まちづくり会議でこの問題が議論されていたこともあり、教育委員会として見解を公開すべきだと考えています。 そこで、2点質問がございます。 1、住民登録以外で現在居住地等の確認をする場合、どのような方法がありますか。 2、教育委員会として、住民登録以外でも受け入れる場合、柔軟に対応できることを教育委員会が文書として公開すべきだと考えていますが、いかがでしょうか。区長、教育委員会のお考えをお聞かせください。 ◎区長(吉住健一) 伊藤議員の御質問にお答えします。 多文化共生についてのお尋ねです。 初めに、多文化共生実態調査で明らかになった課題解決と改善策についてです。 今回の調査で、日本人からの偏見や差別を感じたことのある外国人のうち51.9%が、「家を探すとき」に偏見や差別を感じるということが明らかになりました。平成19年度の前回調査時の63.5%と比較して11.6ポイント減少していますが、依然として高い数値であると認識しています。 区では、「住宅及び住環境に関する基本条例」に国籍による居住差別を解消するよう努めると定めた上で、住宅マスタープランにおいて住宅施策の基本目標に外国人等の住まいの安定確保を図ると示しています。 外国人の民間賃貸住宅への入居に際しては、言語や習慣等の違いから生じる住まい方等に関するトラブルなどが指摘されています。このため、「新宿生活スタートブック」などを通じ、日本の住まいのルール、マナーについて周知することで貸し主側の不安解消に向けた取り組みを進めています。また、外国人など御自身で住宅を探すことが困難な方を対象に、東京都宅地建物取引業協会新宿区支部と協定を結び、区内の民間賃貸住宅をあっせんする住みかえ相談を実施しています。 今後は、外国人が偏見や差別を感じないよう、住宅の貸し主や不動産仲介業者に対し、情報提供や啓発を図ってまいります。民間企業の情報提供等については、多くの事業者があるため、特定の事業者を推奨することはできませんが、外国人賃貸住宅検索サイトの御案内など、外国人に対して情報提供に努めてまいります。 ◎教育長(酒井敏男) 教育委員会への御質問にお答えいたします。 初めに、外国にルーツを持つ方の居住確認についてのお尋ねです。 日本国籍の方も、外国にルーツを持つ方についても、原則として住民登録によって就学要件の確認をしています。しかしながら、御家庭の事情等で住民登録がない場合は、住居の契約書や公共料金の領収書などにより居住の実態を確認しているところです。しかし、中にはそうした書類も用意できないケースもあることから、お話をよく伺い、御事情に応じ個別に対応を行っており、その点についても日本国籍の方と全く同様の対応をしています。 次に、こうした対応について文書で公開すべきではないかとのお尋ねです。 外国にルーツを持つお子さんの就学については、「新宿生活スタートブック」という4カ国語版の案内冊子に、「外国人も申請すると就学できる」旨の記載をしており、申請にお見えになった方には事情をよくお伺いし、住民登録がない方であれば、先ほど申し上げたような個別の対応をしています。 また、特別出張所などでは、新入学の学齢の就学申請に関する取り扱いを説明しており、外国籍のお子さんが住所異動などをされた際には、区立学校への就学希望の有無を伺って、必要な手続を御案内できるようにしています。 こうしたきめ細かな対応は、今後も継続するよう努めてまいります。 ◆35番(伊藤陽平) 次は、福祉についてです。 (1)、振込用紙などの表記改善によるサービスの向上について。 保育料は、生活保護世帯等の場合は必要ないなど、家庭の状況によって金額が変動します。その状況をあらわすために、振込用紙には「階層」という項目があり、どの階層に属しているのかをあらわすアルファベットが記載されています。 階層には、ピラミッド形の階層組織であるヒエラルキーの意味があり、階層の表記についてネガティブな印象を抱いたという保護者の方からも御連絡をいただいたことがあります。用紙を持って銀行で手続をする姿を想像してみると、やはり階層と書かれた用紙を提出することは抵抗がある方もいらっしゃると思います。例えば、「区分」という単語に置きかえれば横並びのイメージになります。 そこで、2点質問がございます。 1、保育料の振込用紙の「階層」という表記を見て不快に思う区民の方がいらっしゃると思いますが、いかがでしょうか。また、改善をする御予定はありますか。 2、今回は保育料振込用紙の表記に関してでしたが、このような区民の方からの御意見を管理するデータベースや、その内容を次に活かしていくためのガイドラインや改善ができる態勢は用意されていますか。 (2)、社会保障について。 社会保障と産業のかかわりについてお話をさせていただきます。 企業にとって、政府への支出、つまり税金は最も重い規制であり、それらを軽減し、企業が自由に活動した結果から税収を高めていくことが大切です。しかし、今の社会では、企業への税負担と、さらに社会保険料の負担が上乗せされています。 これまで、労使折半の厚生年金と健康保険に関しては、中小零細企業では強制されることはありませんでしたが、昨今では強制加入の手続がとられることになりました。将来有望であっても、創業当初に売上が立ちづらいベンチャー企業が負担することは厳しいと思います。一度滞納が始まると、雪だるま式に膨れ上がり、破産に追い込まれることもあります。支払いができない状態であっても融通がきかないことに問題があると考えています。社会保険料の支払いが足かせとなっている企業が倒産をすることは、再生案件としては既に存在し、今後もふえていく可能性があります。 実際に企業にとってどれほどの影響があるのか、「20代、配偶者なし、月収20万円」をモデルとして御説明させていただきます。 まず、社会保険適用事業所の場合、健康保険料9,970円、厚生年金保険(1万7,828円)、雇用保険料(1,700円)、労災保険料(600円)、一般拠出金(4円)、子ども・子育て拠出金(300円)となり、給料の20万円を合わせて会社が負担する合計額は23万402円となります。労働者は、20万円のうち保険料を差し引いた17万1,202円から、さらに所得税等が引かれます。会社が負担する合計額から所得税税引き前の労働者の金額を差し引いた社会保障の部分が計算できますが、5万9,200円となります。 一方で、国民年金、国民健康保険の場合は、月収が20万円だと国民年金が1万5,590円、国民健康保険が1万1,944円です。合計すると2万7,534円になり、その差額は3万1,666円となります。 ベンチャー企業に多いパターンですが、出資を受けるなどの理由で株式会社の形態をとっている一人社長や小規模な企業の場合、労使折半といえども事実上は個人で負担している状態となります。売上のめどが立たない状況で、毎月数万円の出費を支払うような状況も生まれていますが、本当に経営者のためになっているのかは疑問です。ベンチャー企業や中小企業を支援するためにも、グローバル創業・雇用創出特区の福岡市が税制等の優遇をしているように、新宿区でも社会保障特区として任意で国民健康保険、国民年金を選択可能にすることや、社会保険料の減額などの支援をするということも有効です。 そこで、1点質問です。 1、社会保障の負担については、国民健康保険や国民年金を選択できるようにする、または納付特例を設け負担を軽減していくことが創業支援につながると考えていますが、いかがでしょうか。区長のお考えをお聞かせください。 ◎区長(吉住健一) 福祉についてのお尋ねです。 初めに、振込用紙などの表記改善によるサービスの向上についてです。 保育料をお知らせする決定通知書や振り込みのための納入通知書に「階層」という表記を使っていますが、これは、国が示す保育料基準額表で使用しているもので、新宿区だけでなく全国的に保育料の基準を示すために使用している表記です。これまで、この表記について区民の方から直接御意見をいただいたことがないため、現在のところ変更する予定はありませんが、区民の方が気持ちよく利用できるよう、いただいた意見に真摯に耳を傾け、サービスの向上に努めてまいります。 次に、区民の皆様からいただく御意見の活用についてです。 区では、窓口やお電話、区長へのはがき、さまざまな形態でいただいた御意見を全庁イントラネットを利用した区民意見システムで総合的に管理し、データベース化しています。御意見への回答や対応、施策への反映度などもデータベース管理をしていますが、システムの運用においては、マニュアルを作成し、定期的に職員向けの説明会も行っています。 今後も区民の皆様からの御意見を広くお聞きし、システムの有効活用になるデータの統計処理、分析を通じた課題の洗い出し、対応策の検討、施策への反映など、事務事業の改善をさらに推進していきます。 次に、社会保障の負担についてのお尋ねです。 社会保障制度については、国や地方自治体が責任を持って実施するとともに、住民等もまたこれに応じ、社会連帯の精神に立って、それぞれの能力に応じてこの制度の維持と運用に必要な社会的義務を果たしていただくことで、安定的・継続的に制度運用ができるものだと考えています。したがって、創業間もない企業であっても、法制度上、強制適用事業所については所定の社会保障の負担を担っていただくことが必要であると考えます。 区では、昨年10月に産業競争力強化法に基づく創業支援事業計画の認定を受けており、東京商工会議所新宿支部や金融機関と連携し、特定創業支援事業を実施しているところです。区内創業を志す方で、この特定創業支援事業による支援を受けた方には、会社設立時の登録免許税の軽減や信用保証枠の拡大などの優遇制度が設けられています。さらに、平成28年度からは本事業の支援を受けた方のみが国の「創業・第二創業促進補助金」の対象となることが予定されているところです。また、高田馬場創業支援センターにおいても、オフィススペースの提供のほか、インキュベーションマネジャーによる創業の相談や創業セミナーの開催などを行っています。 今後も引き続き、区内で創業を目指す方、創業された方への支援を行ってまいります。 ○議長(下村治生) ここで、議事進行の都合により休憩します。 △休憩 午前11時52分--------------------------------------- △再開 午後1時15分 ○議長(下村治生) ただいまから会議を再開します。 質問を続行します。 伊藤陽平議員。 ◆35番(伊藤陽平) 続いての質問は、PTAについてです。 子育て世帯をふやすためにPTAを支援することは大切なことです。私の義母は、新宿区内の学校で何年もPTA活動に携わっておりました。PTAには、会議やイベントなどさまざまな仕事があります。共働き世帯が増加していますが、PTAの仕事が平日の昼間に開催されていると、働きながら活動に参加することが難しくなります。そこで、PTAによっては、日中仕事がある方々も参加しやすいよう、夕方以降に会議を実施するなどの努力をしています。 また、根本的に活動自体の負担軽減も必要です。これから新宿区の地域協働学校、コミュニティスクールでは、地域と学校が連携して子どもを育てていくという取り組みが始まります。地域に根差した活動ということで、町会活動とPTAが近くなり、この取り組みのためにPTAの負担がふえることが予想されます。働いている保護者が参加しづらい時間に会議が実施されることや、仕事や子育て、家事など忙しい毎日の中で活動がふえると、町会と同じように担い手の不足の問題にもつながります。そこで、これからは、現場の声を聞き、子どものために貴重なリソースを割いていただいているPTAの支援をしていくことが必要だと考えています。 また、PTA自体がマイナンバーの適用を受けるのかに関しても現場で話題に上がっています。PTAは人格なき社団に属しますが、例えばイベントを開催した際、ゲストやスタッフに人件費や謝礼を払う場合がありますが、PTAが謝礼を払った先のマイナンバーを扱う必要が出てくる可能性があります。国税庁により、本人交付の源泉徴収票や支払通知書は不要との発表がありましたが、税務署に提出する源泉徴収票には個人番号が必要とされています。もしマイナンバーを扱う必要がある場合、事務処理が従来のやり方と異なってくるため、行政から各PTAに事務手続の情報を共有する必要があります。 そこで、2点質問がございます。 1、今後、PTAの地域に根差した活動がふえていく傾向が強まってくると考えていますが、その点についてどのようにお考えでしょうか。参加が難しい共働き世帯なども参加できるよう、また、今後のPTAの担い手を確保するためにも、日時や1人当たりの負担の分散など、改善をしていくことを支援することはお考えでしょうか。 2、PTA活動にはさまざまな事業があり、それに伴う謝礼の支払いなど事務処理も煩雑になっています。そこで、特にPTAの会計処理について一定の支援が必要ではないでしょうか。また、マイナンバーを扱う場合の手続などは教育委員会でも支援が必要だと考えていますが、いかがでしょうか。教育委員会のお考えをお聞かせください。 ◎教育長(酒井敏男) PTAについてのお尋ねです。 最初に、地域に根差したPTA活動の増加傾向が強まることについてです。 現在、PTAの方々には、区が導入を進めている地域協働学校の学校運営協議会に参加いただき、町会、商店会など子どもたちを取り巻く方々と一緒に、「地域で子どもを育てる」ことを目的とした話し合いや活動を行っていただいています。こうした活動の中で、これまでPTAが行ってきた朝あそびに町会の方々が見守り役で参加していただいたり、また、PTAが行っている餅つき大会に多くの地域の方々から応援をいただいている事例もあります。 学校運営協議会では、今の活動により多くの方が無理なくかかわることで活動の広がりや充実を図り、負担を減らして活動を効率化する話し合いも行われています。今後も、学校運営協議会が学校の事情に応じてPTAや他の団体の話し合いの場となるよう展開してまいります。 参加が難しい共働き世帯の参加については、毎年6月の男女共同参画週間に区報でワーク・ライフ・バランスの実践として保護者に家庭教育の充実を広報するとともに、雇用主に対しても、東京商工会議所新宿支部などを通して保護者の家庭教育参加のための協力依頼状を配布しています。また、負担の分散などへの改善についても、PTA研修会などを通して効率的なPTA運営の方法などの情報提供を行っていきます。 次に、会計処理についての支援ですが、PTAの活動は会費によるものが主であり、会計については各PTA内の役割分担で行われております。ただし、マイナンバー制度の導入により、講師謝礼の支出などの際にこれまでとは異なる手続も予想されるため、担当部署においてきめ細かな相談に努めてまいります。また、PTA研修会においても会計処理などのマネジメントをテーマとした実施を検討してまいります。 ◆35番(伊藤陽平) 次は、インターネットによる区政参加についてです。 (1)、ホームページ及びSNSの運用について。 若い方を中心に、子育てや暮らし、手続についてなど、インターネットで行政の情報を確認する方がふえています。そのため新宿区においても、ただホームページやSNSアカウントを開設しているだけではなく、区民の方に確実に情報をお届けし、安心してごらんいただけることを意識した運用が必要です。 ホームページの運用では、訪問者のニーズを分析して定期的にコンテンツをブラッシュアップすることが必要です。新宿区のホームページには、アクセス解析ツールのグーグルアナリティクスが利用されていますが、現状では「コンバージョンタグ」などの機能が利用されていません。各コンテンツの対象者に情報を見ていただくには一歩進んだマーケティングが必要です。また、SNSを利用することで新宿区民をスクリーニングしたピンポイントの広告出稿が可能です。 平成26年1月から平成27年12月までのSNSでの反響の推移を見ると、ツイッター(フォロワー)が4,633から5,590、フェイスブック(いいね!)は290から761という結果です。特にフェイスブックに関しては獲得ファン数が少ない状況です。SNS広告の特徴としては、一度ファンを獲得すれば定期的に情報を配信できるようになり、費用対効果も高いです。 そして、公式ホームページについてです。 新宿区の担当課へ確認したところ、1月28日から29日にファイルサーバーのメンテナンスを実施したとのことですが、その際にサーバー証明書に障害が発生しています。メンテナンス時にホームページには「ページが閲覧しづらい場合は、URLをhttpsからhttpに訂正してください」という注意文が表示されていました。そもそもhttpsでホームページにアクセスをした方は、ブラウザに何も表示されていない状態ですので、この訂正に関する文章を見ることすらできません。当時、検索エンジンからホームページを見る場合、多くの方がhttpsでアクセスをする状況でした。もちろんhttpに訂正すれば閲覧することは可能ですが、このような緊急事態には、新宿区のSNSでもすぐに情報発信をすることで対応をするべきです。障害の発生や災害などの緊急事態であっても、公式ホームページとは別のサーバーを利用しているフェイスブックやツイッターであれば、リアルタイムでの情報発信が可能なので、やはり強化が必要です。 そして、先ほどのサーバー証明書の障害についてですが、現在、ホームページはhttpとhttpsのページが混在した状態になっています。新宿区公式のホームページとしては、どちらかに統一すべきではないでしょうか。 また、通常、検索エンジンから流入した場合は、トップページはhttpsでアクセスしていますが、今回の障害のような場合はhttpとなり、フッター部分に通信の安全性をあらわすノートンセキュアドのロゴが掲載されており、こちらは実態とは異なります。 そこで、3点質問がございます。 1、障害が発生した際には、SNS等、他の媒体を活用しリスクヘッジをすべきだと考えていますが、いかがでしょうか。 2、情報の周知をするために、検索エンジンを活用したウェブ広告の導入、またSNSでユーザーを獲得するために広告を導入することは可能でしょうか。 3、httpとhttpsのページが混在していることや、実態と異なるSSL認証を示すロゴなど、ホームページ運用の改善をお考えでしょうか。 (2)、シビックテックとオープンデータについて。 ITなどの技術を活用し、オープンデータの活用やハッカソンの実施、アイデアを具体化するためにクラウドファンディングの実施など、社会的課題を解決するシビックテックという活動が、コード・フォー・ジャパンなどを中心に行われています。例えば、飲食店を探す際に食べログなどをチェックする方が多いですが、お店の公式ホームページ以上に利便性や利用率が高い場合があります。食べログのような、ユーザーにとって便利なサービスが生まれるのは、お店の情報が一般に公開されている、つまりオープンデータの状態であるからです。オープンデータが注目を集めていますが、このような新たなサービスを生み出すためには、XML、RDF、CSV形式などデータが扱いやすく公開されている必要があります。 例えば、コード・フォー・サッポロという団体では、一般に公開されている情報をもとに保育園マップを作成しています。行政の公開している情報は単なる羅列で、一般の人が見やすいものではありません。しかし、情報がオープンになっていることで、市民の目線から自分たちのニーズを満たすようなサービスが生まれてくるようになります。 現在、23区でも保育所マップを作成しようという動きが始まっています。情報公開の努力をされているとは思いますが、これからは民間の手によってサービスが生み出されていくことが必要だと考えています。 そこで、3点質問です。 1、新宿区でもシビックテックに取り組んでいきたいという意向はございますか。 2、新宿区のホームページに情報が公開されていない場合であっても、電子的な元データが存在する場合、紙や口頭での情報提供ではなく、ファイル形式で情報を提供することは可能でしょうか。 3、シビックテックを推進するためには、オープンデータの考え方が重要です。例えば保育所のデータなど、23区での統一的なデータが望ましいと考えています。他区との連携や東京都への働きかけが必要だと思いますが、どのようにお考えでしょうか。区長のお考えをお聞かせください。 ◎区長(吉住健一) インターネットによる区政参加についてのお尋ねです。 まず、システム障害が発生した際のSNSを活用した周知についてです。 今回の障害は、数時間で復旧できる見込みであったため、トップページに状況を掲載してお知らせをいたしました。御指摘のとおり、ホームページを閲覧する方に対してはSNSによる情報発信が効果的であり、今後はシステム障害などについてもSNSを活用して速やかに周知に努めます。 次に、検索エンジンやSNSでのウェブ広告の導入についてです。 検索エンジンのウェブ広告は、キーワード検索をすると、そのキーワードに関連した広告がページ上部等に掲出されるものですが、検索結果ページにおける公共サイトの優先度が高く上部に表示されるため、広告と同程度の効果が得られている現状にあります。 区公式ツイッター、フェイスブックは、災害等緊急時の情報発信ツールとして開設し、区政や地域の情報発信としても運用していますが、御指摘のとおり、ユーザー数は多いとは言えない状況です。 SNS広告は、特定のターゲットに対してSNS画面に区公式ツイッター、フェイスブックの広告が掲出されるもので、ユーザー獲得に一定の効果が見込めると考えますが、一方で費用負担が発生するといった点があります。当面は、4月に全戸配布する「くらしのガイド」の表紙で紹介するなど、ユーザー獲得に向けさまざまな媒体を活用し周知を進めますが、今後、SNS広告も一つの方法として、費用対効果などを含め研究してまいります。 次に、区公式ホームページの運用についてのお尋ねです。 区では、インターネット上で盗聴を防止するため、通信の暗号化に対応したhttpsのホームページを公開しています。さらに、httpのホームページも同時に公開することにより、障害発生時にも備えた運用を実践しているところです。 また、認証ロゴはセキュアドシールと呼ばれ、ウェブサイト運営者の実在性を示すものです。ホームページが間違いなく新宿区のものであることや、脆弱性の有無を定期的に点検していることを信頼できる第三者機関が証明するものであり、httpsで始まるアドレスは通信情報が暗号化されることもあらわされています。したがいまして、httpのホームページへのシール掲載につきましても、実態に即した掲載であると認識をしています。 次に、シビックテックとオープンデータについてのお尋ねです。 オープンデータへの取り組みについては、これまで多くの会派より御質問、御要望いただいてきたところです。この間、他自治体の動向や区での取り組み体制について研究・検討を重ねてまいりました。オープンデータを推進することで、行政の透明性、信頼性の向上が図られることはもちろん、御指摘のように、地域課題を区民参加と協働により解決できる仕組みであるシビックテックの活発化や地域経済の活性化が期待できるものと考えています。オープンデータの公開に当たっては、区としての方針を明確化させ、区民の皆さんのさまざまな要望に対してもお応えできるように全庁的な体制で取り組んでまいります。 また、各自治体の取り組み状況についてですが、東京都では平成27年より試行版を公開し、自治体間の連携についても課題として挙げながら推進し始めたところであり、現状では各自治体それぞれに考え方や進め方、推進速度が異なっています。当区では、引き続き各自治体の動向を参考にしながら、データを公開するだけでなく、その拡張性にも富んだ使い勝手のよいオープンデータの公開となるよう進めてまいります。 ◆35番(伊藤陽平) 大変御丁寧な答弁ありがとうございました。 私も、これまでSNSの広告に関しては、ほかの委員会等でも質問させていただいてきましたが、やっぱり4月に紙を全戸配布するというお話があるんですけれども、そもそも紙で読んでもらえれば、その層に対して問題ないんですけれども、そういう層のために、紙を読まない層のために、しっかりとSNSだったりインターネットを通じて区政参加の機会をつくっていただければうれしいなと思っています。今後も御検討いただけるとうれしいです。 以上です。どうもありがとうございました。(拍手) ○議長(下村治生) 次に、36番かわの達男議員。     〔36番 かわの達男議員登壇、拍手〕 ◆36番(かわの達男) 社民党新宿区議会議員団のかわの達男です。 最初に、区政の基本方針と財政について、区長と教育委員会にお聞きをいたします。 日本経済は、景気は緩やかな回復基調と政府は言っていますが、区民の暮らしの中ではほとんど実感がありません。それどころか、貧困は増加・拡大し、生活実態はさらに厳しくなってきています。異常なまでの金融緩和と、禁じ手とまで言われているマイナス金利政策を日銀は賛成5、反対4で、黒田総裁の独走とも言える決定でスタートさせ、市場や金融・経済は大混乱です。アベノミクスは、もはや破綻です。 TPP協定に12カ国は署名をしました。輸入関税の低下で消費者は歓迎のように伝えられていますが、食料自給も含め、日本の農業は壊滅的な打撃を受け、そのツケは必ず将来、消費者、生産者、全ての国民が負わされることになります。承認してはなりません。 政府発表の勤労統計によっても、実質賃金は4年連続減少しました。まさに国民・区民の生活実態を反映したものとなっていると思います。区内の中小企業の景況の平成27年10月から12月のデータは、前期に比べると若干改善していますが、全ての業種で来季も大雨の数値を示しています。 最初に、区民の暮らしと景気動向について、区長はどのような認識をお持ちなのか、お聞きをいたします。 2点目は、平成28年度予算についてお聞きをいたします。 国は、税収が5.6%増、東京都も都税収入が対前年度比3.7%増の5兆円余を見込んでいます。しかし、区財政に大きな影響のある都区財政調整当初フレームでは、調整三税のうち固定資産税は対前年度比1.9%増の伸びを見込んでいますが、市町村民税法人分は1.9%、114億円の減となっています。国の法人住民税の一部国税化という不当な自治体いじめの結果であります。特別区民税の順調な増加と地方消費税交付金の平年度化で、基準財政収入額、基準財政需要額ともに増加し、特別区交付金の総額は前年とほとんど変化のない数字となっています。 新宿区の平成28年度予算は、3年連続増加の一般会計が過去最大の1,454億円の予算規模となっています。一方、財政調整基金繰入金は、当初予算の比較で対前年度比3億円の減の25億円となり、平成22年度当初予算の109億円から毎年順調に減少してきています。区債残高は、平成10年の554億円をピークに減少し、また基金残高はここ数年上昇しています。歳入から区財政を見ると順調です。今こそ苦しい暮らしの区民を応援する予算にすべきであると思います。平成28年度及びそれ以降の歳入見込みと区財政について、区長の認識をお聞かせください。 3点目は、区財政に大きな影響のある特別区交付金の原資の一つでもある法人住民税の一部国税化の問題であります。 吉住区長は基本方針で、「特別区分だけでも1,000億を上回る規模の影響が見込まれるとし、法人住民税を地方自治体間の財源調整に用いることは、地方税の原則をゆがめるとともに地方分権の流れに大きく逆行するものです」と述べています。私も何度も述べてまいりましたが、国のこの手法は、地方自治を根本から曲げようとするものであり、断固許してはなりません。とすれば、国の理不尽で不当な政策をいかに是正されるかが自治体としてまさに正念場です。国に対し、見直しを引き続き強く要望していきますと区長は言われていますけれども、私は生ぬるいと思います。国は、平成28年度税制改正でさらに拡大しようとしています。国の暴挙である税制をもとに戻すために、目に見える形で区民、都民とともに行動を起こすときと思いますが、国に方針変更をさせるための吉住区長の決意と行動をお聞かせください。 市町村民税法人分は、固定資産税とともに、本来基礎自治体である23区の固有財源であるはずです。地方分権や将来の区財政を見通したとき、早急に本来の姿に戻すべきであります。さらに、今回の法人住民税の一部国税化という間違った国の暴挙を受けるすきをつくった要因もここにあると私は考えます。55%の配分割合は早期に見直すべきであります。これらの問題を解決するための都区財政調整協議はどのように進んできているのか、この間の経緯も含めてお聞かせください。 また、「ふるさと納税」も特別区民税の減収として区財政に大きな影響があり、これも国がさらに拡大しようとしています。平成28年度の当区への影響額と、その対策についてお聞かせください。 次に、第三次実行計画の基本政策第4に「健全な区財政の確立」を掲げ、平成28年度基本方針でも施設の有効活用や行財政評価制度を取り入れた歳出に関する取り組みを示しています。一方、健全な区財政の確立には欠かせない歳入見込みや歳入確保策などは基金と起債の活用しか示されていません。第三次実行計画の中や次期総合計画に向け、短期的に、あるいは長期的に根本的な財源確保策を取り組むべきと考えます。その柱は、私は今も述べましたが、市町村民税法人分は、固定資産税とともに本来基礎自治体である23区の固有財源に戻し、新宿区の基礎財政とすることと思いますが、区長の見解をお聞きします。 また、財源確保について、「健全な区財政の確立」を掲げる吉住区長のお考えをお聞かせください。 次に、主要施策について具体的に4点お聞きします。 本年4月から障害者差別解消法が施行されます。先日開催された障害者施策推進協議会でも積極的に議論されていました。区長は、支援地域協議会の設置や新宿区訓令として職員対応要領を作成しようとしています。区職員を先頭に、地域全体で差別の解消に向け具体的にどのような取り組みを考え、実行しようとしているのか、伺います。 また、協議会の中でも意見が出ていましたが、子どもたちが幼少のころから差別のない生き方を学ぶためにも、学校教育の中でしっかり取り組むことが極めて重要です。これまでも行ってきておりますけれども、法整備を受けての教育委員会のお考えをお聞かせください。 2点目は、ユニバーサルデザインのまちづくりについてお聞きします。 第三次実行計画でも、主にガイドブックの活用や標識の設置などが示されています。当然必要であります。しかし、それは平成23年3月に策定したガイドラインの基本目標5つの、自由に歩ける、快適に過ごせる、安心できる、楽しめる、わかりやすいという目標の一つにすぎません。2020年パラリンピックに向け、誰もが移動しやすく、利用しやすく、わかりやすいまち新宿にするためのまちづくりが求められています。区長のユニバーサルデザインのまちづくりについての所見をお聞かせください。 3点目は、新中央図書館の建設について、区長と教育委員会にお聞きします。 私は、新宿区の知の拠点としての公文書館を併設した新中央図書館を早期に建設すべきと提言してきました。しかし、第三次実行計画でも新中央図書館の建設検討となっており、全く進展していません。建設が進まない理由は、隣接する早稲田大学から合築等の提案があったからとなっていますが、平成23年12月22日の大学からの申し入れから4年以上も経過しています。何年待てばいいのですか。この間、何が進み、何が課題なのか、明確にお示しください。 また、平成22年11月に策定した「新中央図書館等基本計画」については、この計画は今ももちろん生きていると思いますけれども、どのように位置づけられていますか。いずれも区長と教育委員会にお聞きをいたします。 4点目は、平和施策についてお聞きします。 基本方針説明では平和都市宣言30周年記念事業が示されていますが、平成28年度の計画は言われていません。周年事業は行われないとしても、区長の平和への思いを区民に伝えてほしいと思います。平成28年度は戦後71年、時が過ぎるにつれ、直接戦争を体験した区民は少なくなってきています。次の平和都市宣言35年、40年では間に合わないかもしれません。今、記憶と歴史をきちんと残しておくときであります。区長の考えをお聞かせください。 空襲被害や戦争体験、再び戦争への道を進まないための教育を学校現場ではどのように今後も実践していくのか、教育委員会へもお聞きをいたします。 最後に、改めて吉住区長の平和への思いをお聞かせいただきたいと思います。 ◎区長(吉住健一) かわの議員の御質問にお答えします。 区政の基本方針と財政についてのお尋ねです。 初めに、区民の暮らしと景気動向の認識についてです。 国内の景気は、雇用・所得環境の改善が続く中、緩やかな回復に向かうことが期待されていますが、総務省の家計調査によると、総世帯の消費支出は前年比で実質2.7%の減で、2年連続の減少となっており、個人消費が停滞している状況にあります。また、日銀による我が国初のマイナス金利の導入など、金融政策が家計や景気動向にどのような影響をもたらすか注視していく必要があります。 一方、区が実施している中小企業の景況調査では、全般的な業況は若干持ち直していますが、マイナスが続いており、景況調査に合わせて行った特別調査における「平成28年の自社の業況見通し」では、昨年同時期の調査より上向いているものの、明るい見通しを示した企業が2割台にとどまるという結果になっています。このように、国内景気については回復基調にあるものの、先行きは不透明であり、区民の暮らしについても楽観視できないものと認識をしています。 次に、歳入の見通しについてのお尋ねです。 平成28年度予算では、納税義務者数の増等により特別区税が11億円の増、また地方消費税交付金が収入実績等を踏まえ6億円の増となり、財政調整基金繰入金を除く一般財源の総額は885億円、2.2%の増となりました。 今後の歳入見込みについては、第三次実行計画での財政収支見通しで平成29年度の特別区税は引き続き納税義務者等の増を見込み、平成28年度との比較で3億円増の434億円、また特別区交付金は法人住民税の一部国税化による減収の影響、固定資産税の伸び等を勘案し2億円増の276億円と見込んでいます。平成29年度の一般財源収入全体では、消費税率の引き上げによる増収等も見込み7億円増の892億円と見込んでいるところです。 今後、区を取り巻く財政環境の動向に細心の注意を払い、的確な捕捉に努めてまいります。 次に、区財政についての認識です。 現時点で平成28年度末の基金残高見込額は区債残高見込額を125億円上回っていることから、区は一定の財政対応力を確保していると考えていますが、基金残高は平成20年度の608億円から259億円減少しており、今後の財政需要を考慮すると楽観視することはできません。 こうしたことから、引き続き財政基盤の強化に徹底して取り組むとともに、効果的・効率的な行財政運営によりさらなる財政規律の確保に努めていくことが極めて重要であると考えています。 次に、法人住民税の国税化についてのお尋ねです。 平成28年度税制改正で、消費税率10%段階において、地域間の税源の偏在是正を目的に法人住民税の国税化がさらに拡大されることとなりました。特別区においては1,000億円を上回る規模の影響が見込まれています。法人住民税は、法人の地域での活動や、そこで働く人々を支えるためのさまざまな施策の財源として負担を求めているもので、これを地方自治体間の財源調整に用いる国の措置は、受益と負担に基づく応益課税であるべき地方税の原則に反するものであり、地方分権の流れに大きく逆行するものと言わざるを得ません。 こうした考えにより、特別区長会においては、税源偏在是正議論についての特別区の主張を公表するとともに、昨年度に引き続き東京都、特別区長会、東京都市長会及び東京都町村会の4団体連名による地方財源の拡充に関する要請活動を行いました。 私は、今後とも特別区長会や東京都などの関係者と一体となり、地方が担う権限と責任に見合う地方税源の拡充に向け、全力で取り組んでまいります。 次に、都区財政調整にかかわる都区間の配分割合についてです。 現行の配分割合は、平成12年度の都区制度改革以降、積み残しの課題であった都区間の財源配分率を、平成19年度財政協議の結果、三位一体改革等の影響も踏まえ、それまでの区側配分割を52%から55%へと改めたものです。この配分割合は、中期的に安定的なものとし、大規模な税財政制度の改正があった場合や、都区の事務配分、または役割分担に大幅な変更があった場合などに変更すると都区間で確認しており、毎年都区財政調整協議会において配分割合を変更する事由の有無について確認しています。 次に、ふるさと納税による区の歳入への影響についてです。 平成28年度は、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」により、所得税からの控除分も個人住民税から全額控除されることに加え、控除限度額が個人住民税所得割の1割から2割に引き上げられたことを踏まえ、約2億1,700万円の減収を見込んでいます。この「ふるさと納税ワンストップ特例制度」については、自治体が肩がわりする所得税相当分を国の責任において確実な代替財源を確保するよう、全国市長会を通じて国に強く要望しているところです。 次に、法人住民税や固定資産税を特別区の固有財源とすべきとの御意見についてです。 現行の都区財政調整制度は、都が交付主体となっており、市町村では固有財源である固定資産税や市町村民税法人分が都税として課税収入され、調整財源として各区に交付される仕組みとなっています。こうした特別区特有の取り扱いは、23区の財政自主権強化の点では根本的な課題を有しているものと考えています。 区財政を取り巻く環境が厳しさを増す中、特別区の自主性・自律性のさらなる強化に向けて、権限と税財源の移譲など法改正や国への働きかけも視野に入れ、改革に向けた取り組みを進めてまいります。また、健全な財政運営の確保を基本に、引き続き事業の見直しや施策の重点化を図るとともに、特別区民税や保険料等の徴収に精力的に取り組み、歳入歳出の両面から、さらなる財政規律の確保に努めてまいります。 次に、障害者差別解消法の施行に向けた取り組みについてのお尋ねです。 障害者差別解消の推進に向け、職員が主体となって適切に対応するための基準である対応要領を策定しました。障害の特性に応じたコミュニケーション支援の充実を図るなど、障害者への配慮を推進していきます。あわせて、職員一人ひとりの障害に関する知識向上や理解の促進を図るため、研修及び啓発を行っていきます。 また、区内のさまざまな関係機関がお互いに顔の見える関係を築き、地域における相談事例などの情報共有を行い、障害者差別を解消するネットワークとして障害者差別解消支援地域協議会を設置します。さらに、区民向けに障害者差別解消に関するチラシを作成し、普及啓発に努めてまいります。 次に、ユニバーサルデザインのまちづくりについてのお尋ねです。 区では、誰もが移動しやすく、利用しやすく、わかりやすいまちを実現するため、ユニバーサルデザインのまちづくりを推進しており、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催は、ユニバーサルデザインのまちづくりをさらに推進できる絶好の機会と捉えています。 このため、平成27年6月に東京都と共同で「新宿ターミナル協議会」を設置しました。本協議会では、世界一の乗降客を擁する新宿駅及びその周辺において、わかりやすい案内サインの整備やバリアフリー化を推進するとともに、バリアフリーマップを含むエリアマップ等を作成していきます。障害のある方を含め、国内外から新宿を訪れる全ての観光客にとってわかりやすく利用しやすいユニバーサルデザインのまちづくりを目指してまいります。 また、ガイドブックを活用した普及啓発により、ユニバーサルデザインの理念をより多くの区民に理解してもらうことで、2020年東京オリンピック・パラリンピックでは、年齢や性別、国籍、障害にかかわらず、区民一人ひとりが相手のことを思った「気づき」や「配慮」ができる「おもてなしのまち新宿」を目指してまいります。 次に、新中央図書館の建設についてのお尋ねです。 新中央図書館については、現在、早稲田大学と近年の動向を踏まえた全国自治体の図書館建設の事例の研究や、新中央図書館のあり方についての意見交換を行っていますが、さまざまな建設手法や運営形態があり、早稲田大学の研究施設との合築による新中央図書館建設に適した方向性について検討を続けているところです。 一方、現在の中央図書館は、旧戸山中への移転後も拡張工事を進め、こども図書館を併設した、懐かしさを感じる校舎を活用した誰もが利用できる身近な知の拠点として親しまれ、当面の間、中央図書館として使用していくことを想定しています。 また、新中央図書館の建設に向けては、コンセプトとなる「新中央図書館等基本計画」を現状に合わせて見直すことが必要であること、建設計画や設計、建築工事に一定の年月を要することなどから、新中央図書館の整備については、東京オリンピック・パラリンピックの開催と、その後の社会経済状況も見据え、建設に向けて検討してまいります。 次に、平和への思いに対するお尋ねです。 御指摘のとおり、戦後70年が経過し、戦争を直接経験された方々のお話を聞く機会は今後ますます少なくなっていくものと考えます。そのため、現在作成を進めている「新宿区平和都市宣言30周年記念誌」には、一人でも多くの方から戦争体験をお寄せいただくよう呼びかけを行い、当時の世相や、出征・空襲・学童疎開・引き揚げなど、50名を超える方々の体験をおさめています。また、今なお区内に残る戦争遺跡や戦火をくぐり抜けた学校資料など、太平洋戦争前後の新宿のまちの記憶も記しています。 太平洋戦争では、敗色濃厚な極限状況の中、特別攻撃隊による自殺行為とも言える戦術がとられました。みずからの命と引きかえに、一日でも長く家族を生き延びさせよう、母国を守ろうという悲劇であり、決して繰り返してはならないと思います。戦争により、相手国側にも自国側にも多くの被害者を生み出しましたが、戦争は悲劇を生むことがあっても幸福を生み出すことはなく、この新宿のまちから世代や国籍を超えて相互理解の輪を広げ、平和の礎を築いていくべきと考えます。 こうした認識のもと、「記念誌」の内容をインターネット上で公開するとともに、教育委員会と連携し、3月に発行する記念誌を小・中学校の授業で活用し、直接戦争を体験した人々の当時の思いや体験を末永く伝えてまいります。また、「平和の語り部派遣」、「平和講演会」などの普及啓発事業は、平成28年度以降も変わることなくしっかりと進めてまいります。 ◎教育長(酒井敏男) 教育委員会への御質問にお答えします。 障害者差別解消法の施行を受けて、差別の解消のために学校教育の中でどのような取り組みを行うのかについてのお尋ねです。 障害者差別を初め、あらゆる差別や偏見をなくすためには、教育の果たす役割が重要であると認識しています。教育委員会では、差別や偏見をなくすための取り組みとして、人権尊重教育推進委員会を設置し、障害者差別を初めとするさまざまな人権課題について正しい理解と認識を深めることができるよう、事例を各学校に紹介しています。 ある小学校では、「障害のある人もない人もともに生きるまちづくり」というテーマで学習を行い、障害について学んだり、障害を疑似体験したりする活動を行っています。学習を終えた児童は、「障害があるなしにかかわらず、互いが気持ちよく生活するためにできることを考えることが大切だ」と感想をまとめており、ともに支え合うことの大切さに気づいていました。 また、平成29年度からの全校実施に向けて、今年度から障害者スポーツ体験事業を展開し、障害者理解教育を推進しています。今年度は10校の小・中学校がブラインドサッカー体験を行いました。体験を通して子どもたちは、障害の有無にかかわらず、目標に向けて努力することの大切さを学びました。 教育委員会では、障害者差別解消法の施行を受け、これまで以上に差別や偏見をなくすための取り組みを充実させ、将来の共生社会の実現を担う子どもたちの育成を図ってまいります。 次に、新中央図書館の建設についてのお尋ねです。 新中央図書館については、早稲田大学の研究施設との合築に適した方向性について、現在、早稲田大学と最近の全国自治体の図書館建設の事例研究や、さまざまな建設手法などの意見交換を行っていると承知しています。 現在の中央図書館は、併設のこども図書館とともに平成25年7月に旧戸山中学校へ移転し、旧校舎を活用したユニークな中央図書館として、懐かしさや親しみやすさの感じられるよう工夫しております。現在、屋内の一部を図書館用途に変更する拡張工事を進めており、ことしの7月に拡張部分をオープンする予定です。これにより、閲覧席の拡充、開架資料の充実など、区民の知の拠点としてより一層の充実を図っていきます。 また、現在、新宿区立図書館基本方針の改定を進めています。改定の方針には、「新中央図書館等基本計画」の伝える、支える、集うの方針を柱として位置づけて、その理念を引き継いでいます。旧戸山中学校は、当面の間、中央図書館として使用していくことを想定していますが、新中央図書館の建設に向けては、現行の新中央図書館等基本計画も新たな時代を見据えて見直していくことが必要であると考えています。新中央図書館の建設には、計画の具体化や設計、建築工事に一定の年月を要することから、新中央図書館の整備については社会経済状況を見据えながら検討してまいります。 次に、再び戦争への道へ進まないための教育を学校現場でどのように今後も実践していくのかについてのお尋ねです。 小・中学校の社会科では、戦争が国民生活に与えた影響や、戦争の悲惨さを実感できるように、地域の戦争体験者から話を聞くなどの活動を行っています。戦争体験者の高齢化が進んでいることから、歴史資料館などと連携し、映像資料や音声資料を活用して当時の生活の様子を調べる学習を進めている学校もあります。また、中学校では、「太平洋戦争と新宿」や、「新宿区戦災消失区域図」などの資料を活用して、新宿区や学校周辺の地域の空襲被害について調べる活動を行っています。学習を通して生徒たちは、身近な地域が戦争によって大きな被害を受け、その後、人々の努力によって復興した事実を知り、平和の尊さを実感するとともに、二度と戦争を起こしてはならないという思いを強くしています。 今後もこうした実践を継承し、平和な社会を築くことの大切さについて考えることのできる児童・生徒の育成を図っていきます。 ◆36番(かわの達男) 次に、いのちを守る防災対策について、区長にお聞きをいたします。 1万9,000人を超える死者、行方不明者が発生した、2011年3月11日の東日本大震災から間もなく5年を迎えようとしています。被災地東北では、一部復旧・復興が進んでいる地区もありますけれども、いまだ仮設住宅でお過ごしの被災者も多くいらっしゃいます。都営百人町四丁目アパートで今も避難生活を送られている方も多くいらっしゃいます。 とりわけ、福島第一原発の破滅的なメルトダウン事故は、今も放射能を放出し続け、汚染水は地下を通って太平洋に垂れ流されています。事故収束のめどは全く立っていません。放射能汚染は、住み続けた人たちをいまだ受け入れることを拒否しています。生まれ育ち、暮らしていたみずからの住宅や田地田畑に戻って生活することも全く見込みが出せない地域が厳然としています。 マグニチュード9.0の巨大地震で日本列島を揺るがす大きな地殻変動が起き、フィリピン海プレートがユーラシアプレートに沈み込む東海・東南海・南海トラフの巨大地震、さらに関東地方の地震発生の危険度は上昇したとの報告もあります。そのような中、落ち着いたとはいえ、箱根山の火山活動や桜島の噴火など、日本列島は列島全体が風雲急を告げる状況と言っても過言ではありません。 阪神大震災から21年、関東大震災から92年が経過しています。この状況下で、改めて首都直下地震の発生について吉住区長はどのような認識をお持ちなのか、お聞かせください。 区長は、第三次実行計画の基本政策の2として「新宿の高度防災都市化と安全安心の強化」を示しています。災害に強い、逃げないですむ安全なまちづくりと、その体制づくりは区民の大きな期待であります。防災対策にもハード面とソフト面からの取り組みが必要であることは当然です。新宿区に住み働く区民がいかに防災意識を高め、みずからのものとできるか、大変大事です。防災思想の普及啓発として新年度予算や第三次実行計画にも示されています。 東京都は「東京防災」を発行しました。また、新宿区は「災害に備えて」を発行し、災害に備えての心構えや準備、発災時の行動などをまとめています。問題は、これらを区民が読み、理解し、そしていかに備えるかということであります。区長は今後、どのように普及し、活用し、区民の意識を高めていこうとしていますか。お聞きをいたします。 新規事業として、マンション防災対策の充実を示しています。マンションの耐震化と同時に、逃げないですむまちづくりは、マンションが被災しても、そこで引き続き生活できるということが重要です。そのためにはマンション内のコミュニティも欠かせません。これは日常的なまちのつながりの深まりにもなります。マンション防災対策を今後どのように進めるのか、お聞かせください。 家具の転倒防止の設置やガラスの飛散を防ぐなど、身近ですぐにできる防災対策も区民に一定の浸透はありますが、まだ十分とは言えません。もっと積極的に支援すべきと思いますが、現状と今後の計画についてお聞かせください。 また、「新宿区地域防災計画」の今後の修正計画や見通し、その概要についてお聞かせください。 次に、住宅等の耐震化の推進についてお聞きします。 被災後の復旧・復興を考えると、そこにかかる費用を事前に耐震補強等にかければ、どれだけの命と財産、暮らしとまちが救われるか、多くの人も指摘しています。新宿区役所本庁舎は、およそ32億円の区民の税金を使わせてもらって免震工事が完成しました。一方、区民の住宅等の建築物等耐震化支援事業の平成26年度決算は、当初予算の13億円余の予算に対し2億8,600万円の決算実績です。特に木造・非木造建築物への実績は大きく落ち込んでいます。ちなみに、平成27年度も、本2月補正予算で実績減による補正が約9億円となっています。 私は、予算を減らせと言っているわけではありません。全く逆です。実績を上げてほしいのです。命と安全を守る住宅の耐震化の促進は急務です。区民がもっと利用しやすく、支援額も拡大するなど改善し、建築物等耐震化支援事業を促進すべきと思います。非木造の建物は、昭和56年以前のいわゆる旧耐震設計の建物は建築確認申請データから区で把握できていると思います。個別の働きかけや支援策の提示など、制度の周知とPR、制度そのものの拡大充実などを求めます。木造・非木造のそれぞれの耐震化支援事業の実績と課題、そして今後の計画についてお聞かせください。 また、平成25年度に改定しました「新宿区耐震改修促進計画」については、次期総合計画や東京都の計画などとの関連で検討も必要かと思われますが、お考えをお聞かせください。 次に、擁壁・崖改修の支援について伺います。 区内の実態調査を実施し、3段階に分けて把握していると聞いていますが、安全化指導は引き続き随時実施し、必要な改修は積極的に支援し、地震や大雨に対し安全な擁壁・崖に改修し、災害に対応しなければなりません。この間の実績と今後の計画についてお聞かせください。 最後に、改めて区長の区民のいのちを守る防災対策についての決意をお聞きしたいと思います。 私は、来るであろう首都直下地震の教訓とすべきは、繰り返し述べてきましたが、阪神大震災であると思います。阪神・淡路大震災で亡くなられた6,434名の約8割の約5,000人は、木造家屋が倒壊し、家屋などの下敷きになって圧死したと報告されています。また、神戸市内の死者2,456人の92%が発災から15分以内の即死であったとの報告もあります。 区政の最重要課題の一つは、震災・防災対策です。何よりも命を守ることです。区民の区政への要望でも常に高くなっています。吉住区長のいのちを守る防災対策についての決意を改めてお聞きをいたします。 ◎区長(吉住健一) いのちを守る防災対策についてのお尋ねです。 まず、首都直下地震の発生について、どのような認識を持っているかについてです。 首都直下地震は、今後30年間に70%の確率で発生すると言われており、国や都が発表した被害想定によると、区内においても甚大な被害の発生が懸念されています。被害を最小限にとどめ、災害から区民を守るために、首都直下地震に対する備えは区の最重要課題であるとの認識のもと、スピード感と使命感を持って、ハード、ソフト両面から総合的に対策を推進しているところです。 次に、「東京防災」や「災害に備えて」を今後どのように普及し、活用し、区民の意識を高めていくかについてのお尋ねです。 現在、これらの啓発冊子を教材として、区職員による小学校での防災講話やふれあいトーク宅配便、避難所防災訓練でのミニ講話などを通じて防災思想の普及啓発に努めているところです。 今後も、職員がまちに積極的に出かけ、引き続き普及啓発に努め、区民一人ひとりが来るべき災害に備えるよう促していきます。 また、来年度は体験型プログラムや子どもたち向けの企画を多く実施する防災イベントを戸山公園で新たに開催する予定であり、こうした機会も捉え、啓発冊子を活用して区民の防災意識を高めていきます。 次に、マンション防災対策を今後どのように進めるかとのお尋ねです。 現在、区では、マンション防災アドバイザーを派遣し、区が作成した冊子「マンション防災はじめの一歩」を活用しながら、必要な防災対策や防災訓練に関する指導・助言、また自主防災組織の結成に向けた支援を行っています。 来年度は、マンション防災に関するセミナーや懇談会等を開催するほか、分譲マンション実態調査を行い、マンション防災対策の充実を図る上での課題やニーズを把握します。これらを踏まえて、平成29年度に「マンション防災に関するガイドライン」の策定に取り組み、災害時にマンションで引き続き生活できるための設備や各自の備え、マンション内コミュニティの形成や周辺地域との連携について推進していきます。 次に、家具の転倒防止の設置やガラスの飛散防止フィルムについてのお尋ねです。 家具転倒防止対策事業については、今年度から一般世帯の方について3点まで、調査費、取りつけ費を無料にしていたものを、取りつけ点数を無制限にするなど、事業の見直しを行いました。その結果、今年度実績は、平成28年1月末現在で昨年度実績を105件上回り226件となっています。また、ガラス飛散防止フィルムなどの防災用品については、区の防災用品あっせん事業の中で紹介し、チラシを各特別出張所等で配布するなど普及に努めているところです。 今後も、防災訓練や地域イベントなど、さまざまな機会を捉えた周知に加え、マンション防災事業など新たな事業展開の中でも普及に努めてまいります。 次に、「新宿区地域防災計画」の今後の計画修正の見通しや、その概要についてのお尋ねです。 平成26年11月に改正された土砂災害防止法により、都道府県は土砂災害防止対策に必要な基礎調査の結果を公表することが義務づけられました。区内でも、都が現在基礎調査を実施しており、その結果に基づき、平成29年3月以降、土砂災害警戒区域及び土砂災害特別警戒区域を指定する予定です。 区では、都によるこれらの警戒区域の指定を踏まえ、土砂災害に対して円滑かつ迅速な避難等を実施するため、警戒避難体制の整備等について、災害対策基本法及び東京都地域防災計画との整合性をとりながら、地域防災計画の修正に取り組んでまいります。 次に、住宅等の耐震化の推進についてのお尋ねです。 区では、建築物の耐震化を推進するため、耐震化支援事業に積極的に取り組んでいるところです。木造住宅や非木造建築物のマンションの耐震化については、いずれも耐震診断、補強設計等を実施したものの、耐震改修工事まで至らない状況があります。こうした状況に対して、いつ起きてもおかしくない大地震に対してスピード感を持って着実に地震改修の実施につなげることが課題となっています。 来年度は、木造住宅については、木造住宅密集地域など地域危険度の高い重点地区で戸別訪問や地域ごとの説明会等を行う「耐震モデル地区事業」の対象戸数を拡大します。また、助成対象を拡大するため、所得制限要件を撤廃します。非木造建築物については、特定緊急輸送道路沿道建築物の助成期限を延長するとともに、所有者に耐震化の必要性を啓発するため、東京都と連携して「マンション啓発隊」を引き続き行ってまいります。 次に、「新宿区耐震改修促進計画」については、平成27年度末に改定を予定している「東京都耐震改修促進計画」の内容を踏まえて見直しを検討してまいります。 次に、擁壁・がけ改修の支援についてのお尋ねです。 区では、大地震や大雨などの自然災害に備えるため、平成21年度から3年間で区内約3,500カ所の擁壁等の実態について現地点検調査を行いました。この調査結果を踏まえ、平成24年度からは擁壁等の改修に向けた安全化指導、改修へのアドバイスを行うコンサルタント派遣、一定の擁壁等に対する改修工事費助成などの支援事業を行っています。 事業開始から現在までの実績については、約3,500カ所の擁壁等に対して安全化指導を行うとともに、コンサルタント派遣を10件、改修工事費助成を3件実施しました。これらの事業を行った結果、改修されたものが66件あり、改修には至らないものの、ひび割れなどの補修を行ったものが69件あります。 来年度は、現地点検調査後5年が経過することから、擁壁等の現在の変化状況を改めて把握するため、再度現地点検調査を実施します。調査結果は擁壁等の安全化指導や啓発などに活用してまいります。また、擁壁等改修工事費助成については、従来の緊急輸送道路に近接するものから全ての道路に近接するものに助成対象を拡大することで、災害時の避難経路の確保に取り組んでまいります。 次に、区民のいのちを守る防災対策への決意についてのお尋ねです。 我が国は、近代以降起こった地震だけでも、関東大震災、阪神・淡路大震災、東日本大震災などの災害により多くの方が犠牲になりました。地震の発生を防ぐことはできませんが、減災対策により地震による被害を最小限度に抑えることは可能です。 区といたしましても、区民の命や財産を守るため、耐震化や不燃化の必要性、災害発生時の救急活動のための細街路整備など、まちづくりの意義を区民との対話を通じて理解を得てまいりたいと思います。今後もスピード感を持って、災害に強い、逃げないですむまちづくりを進め、新宿の高度防災都市化の実現に全力で取り組んでまいります。 ◆36番(かわの達男) ただいまは、区長並びに教育委員会のほうからそれぞれ丁寧な御答弁がありました。 聞きたいこと、再質問したいことがたくさんありますけれども、この後に予定されています予算特別委員会に私も入る予定にしておりますので、あるいは入れそうですので、そこでまたぜひ深めていきたいと思いますので、きょうの本会議場における質問は以上で終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(下村治生) 以上で代表質問は終了しました。--------------------------------------- ○議長(下村治生) 次に、日程第2、一般質問を行います。 質問の通告を受けましたので、順に質問を許します。 最初に、5番小野裕次郎議員。     〔5番 小野裕次郎議員登壇、拍手〕 ◆5番(小野裕次郎) 民主党・無所属クラブの小野裕次郎でございます。 それでは、不妊治療助成について質問させていただきます。 自治体にとって、少子化対策への取り組みはとても重要な課題です。この国の社会保障制度やシステムを維持するためにも、最前線である区市町村が対策を講じなければならないのは、誰もが御承知のことかと思います。 2015年の厚生労働省の人口動態統計によると、新宿区の合計特殊出生率は、区部では最低の0.97となっています。単身者が多いなど理由はさまざま考えられますが、本区の考え方として、少子化問題をどのように捉え対策に取り組むのか、お伺いします。 人口動態統計によると、東京都の晩婚化、晩産化傾向は極めて顕著であり、そうした中、不妊症は全夫婦の約10%から15%で発生すると言われていて、その割合は、女性不妊症が30%から40%、男性不妊症が50%程度、原因不明の機能性不妊症が10%から20%となっています。また、不妊に悩みながら治療に行かない潜在的不妊の方々は、その3倍に上がるとの指摘もされています。 2015年9月の読売新聞の記事によると、治療件数は10年前の3.6倍にふえ、約24人に1人が体外受精で生まれた計算になっているとのことです。不妊治療には、人工授精、体外受精、顕微授精などがあり、こうした特定不妊治療と呼ばれるものは公的医療保険の対象外であり、高額療養費の対象にもならず、高額な負担が強いられることとなります。 そこで政府も、一億総活躍社会の実現に向けた施策の一つとして不妊治療の拡充に乗り出しました。今回の拡大では、対象や所得制限は変わりはありませんが、不妊治療を始めやすくする狙いから、初回の治療に限って助成額の上限を現行の15万円から30万円に引き上げ、手厚くする措置をとります。また、無精子症などの男性が手術で精子を採取した場合には、1回につき15万円を上限に助成し、体外受精のために手術を受けるたびに従来の助成に上乗せされ、計6回まで助成が出ます。 そうした動きのある中で、これまで実施されている東京都の助成制度では、平成26年度は23区で12万3,819件の事業利用があり、うち新宿区では329件の利用がありました。また、都の助成事業に加え、多くの市区町村では独自の不妊治療の自己負担軽減措置が図られています。例えば、お隣の港区では、特定不妊治療に対し1年につき30万円まで5年間助成され、平成26年度の利用実績では845件にも上ります。港区は所得制限なしだからというような見方もあるでしょうが、こうした社会のニーズが各自治体の取り組みや報道などでも十分に認められている状況ですが、この新宿区では一切助成はありません。区は、出生率は低いままでも構わない、区外で生まれた子育て世帯を呼び込むだけで十分だとお考えなのでしょうか。 合計特殊出生率を回復させ、少子化から立ち直ったフランスでは、補助は42歳まででストップされてしまいますが、人工授精が6回、体外受精が4回まで無料で行えるそうです。「子どもを産みたいと望む全ての人が子どもを持てるような環境を整えること、どのような支援が少子化対策に必要なのか」は明白です。 平成23年の鈴木ひろみ議員の不妊治療助成についての質問では、「必要性を検討する」との答弁でしたが、新宿区は、これまでにどのような検討がなされてきたのか、今後、独自の不妊治療助成を行うつもりはあるのか、東京都の助成制度の枠を広げるなど自治体ならではの支援拡大の必要性についてなど、区のお考えがあればお聞かせください。 ◎子ども家庭部長(吉村晴美) 小野議員の御質問にお答えいたします。 不妊治療助成についてのお尋ねです。 初めに、少子化問題についての区の考えと、どう対策に取り組むかについてです。 本格的な人口減少社会の到来と急速な少子高齢化の進展は、我が国の消費・経済力の低下の原因となり、日本の経済社会の大きな重荷となることから、少子化対策は喫緊の課題の一つであると認識しています。 区の合計特殊出生率は1を下回る状況が続いていますが、出生数については、新宿区次世代育成支援計画をスタートした平成17年の1,969人から、平成27年の2,612人と約1.33倍に増加しています。このことは、区がこれまで「子育てしやすいまち」の実現を目指してさまざまな支援策に取り組んできた結果であると考えています。 また、本年度策定した新宿区人口ビジョンでは、目指すべき将来の方向性の一つとして、「若い世代が安心して子育てをすることができるまち」を掲げています。ここでは、若い世代が安心して働き、希望どおりに結婚、出産、子育てできる環境の整備・充実を図ることにより、出生率を向上させ、将来の少子・高齢化による年齢構成のバランス変化を緩やかなものとし、持続可能なまちとなることを展望しています。区としては、今後も安心して子どもを産み育てやすいまちの実現に向けて、さまざまな施策を強化・拡充してまいります。 ◎健康部長(髙橋郁美) 次に、区が行ってきた検討の内容、独自の不妊治療助成の予定及び支援拡大の必要性についてのお尋ねです。 晩婚化傾向等に伴う不妊は少子化の要因の一つであり、子どもを産みたいと望む区民へのさまざまな支援が必要です。区は、不妊の方々の精神的な側面を支えるために、区内4保健センターで保健師等が相談を受けています。女性の健康支援センターでは、「女性の健康専門相談」として月に1回、女性の産婦人科医等が不妊を初めとする女性の健康についての相談を無料で実施しています。さらに都の特定不妊治療費助成制度の案内も行っております。 区では、不妊治療助成の必要性を検討するに当たって、財政状況を勘案しつつ、他区の動向を注視してきました。現在、23区における不妊治療費助成制度については、特定不妊治療費助成を実施している区が9区、一般不妊治療費助成を実施している区が1区となっており、平成23年と比べて実施区は1区減となっております。区独自の不妊治療費助成や対象者の枠を広げるなどの支援の拡大については、施策としての優先順位などを比較検討する必要があると考えています。 今後、母子保健施策を検討していく中で、不妊の方に対しどのような支援が有効であるのかについて、引き続き検討してまいります。 以上で答弁を終わります。 ◆5番(小野裕次郎) 御答弁ありがとうございました。 出生数は1.3倍に上がっているということですので、またそういう意味では効果が出ている部分もあるのかなと思いますが、いずれにせよ、手厚くそうしたものに対して対策を打っていくことが必要なのかなと思っております。 かくいう私ども夫婦も、現在不妊治療中でございます。そのため、多くの同様の悩みを抱える方々から話を聞く機会が多くございまして、やはり20代、30代の方々、高額の治療費が大きなハードルになっているということが、皆さん口をそろえて悩んでいたということでございます。今後は、こうした悩みを持つ方々がふえるのは明白でございますので、少子化対策、これは2世代目に入ってしまうと、もう打つ手がないと言われていますので、新宿区もこの喫緊の課題にいち早く対策をしていただく、また取り組んでいただくことを強く要望いたしまして、質問を終了させていただきます。 ありがとうございました。(拍手) ○議長(下村治生) 次に、30番ふじ川たかし議員。     〔30番 ふじ川たかし議員登壇、拍手〕 ◆30番(ふじ川たかし) 新宿区民の会のふじ川たかしでございます。 私は、平成28年第1回定例会に当たり、1番、ヘイトスピーチ抑止条例制定、2番、駅近保育施設増設、3番、新宿フリーWi-Fiについて一般質問いたしますので、どうぞ誠意ある御答弁をお願いいたします。 まず、先日台湾南部でマグニチュード6.4の地震が発生し、台南市街で高層マンションが倒壊し、死者116名を含む多くの方が被災されました。台湾は私の妻の故郷でもあり、私も6年半暮らした第二の故郷なので、大変心配しました。先日、日台の親善を図っております「亜東親善協会」の新年会がありまして、募金を募っておりましたので、心ばかりの募金をさせていただきました。被災者の方の御冥福をお祈りいたします。 この事故の原因なんですけれども、昨日、久保議員のほうから、この建物の倒壊の原因として空のドラム缶の話がございましたので、私はこれを割愛させていただきます。 私は、「おおさか維新の会」に所属しておりますので、まず最近の「おおさか維新の会」と「維新の党」の動静を簡単に御報告させていただきます。 昨年末に「おおさか維新の会」と「維新の党」の争いは決着いたしました。「維新」を応援してくださっていらっしゃる皆様、特に昨年の統一地方選において私を応援していただいた方には、この場をおかりして、御迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。今後は、「維新の党」は、関東地域を中心として「民主党」を初めとする野党勢力を結集して政権交代を目指すグループとして活動し、我が「おおさか維新の会」は、関西を中心として、政府の法案に対し対案を提示し、正々堂々とわたり合う対案型野党を目指してまいります。 さて、世界の経済に目を向けてみますと、中国経済は、2015年通期のGDPの伸びが6.9%と、目標7%を割り、年初から上海総合指数が劇下がり、サーキットブレーカーを2日連続して作動したんですが、めちゃめちゃに大混乱し、世界の株安を誘導しました。原油は、中国経済の変調による需要不足に加え、アメリカがイランと核協議で合意に至り経済制裁を解除することに伴って、イランが原油の輸出を開始することも追い風になり、年初から大幅に下がり、1バレル当たり20ドルの半ばを記録しております。これによる世界的な景気減退が懸念されています。一方、アメリカの経済は、FRBがQE3を終了させ、12月のFOMCで金利を上げましたが、1月のFOMCでは金利を上げることはできませんでした。 さて、世界の政治に目を向けてみますと、台湾では1月に総統選挙が行われ、蔡英文、日本語で読みますとサイエイブンですね。民進党の党首が当選いたしました。同時に行われました立法院(これは日本では国会に当たります)の議員の総選挙も行われ、民進党が113議席のうち68議席と過半数を取って勝利しました。民進党が総統と立法院の両方の過半数のポジションを取るのは初めてなので、中国との緊張が増すと考えられ、今後の展開に目が離せません。 アメリカでは、ことし1年かけて大統領選挙が今現在進行中ですが、民主党で初めての女性大統領候補のクリントン氏にサンダース上院議員が肉薄し、接戦になっております。ちなみに、このサンダース上院議員は、教育に関しては大学の授業料まで全て無料でやるといういろいろな法案を立てておりまして、結構賛同するところがあります。共和党の台風の目のトランプ氏、これはかなりユニークな方なんですが、これもクルーズ氏が対抗馬に躍り出てきて混戦状態に今なっております。3月1日のスーパーチューズデーがポイントになると考えられます。 一方、日本では、日経の株価が年初の1万9,000円から下げておりまして、日銀が1月末にマイナス金利を導入し、一旦は持ち直したものの、その後、また下げが続き、一時1万5,000円を切る水準にまでなりました。1万5,000円を切る水準というのは、2013年4月から始まったアベノミクスの金融緩和の効果が上場企業の4割の企業でゼロになったということを意味しております。日本の10月から12月のGDPは、物価変動の影響を除いた実質で前年気マイナス0.4%、通年の前期比でマイナス1.4%となりました。 私が4年間でやり遂げたいと考えている政策の目標は、「ジュク4点セット」を含め7項目ございますが、今回は一丁目一番地の「身を切る改革」についてのみお話しさせていただきます。 昨年の第4回定例会において、人事院勧告に基づき、大多数の地方自治体では議員と職員の給与をふやす条例を批准しましたが、私は党の一丁目一番地の信条に基づいて反対いたしました。 それでは、質問に入らせていただきます。 質問の1番、ヘイトスピーチ抑止条例の制定についてですが、これは、先ほどの日本共産党の沢田議員の質問と全くかぶってしまいましたが、へこたれずに質問させていただきます。 昨年、総務区民委員会の視察で、大阪市役所で大阪市ヘイトスピーチへの対処に関する条例の現状に関してヒアリングを行いました。当時は大阪市では条例制定の最終段階で、いまだ議会では成立しておりませんでしたが、本年1月に成立しました。この条例では、ヘイトスピーチとは、特定の人種や民族の(1)社会排除、(2)権利の制限、(3)憎悪や差別の意識をあおることなどを目的として行われるものや、人を中傷したり身の危険を感じさせる表現活動などが当たるとしています。この条例の被害者からの申告を自治体が受け付け、審査会で内容を調査後、ヘイトスピーチと認定されたときに、それを実施した団体・個人の氏名を自治体のホームページで公開する。それでも改善しない場合には罰則規定も盛り込まれております。 そこで質問です。 我が新宿区でも、2012年当時、大久保地域で何度かヘイトスピーチ行為があり、その後、沈静化しておりますが、いつ何どき再発するか予断を許しません。この条例は、再発に関し抑止力を有しておりまして、条例を制定しておくのはそれなりに効果があると考えられますが、区長のお考えはいかがでしょうか。 質問の2番目です。駅近保育施設増設について。 第三次実行計画では、2020年のオリンピック・パラリンピックをにらんでユニバーサルサービスの充実が盛り込まれております。また、東日本旅客鉄道株式会社では、JR新大久保駅の駅ビルも、やっと新駅舎を建設し、エレベーターを設置することが計画されております。新大久保駅の新設では、敷地面積が今と同じで非常に小さく、保育施設を増設する余裕はございませんが、「待機児童ゼロ」を目指すには駅ナカ、駅近の新設ビル建設時に容積率を緩和し、ビルを建設させ、そのスペースに公共施設、特に保育施設を導入することが非常に効果的であります。 そこで質問です。 駅近ビルの新設時に当区が積極的に関与し、容積率を緩和し、保育施設を導入することを推進できないでしょうか。 質問3番目です。新宿フリーWi-Fi増設について。 当区では、新宿フリーWi-Fiを始めておりますが、そのエリアカバー率は余り進んでいるとは思いません。新宿区第三次実行計画に位置づけられている「新宿フリーWi-Fiの整備等」では、区が管理する公衆アクセスポイントは、2015年度で18カ所の設置にとどまっている上に、2016年度、来年度、わずか6カ所のアクセスポイントの増設にとどまっております。 そこで質問です。 来街者が快適にフリーWi-Fiを活用できるようにするためには、アクセスポイントの設置が十分ではないと思いますが、区では、第三次実行計画が終了した後の2018年以降、2020年に向けて新宿区フリーWi-Fiをどのように整備していくのでしょうか。区長のお考えをお聞かせください。 ◎総務部長(寺田好孝) ふじ川議員の御質問にお答えをいたします。 ヘイトスピーチ抑止条例についてのお尋ねでございます。 御指摘のとおり、大阪市ではヘイトスピーチ規制条例を制定し、市としてヘイトスピーチの定義づけを行い、被害者の申し出により審査会が調査し、ヘイトスピーチと認定した場合、団体名の公表や罰則の規定を盛り込んでいるということは承知してございます。 ヘイトスピーチの抑止につきましては、区として条例を制定するのではなく、国において法律を制定すべきものと考えてございます。現在、国会では規制の対象とすべきものの定義の幅や人権擁護と表現の自由の兼ね合いなど、さまざまな論点にわたっての議論がされているところでございます。この国会での審議を注視してまいります。また、他自治体の取り組みなども引き続き収集するとともに、差別という行為は許されることではないということを啓発してまいります。 新宿に暮らす人も、新宿を訪れる人も、国籍や文化の違いを理解し合い、お互いを思いやる中で社会は成熟していくものと考える次第でございます。今後も安心して快適に過ごすことができるまちづくりを新宿区として目指してまいります。 ◎都市計画部長(新井建也) 次に、駅近保育施設増設についてのお尋ねです。 区では、地域における子育て支援の充実を図るため、保育施設の整備に積極的に取り組み、待機児童の解消を目指しています。平成27年11月には、総合設計制度など都市開発制度を適用する大規模な開発計画について保育施設の面積を容積率の緩和対象としました。また、保育施設の設置要請について、従来300戸以上の共同住宅等に対し要請していたものを、大規模な開発計画や100戸以上の共同住宅等まで対象を拡大しました。この保育施設の容積率緩和や設置要請については駅近ビルに限定したものではありませんが、計画の早い段階から子ども家庭部や都市計画部など庁内関係部署で情報を共有し、連携して保育施設の整備を図り、待機児童解消に取り組んでまいります。 ◎地域文化部長(加賀美秋彦) 新宿フリーWi-Fiのアクセスポイント増設についてのお尋ねです。 第三次実行計画においては、区内主要駅周辺地域へのWi-Fi用アクセスポイントの設置を14基、民間の既設のアクセスポイントの新宿フリーWi-Fiへの設定変更200基、それぞれ目標として掲げ、加えて商店会等によるアクセスポイントの設置支援を12基予定しており、取り組みを進めてまいります。 第三次実行計画終了後についても、接続環境や利用者からのニーズなどを把握した上で、東京オリンピック・パラリンピックに向け、広く官民連携しながら効果的・効率的にアクセスポイントの整備を進め、「国際観光都市新宿のブランド力の向上」に努めてまいります。 以上で答弁を終わります。 ◆30番(ふじ川たかし) 御丁寧な答弁、ありがとうございました。これで私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(下村治生) 次に、27番吉住はるお議員。     〔27番 吉住はるお議員登壇、拍手〕 ◆27番(吉住はるお) 自民党・無所属クラブの吉住はるおです。 新宿区の将来人口推計と人口ビジョンについて一般質問いたします。どうぞよろしくお願いいたします。 国の将来人口推計は、国が行うさまざまな推計の中でも比較的精度が高いという話を耳にしたことがあります。また、各地方自治体が独自に行う将来人口推計についても同様に、公的な推計として漠然と高い信頼を置いている方も少なくないのではないでしょうか。 国の総人口の将来推計を行う場合、現状の日本のように国際人口移動率が比較的低く、また、その変動が小さい状況が続く場合、世界的にも信頼性が高いと言われる国勢調査の数値から導き出された将来の出生率、死亡率等のトレンド、仮定値を利用して、近未来の日本の総人口を予測することはそんなに難しいことではないのかもしれません。 国立社会保障・人口問題研究所--以下、社人研といいますが--は、5年に1度の国勢調査の結果をもとに日本の将来人口を推計していて、この推計値が一般的に日本の将来推計人口として使われています。 国では、平成26年末、「まち・ひと・しごと創生法」に基づき、日本の人口の現状と将来展望を示す、「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」と、それを踏まえた今後5カ年の施策の方向性を示す「まち・ひと・しごと創生総合戦略」が策定され、それを受けて、地方自治体においても「地方人口ビジョン」と「地方版総合戦略」の策定が求められました。このようなことからも、東京都を初め多くの特別区において、人口の動向分析や将来人口を独自に推計し、その結果を公表しています。また、人口ビジョンの推計方法としては、まち・ひと・しごと創生本部事務局が出した情報提供資料においても、社人研と同じコーホート要因法が紹介されており、他の特別区では一部将来人口推計を独自で行っていない、または作成中の区もあるようですが、東京都を初め、既に将来人口推計を独自に行ったほとんどの区が基本的にはコーホート要因法を用いて各区の人口変動のトレンドを純移動率に反映するなどして推計を行っているようです。 東京都が2010年の国勢調査をもとに2012年に行った将来推計人口の結果を見ると、東京都の人口は、今後しばらくは増加を続けるものの、2020年の1,335万人をピークに減少に転じるとしています。そこで、東京都の2016年1月現在の推計人口を見ると、東京都の総人口が1,350万7,000人となっていて、既に将来人口推計の1,335万人という2020年の数値を大きく上回っていることがわかります。 新宿区においては、本年1月に新宿区人口ビジョンを作成し公表しています。また、もともと新宿自治創造研究所--以下、新宿自治創研といいますが--において、人口の現状分析や将来人口推計を行い、多くの人口に関係するレポートが公表されています。新宿区の将来人口推計は、将来の住宅供給を考慮したコーホート・シェア延長法により独自推計しているとのことです。新宿区人口ビジョンなどにある説明によると、あるコーホート、同時期の出生集団の全国人口のうち、ある地域に居住する人口の割合をコーホート・シェアと呼び、コーホート・シェア延長法は、コーホート・シェアの将来値を一定のルールによって延長し、社人研の全国将来人口推計の結果に落とし込むもので、全国の人口動向を反映した推計手法とのことです。 参考までに、その推計結果のうち最も中間的なシナリオを申し上げると、2012年に32.6万人だった総人口はしばらく増加が続き、2030年には37.3万人でピークを迎え、2035年まで維持し、その後、減少し、2060年には33.9万人になるものの、2010年の人口を上回ることになります。 公的な将来人口推計とは、以下、社人研の平成24年の将来推計人口の解説を一部引用しますが、「国や自治体などによる制度設計や施策立案の基礎資料として用いられるのを初め、さまざまな分野で利用されるため、それは特別な意図や考え方に基づいて策定されることは望ましくなく、可能な限り恣意性を廃し、客観性、中立性を保つことが求められ、そのためには、可能な限り正確なデータを用い、科学的な手法によって推計を行うことが必要である。その一方で、将来推計人口は、将来の社会経済の計画を立てる上で基礎となるものであるから、当たることが最も重要な特質なのではないかという見方もあるが、人口動態を含め、社会科学が対象とする事象について予測を行うということは、未来を言い当てるという種類の予測、すなわち天気予報をすることとは異なり、社会経済は人間が変えていくものであるから、現在において定まった未来というものは存在しないので、科学的にそれを言い当てるという行為もあり得ない。したがって、一般に社会科学における将来人口推計を含む科学的予測とは、結果として将来を言い当てることに役割があるのではなく、科学的妥当性のある前提のもとに、今後に何が起こり得るかを示す機能としている。」とのことです。 そこで、1つ目の質問ですが、先ほどの社人研の解説では、公的な既存の将来人口推計において、以下、主に3つの理由から社会経済要因などを明示的に含めることは行われていないとしています。 第1に、多数ある社会経済要因を全て取り入れることはできないので、要因の選択が必要となるか。この際に要因の選別から生じる恣意性は、公的な将来人口推計の要件である客観性、中立性と相入れない。 第2に、現在、人口動態事象といかなる社会経済変数の間にも十分に普遍的な定量モデルは確立されていない。 第3に、社会経済変化を人口変化に反映させるということは、その社会経済変化の将来推計を行わなくてはならないが、通常、これを十分な精度で行うことは、人口変数の投影を単独で行うよりはるかに困難である。 以上の問題が解決しない限り、社会経済変化を明示的に将来人口推計に取り入れることは、必ずしも推計の目的に寄与しないと考えられるとしています。 新宿区の将来人口推計の場合、コーホート・シェア延長法を基本として用い、近年のコーホートのシェアが過去のシェア変動パターンから大きく変化しているため、将来コーホート・シェアを設定することが困難になり、独自の推計手法である「住宅・人口モデル」を用い補正しているとのことです。しかし、台東区のように集合住宅建設による人口増加を一時的なインパクトとして捉え、純移動率の算出において増加分を除外しているケースもあるようですし、総務省が行った2013年住宅・土地統計調査の結果によると、新宿区には、居住者のいない、いわゆる空き家が2万8,560戸もあり、その数は年々増加傾向にあります。そして今、豊島区などの幾つかの自治体においては、空き家を活用したリノベーションまちづくりを推進するなど、今後、住宅という意味では、単純に新規に建てられた集合住宅などだけが人口増の要因になるとは言い切れないと思います。 住宅供給とは、将来の景気動向に左右される社会経済要因であり、先ほどの指摘にもあるように、見方によっては公的な推計としては十分ではないとも考えられます。また、ほかの特別区の将来人口推計においても、幾つかのパターンの中に純移動率の仮定値を設定する際、地方創生事業の成功により、東京への一極集中がとまり社会増が減るなどの社会経済要因や政策要因を勘案している区もあるようですが、仮定値については、その推計結果を利用する多くの人、つまり区民に納得してもらうことが重要であり、このような推計方法のほうが理解しやすいようにも感じます。 新宿区の人口ビジョンの冊子では、最後のほうに参考資料として社人研や日本創成会議による新宿区推計と新宿区基準推計との比較を載せて一定の工夫はしていただいていますが、今後、新宿区においても、他の多くの特別区が採用しているコーホート要因法を基本として用いた独自推計もパターンの一つとして採用したほうが区民が理解しやすいという点からも、他区との比較検討がしやすいという点からもよいのではないかと考えますが、区の御見解をお答えください。 第2の質問として、国勢調査のデータによると、新宿区の総人口は2000年以降、過去5年間の人口増加率が6%以上の増加が続き、日本人人口についても2000年から2005年まで総人口と同程度の人口増加率であったが、2005年から2010年は傾向が変わり、総人口は増加するものの、日本人人口はわずかに減少し、外国人人口は2005年が1万6,457人であったのが、5年間で2万5,742人、56.4%の増となり、国籍不詳人口が1,908人であったのが1万4,169人となり、外国人人口と国籍不詳人口が大幅に増加し、新宿区の人口増の主な要因となっています。 2011年から2017年の人口動向を住民基本台帳や外国人登録を参考に追ってみると、その後は日本人についても人口増加傾向となり、外国人については東日本大震災のあった2011年の翌年に大幅に人口が減少するものの、その後、増加傾向が続き、現在では大震災以前の数を上回っていると思われます。 新宿区人口ビジョンに記載があるように、新宿区は外国人人口、割合ともに全国の市区町村に比べてかなり上位に位置し、これまで見てきたように、新宿区の人口増加傾向は外国人人口の増加が大きな要因の一つだと考えられる以上、客観的な現状分析と将来予測を行うためには、港区や品川区などの自治体と同様に外国人の将来人口推計も行うべきと考えますが、区の御見解をお答えください。 第3の質問として、新宿区の人口動向の大きな特徴としては、人口の流動性が高いことが挙げられます。2014年度新宿自治創研レポートを引用すると、「新宿区は、転出入数ともに10歳代後半から30歳代に集中しており、非常に人口移動が活発であり、新宿区の人口増加を支える転入超過もこの年齢層にほぼ限定されている。2013年の1年間の移動を見ると、15歳から19歳と20歳から24歳の人口移動では外国人が半数を超えている。また、現住者の居住期間は、20歳から24歳では「3年未満」が3分の2程度と短期である一方で、65歳から69歳では「30年以上」が半分以上であり、加齢に伴って長くなる傾向がある。」また、2013年1年間の減少した異動者の居住期間は「5年未満」が7割以上、20歳から24歳では「3年未満」が8割以上となっており、若年層の流動性が非常に高いとのことです。新宿区の人口増加傾向、トレンドは、非常に流動性の高い若年層の増加が大きな要因であるようです。 今、新宿区においても、介護予防・日常生活支援総合事業や地域包括ケアシステムの確立、また核家族化の進行に伴うあらゆる子育て世帯への支援などにおいても、地域に根差した町会等の住民組織やボランティア団体の活動が大きく期待されています。今後しばらくの間、新宿区の人口増加が非常に流動性が高い若年人口に支えられるとすれば、研究所レポートにも指摘があるとおり、活発な人口移動とは住民の入れかわりの激しさをあらわしており、新規住民の継続的な発生が地域コミュニティの形成を困難にするなど、課題を生じさせることにもつながると考えられ、町会やボランティア活動の停滞が心配されます。新宿区においては、このような課題について今後どのように取り組んでいかれるのか、御所見をお聞かせください。 また、今後、流動性の高い若年人口が多いという新宿区の人口構成の傾向がより拡大した場合、区税や国民健康保険料の収入には何らかの影響が考えられるのか、もし影響があると考えられるのであれば、区としてはどのように対応されるのか、お答えください。 以上、御答弁をお願いいたします。 ◎総合政策部長(針谷弘志) 吉住議員の御質問にお答えします。 新宿区の将来人口推計と人口ビジョンについてのお尋ねです。 初めに、将来人口推計の手法についてです。 人口推計手法として従来から用いられているものには、「コーホート変化率法」や「コーホート要因法」があります。「コーホート変化率法」は、年齢別人口増加率をパラメータとして設定する手法で、比較的人口動態の安定している期間の推計を行う場合に適していると言われており、新宿区のように人口構造に大きな変化を迎えている局面には適さないとされています。また、「コーホート要因法」は、出生率や生存率、純移動率をパラメータとして仮定して推計を行うもので、推計結果を左右する純移動率の設定が難しいとされています。 近年の人口動向をもとに「コーホート要因法」を用いて区の将来人口を推計した場合、長期にわたり人口増加が継続してしまうこととなり、国全体で人口減少社会に突入している現実の人口動向と大きくかい離する試算となります。このため、新宿自治創造研究所は、既存の手法の弱点を補う「コーホート・シェア延長法」に基づいた推計を行っています。コーホート・シェア延長法は、同時期に生まれた集団であるコーホートごとの全国人口に占める区の人口割合を求め、その傾向パターンが将来も続くと仮定し、全国人口の推計の結果を反映するものですが、さらにこれまでの過去の国勢調査データ等を分析し、人口増減と関連性の高い住宅数に将来仮定値を設定し、推計を補正しています。 御指摘のように、将来推計人口は自治体等の制度設計や施策立案の基礎資料等に用いられるものです。今後、新たな国勢調査結果の公表に合わせて区の将来人口推計を行う予定ですが、国勢調査データ等が示す事象を十分に読み取るなど、詳細な分析を行い、推計手法についても検討してまいります。 次に、外国人の将来人口推計についてです。 御指摘のとおり、国勢調査の外国人人口は、2005年の1万6,457人から2010年には2万5,742人となり、わずか5年間で56.4%もの急激な増加を示しました。また、2010年の国勢調査では国籍不詳人口が1万4,169人となっており、単純な比較はできませんが、2010年から2015年の各年10月1日現在の外国人人口を外国人登録または住民基本台帳で見ると、2010年は3万5,702人、以降3万3,372人、3万2,719人、3万3,445人、3万5,510人、3万7,861人となっています。わずか5年の間に8.4%減少し、その後、それを上回る15.8%という大きな増加がありました。これは2011年の東日本大震災等が大きく影響を与えたものと考えますが、これまでも1980年代の留学生受け入れ10万人計画やバブル経済の影響、経済等のグローバル化の進展に伴う就労や就学の在留資格拡大など、社会情勢や国際情勢によって外国人人口は大きく変動してきました。 このように、外国人の人口動向は予測が難しいことから、区では、総人口の中に含める形で将来推計人口を算出してきましたが、引き続き外国人の人口動向を注視するとともに、そのトレンドを捉えるための人口推計手法についても研究してまいります。 ◎地域文化部長(加賀美秋彦) 次に、流動性が高い若年人口への地域コミュニティ形成に向けた取り組みについてのお尋ねです。 平成26年12月に新宿区町会連合会と東京都宅地建物取引業協会新宿区支部及び全日本不動産協会東京都本部新宿支部と区で、町会加入促進に向けた協定を結び、不動産業者向けの研修会などで意識向上を図り、不動産契約時に加入を呼びかけていただいております。 平成28年に入ってからは、支部の役員会などに区の職員が出席し、新宿区町会連合会が編集した集合住宅入居者向けのパンフレット「地縁いきいき」を紹介し、不動産業者の皆さんに、流動性が高い若年層が最初に地域コミュニティにかかわる窓口として、町会・自治会の活動を説明していただくよう依頼してきました。今後、会報や研修会などで、この「地縁いきいき」を活用し、町会・自治会活動をPRしていただけるとのことです。 区としては、平成28年度から新たにマンション向けに地元町会を紹介するパンフレットを作成します。地域コミュニティに参加する若者がふえ、地域活動がより活性化するよう、引き続き町会・自治会への加入促進支援を行ってまいります。 ◎総務部長(寺田好孝) 次に、流動性の高い若年人口の多い傾向がこれより拡大した場合に、特別区民税や国民健康保険料の収入への影響についてのお尋ねでございます。 まず、特別区民税につきましては、平成27年度の当初課税時、この納税義務者の所得金額が1,000万円以上の高額所得者の課税額は全体の44%を占めており、高額所得者層が特別区民税収入の多くを支えているという状況がわかります。この高額所得者の課税額のうち、30歳未満の若年層が占める割合というのが1%にも満たないという点があります。したがいまして、若年人口が拡大した場合でも、今のところ現段階では特別区民税収入全体では大勢に影響はないものと考えております。 一方で、特別区民税収入を的確に見込むことは大変重要であると考えてございます。納税義務者の人口構成を初め、景気の影響を大きく受ける区民総所得金額の変動、高額所得者の動向を注視しつつ、将来の特別区民税収入見込みを的確に行ってまいります。 次に、国民健康保険料についてでございますが、平成26年度決算の不納欠損額のうち、区外転出後、徴収困難になったものが全体の約26%を占めてございます。このことから、人口の流動性が高いということは国民健康保険料の収納率に影響があるものと考えております。このため、国民健康保険料電話催告センターから早期の納付勧奨を実施しているところでございます。さらに、転出先にも催告書を送付し、それでも納付に至らないケースにつきましては、財産調査を行いまして適切に滞納処分を執行するなど、収納率向上を目指した取り組みを強化しております。 今後とも、区の人口動向に十分留意しながら、特別区民税や国民健康保険料収入の早期確保に努めてまいります。 以上で答弁を終わります。 ◆27番(吉住はるお) 御答弁ありがとうございました。 人口ビジョンというのは、人口の現状分析を行い、人口に関する住民の認識を共有し、目指すべき人口の将来展望と必要な施策の方向性を示すものだということです。これからの新宿区がさまざまな施策を推進する上においても、人口に関する区民の認識の共有を行うということも非常に重要だというふうに考えますので、申し添えさせていただきます。 御清聴まことにありがとうございました。(拍手) ○議長(下村治生) ここで、議事進行の都合により休憩します。 △休憩 午後3時05分--------------------------------------- △再開 午後3時20分 ○議長(下村治生) ただいまから会議を再開します。 質問を続行します。 次に、31番近藤なつ子議員。     〔31番 近藤なつ子議員登壇、拍手〕 ◆31番(近藤なつ子) 日本共産党区議団の近藤なつ子です。 弁天町コーポラスについて一般質問します。 東京都から移管された早稲田南町の3つの区営住宅の建てかえによる弁天町コーポラスへの移転が昨年6月末に完了しました。最終的に73戸中61世帯が移転しました。私は、事前の住民説明会に参加し、入居後も居住者の方からお話を伺い、相談を受けてきました。エレベーターもあるし、本当によかったという声を聞く一方で、部屋のタイプや人数によっては苦情も多く、幾つもの問題が浮かび上がってきました。 第1に、区の世帯別入居基準の判断、部屋の決め方についてです。 区は、今回の建てかえで早稲田南町の2DK、約36平方メートルの第1アパート、3DK、約42平方メートルの第2、第3アパートの住民の居住水準の向上を図ることを目指すとしていました。これまでは、同じアパートであれば部屋の大きさはほとんど同じでしたが、今回、区は、都営住宅の建てかえの際に実施している世帯人数を反映する型別タイプを計画しました。小タイプは1人から2人用として、1K、35平方メートル10戸と、1DKの35平方メートル10戸、中タイプとして1人から3人以上を可とする約40平方メートルの2K20戸と、約42平方メートルから43平方メートルの1DK18戸、そして2人以上の入居が可とする大タイプ、約53平方メートル15戸、計73戸という内容でした。 転居当時の世帯構成は、1人世帯が27組、2人世帯が23組、3人世帯が9組、4人世帯が1組、5人世帯が1組ですから、3人以上の11世帯が全て大タイプに入居するようにし、順次2人世帯、1人世帯と部屋を決めていけばほとんど問題はなかったはずです。都営住宅の建てかえでは、事前に内覧をした上で、多人数世帯から順次抽せんをします。ところが、弁天町の場合、図面のみの参照で、世帯数ごとに入居が可能な部屋の中から一斉に希望を受け付け抽せんを行いました。当然2人以上も可能な大タイプや大き目の中タイプは希望が多く抽せんになり、3人世帯4組、4人世帯1組が、抽せんに外れた方を含め、中タイプの2Kに4人世帯を含む4世帯、1DKに1世帯を入居させてしまったのは明らかな失敗です。何度聞いても合点がいきません。どうして多人数世帯から順次決めなかったのか、このような抽せんを実施したのか、反省しているのか、お答えください。 第2に、なぜ「内覧・下見」という当たり前の手続をしなかったのかということです。 不動産業者では、お客さんに部屋の情報を正確につかんでもらい、そごをなくすため、図面と同時に、よほどのことがない限り内覧を行い説明しています。仮に提示した情報が違っていた場合には、契約を解除され、引っ越し代等を返金することもあるそうです。都営住宅でも、転居の際、抽せんの対象の住宅は幾つも見せてくれます。それだけ部屋を決めるというのは大きなことなのです。 住民は、建設中の一昨年12月に内覧なしで部屋を決めるということを余儀なくされ、その後も再三にわたり内覧を要望していたのに拒まれていたのです。内覧を実施しなかった結果、引っ越し後に支障を来す世帯が出てしまいました。引っ越しをするという段階で、ほとんどの人が愛着のある家財や服や本などを捨ててきました。内覧をしないかわりに、「ミリ単位で数字を示した」と区は言っていましたが、図面で記載されている数字は壁の中心、いわゆる壁芯からの寸法で、住民が本当に知りたい部屋の内側の寸法ではありませんでした。冷蔵庫が指定の場所に入らない、既成のカーテンはツンツルテンで使えなかったなど、持ち込んだほとんどのものを捨てて買いかえざるを得なかったというのも、結局、内覧ができず、必要な寸法さえ図面に記載されていなかったからです。 また、細長く変形している部屋や2Kのキッチンの狭さなども困難の原因となっています。引っ越し後の出費が50万円という方もいました。その方以外にも、引っ越し後に想定外で10万円前後の出費をした方が何人もいます。区は責任を感じているのでしょうか。引っ越しに当たって必要な情報提供をしなかった区の責任は重大です。だからこそ、昨年4月30日に首都圏不燃建築公社から引き渡された後、多少引っ越しの時期をおくらせてでも内覧を行えば、少なくとも不要なものを運ばなくても済んだはずです。なぜ内覧を行わなかったのか。住民が想定外にこうむった精神的・物理的・経済的負担をどのように受けとめて、どう対処しようとしているのか、お聞かせください。 第3に、今回の転居に関するアンケートを住民にとることについてです。 引っ越しに関する区からの費用が妥当なものであったのか、部屋の決め方はどうだったのか、内覧をしなくて大丈夫だったのか、現在困っていることはないのか、転居やリフォームの希望の有無など、アンケートを実施し、住民の実態を把握した上で、住民の要望に沿った対応をし、今後に活かすべきです。いかがですか。 第4に、真の居住水準向上のために、転宅または部屋の改善をすることです。 約40平方メートル、2Kの中タイプは、壁の厚みを考えると実際には39平方メートル未満です。都営住宅の入居者の場合、4人世帯で50平方メートル未満、3人世帯で39平方メートル未満なら狭小な住宅と認定され、他の公営住宅に申し込みができるのです。この面積水準は住生活基本計画における最低居住面積水準とほぼ同じですから、2Kに入っている3人以上の4世帯は、この水準を満たしていないということです。もちろん、1DKの3人世帯も大きな違いはありません。区の失策によって不利益をこうむっている3人以上の5世帯には、住民ともよく相談し、適切な住宅を区から責任を持って用意すべきです。 私がこの間相談を受けてきた、2Kに住む親子2人の方は、「住み心地が悪く、ここに住んでいる限りノイローゼが悪化し、どうにかなりそう」と不安を訴えています。区として住民へのアンケートを行った上で、転宅やリフォームの希望があった場合、要望に沿うべきと思いますが、いかがですか。 転宅の希望をかなえるには、今ある区営住宅のストックだけでは不足するかもしれません。現在閉鎖管理している早稲田南町アパートは、エレベーターはつけられませんが、リフォームして転居可能な住宅にすることはできるはずです。また、区内の建てかえを行った百人町、弁天町、若松の都営住宅には、さらなる建てかえの住みかえ用に、いわゆる事業用の住宅が空き家としてあります。若松アパートの1、2号棟の建てかえが昨年12月に完了し、現在約80戸の空き家があります。弁天町、百人町のアパートを合わせれば、2月時点で約280戸の事業用の空き家が存在します。東京都と協議し、転宅の候補になるよう要望してはいかがでしょうか。お答えください。 第5に、今後申し込みの住宅公募基準を改善することについてです。 35平方メートルの小タイプ、約40平方メートルの2Kの中タイプは単身用とすべきです。実際、2人で2Kに半年余り生活している方から、使いづらいと悲鳴が出ています。区は、昨年5月に小タイプを2人以上の一般世帯対象に12戸公募しましたが、6世帯も辞退しています。面積だけで見れば36.4平方メートルの第1アパートとそう変わらないように見えますが、弁天町コーポラスは壁が厚く、また従前のアパートと比べ、トイレ、洗面所、お風呂などの空間が広い分、居住面積が小さくなっています。区は、ここで2人世帯が快適に生活できるとお考えでしょうか。区営住宅の単身用の公募はとても少なく、優先制度を実施しているほどです。この際、単身用に切りかえ公募を行うべきです。見解をお聞かせください。 ◎都市計画部長(新井建也) 近藤議員の御質問にお答えします。 弁天町コーポラスについてのお尋ねです。 初めに、区の世帯別入居基準の判断、部屋の決め方についてです。 弁天町コーポラスは、老朽化した早稲田南町アパート、早稲田南町第2アパート及び早稲田南町第3アパートの再編整備のため新たに建設したものです。これら3住宅の入居者の部屋を決めるに当たり、入居者の実情を把握するためアンケート調査を実施しました。その結果、広さを重視した世帯と使用料を重視した世帯が同程度になりました。このため、多人数世帯から順次決めるのではなく、1人世帯は大タイプを、3人以上の世帯は小タイプをそれぞれ希望できないこととし、3人以上世帯には抽せん番号を2つ付与するという一定の優遇措置を設けた上で、重複して希望する個々の住戸ごとに抽せんを行いました。このような部屋の決め方については、入居者説明会を開催して了承を得るとともに、相談窓口を開設して丁寧な対応に努めてきたことから、適切なものであったと考えています。 次に、内覧・下見についてのお尋ねです。 弁天町コーポラスへの入居者の移転に当たっては、建設工事完了後に速やかに移転できるよう、工事中に部屋決めを実施しました。そのため、内覧・下見は行いませんでしたが、早目に入居者説明を複数回開催しました。その際には、工事中であることから、部屋の平面図には壁芯寸法で表示するとともに、寸法の注意を記載した上で説明しました。 また、入居に当たっての部屋決めや部屋の寸法、移転に要する費用など、入居者の不安に対しては、相談窓口を開設し個々の相談に丁寧に対応することで、入居者の精神的・物理的・経済的負担の軽減に努めてまいりました。 次に、転居に関するアンケートの実施及び転宅または部屋の改善についてのお尋ねです。 区からの移転費用については、東京都や補償基準等を踏まえたものであり、適正かつ妥当なものであると考えています。 部屋決めや内覧を行わなかったことについては、入居者に適切に説明を行ったものであり、また、現在困っていることや転宅・リフォーム希望については、実際の生活に著しく不便が生じている場合には個別に対応してまいりますので、アンケート調査を行うことは考えていません。これまで移転の中でいただいた御意見、御要望については参考にしてまいります。 旧早稲田南町アパートは、既に区営住宅としての用途を廃止しており、御指摘のような転宅先にすることは考えておりません。 また、都営住宅については、東京都が主体として管理運営を行っていることから、御指摘のような転宅の候補先として東京都に要望することは考えていません。 次に、住宅公募基準の改善についてのお尋ねです。 弁天町コーポラスでは、単身向けではなく、全て一般向けとして募集しています。平成27年5月の募集では、小タイプ12戸を募集したところ、補欠者を含め辞退者が6名発生したため、1戸が埋まりませんでした。これに入居予定者が転出して空き家となった中タイプ1戸を合わせた2戸について、11月に募集しました。その結果、小タイプに6世帯、中タイプに46世帯の応募があり、当せんした方に今後入居していただく予定です。 公募の際には、募集案内に間取り図、階数及び専用面積を明記し、抽せんで当せんした方には現地の内覧や設備などを説明した上で入居していただくことになっています。したがって、補欠者枠数の設定に工夫してまいりますが、小タイプと中タイプの部屋は一般世帯向けとして適切なものであることから、単身者向けに変更することは現時点で考えておりません。 以上で答弁を終わります。 ◆31番(近藤なつ子) ただいま御答弁いただきましたが、到底納得できる回答とは言えないというふうに思います。私、先ほど質問でも言いましたが、説明会にもできる限り出席をしました。そこで相当な方が要望してきたことが、きょう、今回質問した中身です。ほかにもたくさんの問題をはらんでいますが、個別にといって対応されたのは、引っ越し代の費用を後に払うものを先に払うとか、そういったことは一定やられましたが、本質的なことを変えるということはほとんどなかったというふうに思います。 私は、この転居というのは本人たちの希望で行われたものではなく、まさに区の施策として行ったものという中で、人を物のように右から左へと移すことでよしとする、こういう対応では、やはり区の責任は果たせないというふうに思っていますので、また引き続き質疑はしたいと思いますが、残念ながら今回の予算特別委員会には入る予定ではございませんので、一定は同僚の議員からも質問があると思いますが、引き続き住民の皆さんと一緒に、この問題は対応していきたいというふうに思っています。 以上で質問は終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(下村治生) 次に、6番三雲崇正議員。     〔6番 三雲崇正議員登壇、拍手〕 ◆6番(三雲崇正) 民主党・無所属クラブの三雲崇正です。 「新宿区における子どもの貧困対策、居場所づくりへの取組み」についてお尋ねします。 平成25年の国民生活基礎調査の結果、我が国の子どもの貧困率が16.3%であり、OECD加盟国の中でも下位にあるとの事実が衝撃を持って報じられてから、子どもの貧困への対応や、その健全な成長にとって不可欠な人との触れ合いを可能にする居場所づくりの重要性が、社会において広く認識されるようになってきました。 その中で、地域において子どもたちの置かれた状況を改善しようという、「子ども食堂」と呼ばれる子どもの居場所づくりに注目が集まっています。最近では、都内を中心とする13の区や自治体で「子ども食堂」を運営する団体が連携し、「こども食堂ネットワーク」を立ち上げ、子どもの居場所づくりの輪を広げる活動も行っています。 私は、そのような団体の幾つかを訪問し、話を伺いましたが、「子ども食堂」には、貧困に直面し、食事を満足に食べられない子どもだけでなく、保護者が夕方以降も就労しており、一人で食事をする「孤食」の環境にある子どもやひきこもりの子、さらにはそういった子どもの友人など、さまざまな子どもたちが集まってボランティアと一緒に食事の準備や後片付けをしたり、宿題を見てもらったり、雑談をしたりと、子どもにとって地域の大人と触れ合い学ぶ場となっていることがわかります。しばしば「地域で子どもを育てる環境」の重要性が指摘されますが、「子ども食堂」には、欠食児童の支援にとどまらない幅広い効用が期待できると思われます。 ここで伺います。 新宿区においても、他の区市町村と同様、子どもの貧困対策や居場所づくりの取り組みが必要ではないかと考えますが、「子ども食堂」についてどのような認識をお持ちでしょうか。 また、自治体の中には、このような居場所づくりを支援する動きも出ています。例えば東京都は、「子どもに対して学習支援や食事の提供等を行う居場所の創設を支援する」ための予算を確保し、北九州市や堺市では、来年度から民間団体に委託して「子ども食堂」を開設する予定とのことです。区長の基本方針や来年度予算案において「子ども食堂」に関する言及はありませんが、新宿区として今後、区内における子どもの居場所づくりや、「子ども食堂」などに対し東京都のように支援を行ったり、あるいは北九州市や堺市のように委託などを通じて運営に関与することを検討されていますでしょうか。 これに関連し、本区において来年度、「子ども未来基金」を創設し、「未来を担う子どもの育ちを支援する活動を自主的に行う区民・団体等」に助成を行うこととしたことは、助成の対象を子どもの貧困対策に限定していないものの、子どもの居場所づくりや「子ども食堂」に対する支援を可能にする仕組みとして高く評価されるべきものと考えます。 ただし、子どもの居場所づくりを行う団体が活動を始める際、「お金」や「人手」も重要ですが、場所の確保も相当苦労するようです。民家の提供を受けたものの手狭であったり、ある程度の広さの民間のキッチンを時間貸しで利用するものの、賃料の支出に悩んだりといった例を聞きます。このような視点で見た場合、自治体が可能な支援として、金銭的な助成にとどまらず公有施設の提供も検討しているのではないかと思われます。実際に旭川市の「子ども食堂」では、公民館が共催する形で施設の提供を行っています。 本区にも、子どもの居場所づくりを行う団体に提供可能な区有施設があるように思われます。学童クラブ、学校の家庭科室、地域センターなど、キッチンを持つ施設の全てが一様に提供可能であるとは思いませんが、個別の条件によっては時間を限って提供可能なものもあるのではないでしょうか。 区長は、昨年11月の定例会において、かわの議員の質問に対する答弁で、子どもの貧困問題に取り組むNPO等の団体との連携について言及されました。地域で子どもを育てる環境をつくるためには、「未来を担う子どもの育ちを支援する活動を自主的に行う区民・団体等」に対して、基金による助成にとどまらない支援を行うことが重要です。区有施設の有効活用の視点からも、活動場所の提供は十分検討に値すると考えます。区の見解を伺います。 ◎子ども家庭部長(吉村晴美) 三雲議員の御質問にお答えいたします。 新宿区における子どもの貧困対策、居場所づくりへの取り組みについてのお尋ねです。 まず、子ども食堂についてどのような認識を持っているかについてです。 本年1月に豊島区で開催された「子ども食堂サミット」がテレビなどで大きく取り上げられましたが、当区においても複数の個人・団体から、子ども食堂を始めたいとの相談が寄せられています。また、区内で学習支援事業を行っていたNPOが新たに給食サービスを追加するなどの動きも出ています。 こうした活動は、子どもの栄養改善や学習意欲の向上という効果に加え、孤立しがちな貧困家庭の身近な場所に安心できる居場所を提供するという地域支え合いの活動としても大変有意義なものであると考えます。 次に、子どもの居場所づくりや子ども食堂への支援についてです。 東京都の「子供の居場所創設事業」は、都内4カ所で区市町村が行う事業に対して補助を行うとしていますが、今後、詳細が示された際に検討していく予定です。 また、民間団体に委託して実施することについては、こうした活動が地域のボランティアによる自主的な活動として柔軟に運営がされることが意義があると考えています。そのため、子ども未来基金の助成は、それぞれの団体等が必要としている使徒に助成できるよう、使い勝手のよい制度の組み立てを行ってまいります。 次に、活動場所の提供についてです。 これから活動を始めようとされている皆さんのお話を伺うと、活動場所の課題が挙げられます。活動場所としての区有施設の活用については、地域センター等で行われている高齢者への食事サービスや子どもの料理教室等も参考に検討してまいります。 以上で答弁を終わります。 ◆6番(三雲崇正) 昨日来の区長の御答弁もそうでしたけれども、子どもの貧困に取り組もうという区の積極的な姿勢が伺われる答弁をいただきまして、大変心強く感じております。 子ども食堂の場所の問題というのは、私も区内外の方々から、子ども食堂を始めたいんだけれども、どうしてもうまくいかないという話を何度も伺っております。区有施設、特に地域センターのキッチンは、その点で非常に有力な手段じゃないかというふうに思っているんですけれども、地域センターを管轄している生涯学習コミュニティ課と、子どもの貧困に中心的に取り組んでいる子ども家庭課の間で上手に連携をとっていただければというふうに思っております。特に現状では、ある団体が地域センターのキッチンを利用しようとすると、団体登録した上で2カ月前の抽せんをする必要があるということで、これでは定期的な子ども食堂の開催は難しいということになりますので、一般的な登録団体と違う取り扱いをする必要が出てくるんじゃないかと。ただ、これには地域の方々の御理解も必要になってくると思いますので、全庁一体となって、また地域の方々と連携して、子どもの未来のための活動を地域でやっていただきたいというふうに思っております。 これで質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手) ○議長(下村治生) 次に、28番えのき秀隆議員。     〔28番 えのき秀隆議員登壇、拍手〕 ◆28番(えのき秀隆) 新宿区民の会のえのき秀隆です。 今回は、災害時の情報通信のあり方について伺います。 まずは、今月発生した台湾南部の地震に対し、亡くなられた方への御冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた方に対しお見舞い申し上げます。 さて、我が国は、阪神大震災、東日本大震災を初め、震災のみならずさまざまな災害に見舞われてきました。国民は、そのたび英知と工夫をもって災害を乗り越えてきたと言えます。当然、それぞれの災害において教訓を得て、次なる災害に備えるという、いわゆる減災社会の構築という取り組みも行ってきたわけですが、昨今の異常気象や天変地異は、我々の想像や想定を超える事態をもたらし、災害への対応に苦慮しているというのが現状でしょう。 減災社会の構築のためには、一つは災害発生前の対応をどうするか、もう一つは災害発生後の対応をどうするか、この2点をしっかりと捉えておくことが大切と言えます。今回は、特に情報化社会の中においてSNSを活用した災害対応について伺います。したがって、どちらかといえば災害発生後の対処についてということになります。 災害発生後、まちの中で生ずる事態の情報把握、情報共有は、より被害を少なくするために役立てられなければなりません。リアルタイムで変化する情勢に対して、効果的な災害対応を行い、被害拡大抑止に努め、被災した混乱状況の収束を早めるために情報共有は大切です。特に我が区は、東京都という枠組みの中でも東京都庁所在地でもあり、大きな損害を出せば、その影響ははかり知れません。現在発達した情報通信ツールをしっかりと活用して、来るべき災害を克服し、将来の子どもたちにも安全で安心の新宿区をつないでいく必要があります。 さて、一般的に災害情報や災害時の情報収集、伝達で活用されるものとして、皆さんはどのような手段を思い浮かべられるでしょうか。一般的に災害発生時はラジオや防災無線、その後、安否確認などに双方向性を持つ携帯電話、メール、地上テレビ、さらにはインターネットと、その手段は時の経過とともに移り変わるとされています。現状、新宿区の対応としては、防災無線を初め、平成21年より始めた新宿区防災気象情報メールの活用、ホームページでの情報発信、災害情報の内容を電話で確認できる電話確認サービスを行っています。 そこで3点お伺いいたします。 第1点目は、広報、周知について伺います。 災害時には、さまざまな情報システムが存在するということをしっかりと区民に認識してもらえるように、ふだんから災害情報に関する広報・周知を行い、効果を確認しながら多様な方法を提供していく必要があると考えます。広報・周知に関して現状と、現在抱える問題点について区の御見解をお聞かせください。 第2点目は、SNSの活用についてです。 埼玉県和光市においては、災害時、災害に関するハッシュタグを活用し、住民から素早く情報提供してもらうシステムを導入しました。災害においては、変化する情報に対し、それぞれの時点で情報を的確、確実に伝達することが大切となります。迅速性という点において、SNSの活用は大きな効果を発揮すると考えられますが、区の現在の取り組みとお考えをお聞かせください。 第3点目は、災害時における情報弱者に対する取り組みについて伺います。 さまざまな情報伝達手段がある中、どの情報手段にも接点が薄くなってしまう方々に対し、それぞれの情報伝達手段の特性を踏まえ、できるだけ多くの選択肢の中から最も適した伝達方法、組み合わせを検討する必要があると考えます。災害時、情報弱者に対する現状の取り組みについて、お考えをお聞かせください。 以上です。 ◎区長室長(村上道明) えのき議員の御質問にお答えします。 災害情報に関する広報や周知の現状と、問題点についてのお尋ねです。 広報や周知については、防災行政無線の試験放送を定期的に行っているほか、防災気象情報メールや緊急速報メール、SNS、地デジデータ放送などのさまざまな情報システムを区広報やホームページ、啓発冊子などで紹介するとともに、防災訓練や防災講話等の機会でも活用の普及に努めています。 メールやSNSによる情報提供は、きめ細かい情報提供ができることや双方向性がある点ですぐれており、活用が拡大していくことで、より迅速で適切な災害対応が可能になると思われますが、災害時に有効に機能するためには、利用者がふだんからこれらを活用し、使い方になれている必要があります。このため、平常時活用の拡大のための工夫、また、普段使われていない方への周知と普及が課題であり、それぞれの特徴や効果を確認しながら、多様な方法による災害時の情報提供に取り組んでいく必要があると考えています。 次に、SNSの活用についてのお尋ねです。 区では、東日本大震災時にSNSが有効な情報提供手段となったことを踏まえ、平成23年からツイッターを、その後、フェイスブックの活用を始めました。防災訓練の情報や気象情報などを発信しているほか、災害発生時には、区が収集した情報、消防など防災関連機関及びライフライン関係機関から得た情報を把握・集約し、正確性を確保しながら迅速な情報提供を行います。また、緊急時に有効な情報提供手段となるよう、平常時から区政情報や地域情報を発信して利用者の拡大に努めているところです。 御指摘のとおり、SNS上の一般利用者からの投稿は、区の災害対応の参考情報として利用できると考えており、災害用ハッシュタグの活用など、他自治体の試みも参考としながら検討を進めてまいります。 次に、災害時情報弱者に対する取り組みについてのお尋ねです。 災害時の情報弱者としては、高齢者、障害者、外国人などが挙げられますが、効果的な災害応急対応を行うため、情報伝達の方法を組み合わせながら適切に伝達する仕組みを整備することが重要です。在宅で避難生活をする方に対しては、民生委員がライフラインの情報や医療機関の開設場所などの情報提供を行う役割となっています。また、区では、手話など福祉関連団体や外国人支援団体、各種ボランティア、NGO等による通訳や翻訳、災害情報の再配信など情報伝達の仕組みづくりを進めています。 来年度は、避難所における高齢者や障害者に対する情報伝達機能を強化するため、各避難所に模造紙100枚と筆談器5台を配備する予定です。また、外国人を対象としたSNSアカウントを開設し、区が発信する災害情報を平易な日本語、英語、中国語、韓国語でも発信する運用を来年度から開始します。 情報弱者への情報伝達については、個々の事情に応じたきめ細かい対応が必要であり、今後もさまざまな関係機関と協力しながら支援体制の強化に努めてまいります。 以上で答弁を終わります。 ◆28番(えのき秀隆) 御丁寧で詳細なる御答弁に感謝申し上げます。 以上で発言を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(下村治生) 次に、12番桑原羊平議員。     〔12番 桑原羊平議員登壇、拍手〕 ◆12番(桑原羊平) 自由民主党・無所属クラブ、桑原羊平です。 歩きスマホと情報モラル教育について質問させていただきます。よろしくお願い申し上げます。 2020年にオリンピック・パラリンピックが開かれます。4年後に向けて新宿区としてもスポーツ体験支援やフリーWi-Fi、案内サインの充実などを初めとしたさまざまな取り組みを始めております。また、海外からの観光客が2,000万人に届きそうな勢いの状況の国内で、さらに乗降客数日本一の新宿駅を抱える新宿区として、東西自由通路の開通にも努力されておりますが、道路を変えることは大変難しい問題であります。 人通りが多くなり、さらに混雑が予想される場所として私が一番危惧している場所は、以前質問させていただいております西新宿駅から中野坂下までの道です。歩道の拡幅が容易でなく、来年の秋に西新宿五丁目にできる1,000戸規模のマンション、そしてその後にも続く計画により、さらに混雑をすることが予想されます。また、今後、新宿全体でマンションの高層化がさらに進む傾向もありますので、既存の道をより多くの人が利用していくようになると思います。拡幅はなかなか難しいことでありますので、これからは個人への歩き方についての意識啓発をしなくてはならなくなっていくのではないかと思い、今回の質問をさせていただきます。 自転車のマナーの場合もそうですが、マナーの周知徹底というものは地道に行っていてもなかなか根づきづらいものですが、言い続けなければならないものであると思います。歩くマナーの中で最近特に言われているものが、「ながら歩き」で、新宿区としては、歩きタバコについては、自転車整備と同様にパトロールを行うなど気を使われていることは周知されてきております。歩きスマホについても、歩きタバコのような対応が求められてきていると思います。 以前、携帯電話会社がシミュレートした「もしもスクランブル交差点を横断する人が全員歩きスマホだったら?」というシミュレーションでは、歩きスマホをすることにより視野は20分の1ほどになり、対象を意識する間隔は1.5メートルほどで、ぶつかったりせず、何事もなく無事に横断できた人が3分の1程度であったと書かれておりました。 この歩きスマホへの注意喚起は、鉄道事業者、携帯電話事業者などが特に活動しているように思います。実際、鉄道会社では、ぶつかりそうになったという軽微なものから、線路に転落や、踏切がおりたことに気づかず事故に遭ったという重大な事件まで起きており、時間どおりに電車を動かすために対応せざるを得ないという状況なのでしょうが、掲示物に「前を向いて歩こう」や「歩きスマホは危ないよ」といった、昔学校にあった標語のような掲示物を最近目にします。スマホに限らず、傘の素振りや割り込み、化粧、泥酔、電車内での通話、1人による2人がけ、暴行など、職場以外では他人の目をはばからない行動をする方がふえてきたのではないかと心配になります。 通信会社でも、階段や広告での歩きスマホ禁止の呼びかけや、歩きスマホをした場合、ロックがかかる仕組みも考えられております。また、鉄道会社と通信会社が連携して、短い期間でしたが、新宿駅などで注意喚起のティッシュを配布したり、関西の方面でしたが、駅ホームにモニターを設置し、監視カメラ、アナウンスを連携させて、歩きスマホをしている方の服装などの容姿、性別などをマイクで放送したり、モニターに映しリアルタイムで注意喚起をしたという取り組みもありました。 このようなさまざまな取り組みがされておりますが、新宿区としては、歩きスマホについてどのような認識で、どのような対応を考えていらっしゃるのか、お伺いいたします。 次に、スマートフォンについての教育についてお伺いします。 平成27年2月に発行された「しんじゅくの教育」Ⅴol.105で、新宿区立中学校の生徒を対象にした平成26年度の「携帯電話・スマートフォン利用について」のアンケートで、「自分専用の携帯電話を持っている」と回答した生徒は29%、「スマートフォンを持っている」と回答した生徒は43.4%と書かれておりました。合計すると、7割以上の生徒が通信機器を所有しているということです。それぐらいの所有率だろうと思っていましたが、子どもの安全管理という点も含めてではありますが、改めて所有率の高さに驚きました。 そして、平成26年から「情報モラル教育」を教育課程に位置づけ、民間技術者を活用した授業支援を行っていて、インターネットやSNSの利用の注意点も書かれていましたが、最も大切なことは家庭の力であると書かれておりました。家庭のルールをつくる、機器のフィルタリングを設定する、ほかにも何点かの家庭へのお願いがされておりました。 同じスマホの問題として、昨年の資料ですが、仙台市教育委員会と東北大学による「学習意欲の科学的研究に関するプロジェクト」は19日、「平日にラインなどの無料通信アプリを使用すると、睡眠時間や家庭学習時間には関係なく、使用時間に応じて学力が低下する」とする調査結果を発表しました。スマホ利用と学力というものは別に考えるべきという方もいますが、少なからず影響が出るのではないかと思います。 また、これも昨年のことですが、伊那市議会との議員交流会で「国立信州高遠青少年自然の家」を視察したときに、スマホ依存からの脱却プログラムの説明をしていただきましたが、スマホ依存も問題になっております。スマホは各家庭で購入されたものであり、利用については各家庭で責任を持たないとならないと思います。しかし、私たちが子どものころにはそのようなものもなく、教育もありませんでした。改めて子どもを通じて親御さんにもお伝えできる機会であると思いますので、情報モラル教育について、これからも力を入れていただきたいと思います。 改めてお聞きします。このようなスマホの長時間利用の問題やスマホ依存症、また、先ほど話させていただいた歩きスマホについて、教育委員会ではどのように注意喚起されているのでしょうか。 また、昔は学校に勉強道具以外のものを持ち込むことが禁止されておりまして、現在も通信機器の持ち込みについては基本的に禁止されていると思いますが、放課後子どもひろばなどの拡充を図られ、学校にいる時間の長時間化が進んでいく状況にあって、どのように考えられているか。また、現状についてお伺いいたします。 さらに、先ほどの「情報モラル教育」などの取り組みについてもお伺いいたします。 以上、お願いします。 ◎みどり土木部長(野﨑清次) 桑原議員の御質問にお答えします。 歩きスマホと情報モラル教育についてのお尋ねです。 初めに、新宿区の歩きスマホについての認識と対応についてです。 歩行中にスマートフォン等を操作することは、周囲に迷惑をかけるだけでなく、交通事故にもつながる大変危険な行為であると認識しています。区は、これまでも、小学校、中学校や地域で開催する交通安全教室などで歩きスマホを歩行者の交通事故の原因の一つとして取り上げ、歩きスマホをしないよう啓発を行っています。 今後も区は、警察や携帯電話事業者などと連携して、歩きスマホ防止の啓発用チラシを作成し、広く周知してまいります。 ◎教育委員会事務局次長(中澤良行) スマートフォンについての教育についてのお尋ねです。 まず、スマートフォンの長時間利用やスマートフォンへの依存、歩きスマホへの注意喚起についてでございます。 深夜まで動画視聴やSNSを利用したり、携帯電話やスマートフォンを使用できないといら立ちを感じたりするようなインターネット依存の問題は、子どもたちにとって身近な問題となっています。インターネット依存は、寝不足やストレスなどにより日常生活に深刻な影響を及ぼすこともあり、民間技術者を活用した事業の中では、インターネット利用によって起こるさまざまな問題を学習し、注意喚起に努めています。 また、歩きながら携帯電話を使わない、使う時間を決めるといった家庭で話し合って決める約束を例示したリーフレットを児童向けに配布し、情報社会におけるルールやマナーを守ろうとする態度を育んでいます。 一方、保護者に対しては、インターネット依存や携帯端末の利用実態などに関する情報モラルカレンダーを各家庭に配付するとともに、ネットワークトラブルやインターネット依存から子どもたちを守るために、家庭でできることについて啓発を図る取り組みとして、PTAを対象に情報モラル教育講演会を実施しました。 今後も、子どもたちが携帯電話やスマートフォンを正しく安全に使うために、家庭におけるルールづくりや大人と子どもが一緒に取り組むことができる環境づくりを支援してまいります。 次に、学校への通信機器の持ち込みについてのお尋ねです。 学校における携帯電話の取り扱いについては、文部科学省が示した指針に基づき、教育活動に携帯電話が直接必要のないものであることを踏まえ、学校への持ち込みを原則禁止するよう周知しています。 各学校では、教育活動に直接必要のないものについて持ち込みを原則禁止としており、多くの学校では、携帯電話やスマートフォンの所持、所有、携帯などに関する独自のルールを定めています。ただし、午後7時まで放課後子どもひろばを利用することで携帯電話を連絡手段とせざるを得ない場合や、その他やむを得ない事情も想定されるため、保護者から学校長に対し携帯電話の学校への持ち込みの許可を申請させるなど、例外的なケースも考えられます。ただし、このような場合においても、校内での使用を禁止したり、登校時に学校で一時的に預かり下校時に返却したりするなど、学校での教育活動に支障がないよう配慮しながら対応しております。 次に、情報モラル教育の取り組みについてのお尋ねです。 学習指導要領の総則には、情報モラルを身につけるよう指導することが示されており、児童・生徒に情報社会で適切な活動を行うためのもとになる考え方と態度を育成することが求められています。 教育委員会では、これまで児童・生徒への情報モラル教育への支援として、子どもたち自身がインターネットの利用状況をセルフチェックできるリーフレットを配布したり、教員対象の研修などを毎年実施するなど理解・啓発に努めてまいりました。リーフレットの中身は、小・中学校の教員の代表による情報教育推進委員会において、子どもたちに最も身近で切実な問題を協議し、実態に応じて児童用、生徒用をそれぞれ作成しました。また、今年度実施した教員対象の研修会では、国立病院機構久里浜医療センターの臨床心理士を講師として、インターネット依存の実態を知るとともに、学校や家庭ができる予防策、対応策を学ぶ研修を実施しました。 こうした取り組みに加えて、携帯電話やスマートフォンの利用については、利用者の主体的な取り組みが大切です。12月に行われた生徒会役員交流会では、スマホのトラブル対策がテーマとして取り上げられたほか、PTAにおいてもインターネット依存などの研修会が開催されているところです。 近年、多くの児童・生徒がSNSやオンラインゲームなどを利用するようになってきており、小学校低学年から自分専用の携帯端末を持つ児童もふえてきていることから、今後も利用実態を踏まえた情報モラル教育の充実に努めてまいります。 以上で答弁を終わります。 ◆12番(桑原羊平) 御答弁ありがとうございました。 私たちが子どものころにはインターネットもなく、情報モラル教育という分野もなかった者からすると、行政、教育委員会ともに、かかわる分野が情報技術の発展とともに便利になった反面、作業量もふえ、大変な思いをなさっている方も多いと思いますが、よりよい新宿のためにも頑張っていただきたく、また頑張っていかなければならないと思います。 以上で質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(下村治生) 次に、8番川村のりあき議員。     〔8番 川村のりあき議員登壇、拍手〕 ◆8番(川村のりあき) 日本共産党新宿区議団の川村のりあきです。 羽田空港の機能強化に伴う飛行経路変更計画、以下、同計画について、特に新宿区への影響が大きい南風案2を中心に伺います。 国は、国際競争力の強化や訪日外国人の増加による日本経済の再生と、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催等に向けて、首都圏空港のさらなる機能強化が必要として羽田空港の機能強化を打ち出しました。この計画で、1時間当たりの羽田空港発着回数は今の80回から90回に拡大されます。 国土交通省は、首都圏空港機能強化技術小委員会の中間のまとめとして検討された4つの案のうち、南風案2と北風案1を組み合わせた案を羽田空港における国際線航空機の飛行新ルート案として提示しました。 羽田空港は、東京都区部の南端、神奈川県の県境近くに位置し、その北側方向及び西側方向に住宅密集地域が広がっています。この住宅密集地域での騒音を可能な限り抑えるため、飛行経路については、東京湾に面する羽田空港の地理的条件を活かし、東京湾を最大限活用することを供用開始以来一貫して堅持してきました。国交省が飛行新ルート案として提示した南風案2は、長年にわたって堅持されてきたこの考え方を覆すものです。 南風案2は、さいたま市、朝霞市、和光市、戸田市、板橋区、練馬区、中野区、新宿区、渋谷区、目黒区、港区、品川区、大田区などの広範囲の住宅密集地域上空を国際線の大型航空機などが低空飛行で通過するため、騒音被害が甚大です。品川区や大田区では80デシベル、窓を開けたときの地下鉄の車内ぐらい、極めてうるさい音に達します。新宿区では午後3時から7時までの間、落合・西新宿地域上空3,000フィート、約915メートルの高さを1時間に44回、四谷・牛込地域上空8,000フィート以上、約2,440メートル以上の高さを1時間に24回飛行し、機種による違いはあるものの、国交省の資料では、約915メートルを飛行の場合、66デシベルから77デシベルで、大半が70デシベル以上です。70デシベルは、環境省の基準によれば、「騒々しい街頭、掃除機の音」とされ、不規則変動音として捉えると「かなりうるさい」水準です。 新宿の高度915メートルと似通る江戸川区では、現在の一部市街地上空が高度900メートルから600メートルで着陸飛行経路となっていますが、年間で150件もの苦情が区に寄せられています。航空機騒音防止法や航空機騒音に係る環境基準では、住居系地区は、Lden(2013年4月1日から採用され、夕方の騒音、夜間の騒音に重みづけを行い、騒音にどれぐらいさらされているか評価できる)では57デシベル以下と定めています。一方、1日のうち4時間にわたり2分に1機が騒音レベル70デシベル前後で新宿区上空を飛び交うことになれば、学校などを初め住民への騒音被害が発生しかねません。 騒音被害としては、会話ができない、電話ができない、睡眠ができない、家族の団らんや教育環境への影響にとどまらず、過度のストレスによる身体的不調、耳鳴りや難聴、胃腸障害等による健康被害が指摘されます。南風案2当該地域は人口密度が高く、幼稚園や保育園、小学校、児童館、学童クラブも多くあります。これまでの航空機騒音訴訟においても「差しとめ」や「損害賠償」を認めた判決があり、航空機騒音は住民の心身の健康に種々の不利益を及ぼし、日常生活を各方面にわたって妨害し、生活環境を全般的に悪化させている、ストレス等の生理的・心理的被害を生じさせる、「難聴や耳鳴りなどの聴力障害を発現させる」など、騒音被害を裁判所が認定しています。 そこで伺います。 第1に、都心上空を頻回に通過する同計画の安全性について、どう認識されますか。騒音について、Ldenで何デシベルになると見込まれるのか、経路全体と新宿区内についてお答えください。また、住民生活への影響について、それぞれ区長の御所見をお聞かせください。 第2に、羽田空港の機能強化に伴う飛行経路変更計画の中止についてです。 1970年代に羽田空港で北側飛行ルートが実施されましたが、江戸川区では1971年3月18日から轟音に見舞われました。区長を先頭に直ちに行動を起こし、この飛行コースを撤回させました。大田区では大森地区で100デシベル超のジェット機轟音に見舞われ、1973年10月9日に、「区民生活の安全と快適な生活環境が確保されない限り、東京国際空港(羽田空港)の撤去を要求する」との空港撤去に関する決議を採択し、1975年2月には区長と区議会議長が当時の運輸省に対し、現羽田空港を撤去し、沖合に移転させるように求める申し入れを行い、住民とともに行動、北側飛行コースの使用をやめさせました。都心部やコンビナート地区で墜落などの航空機事故が起これば、大惨事は免れません。 「航空機事故の多くが離陸後3分間、着陸前8分間に起こる」「魔の11分間」はよく知られています。現在でも市街地、伊丹市は大阪国際空港の騒音被害や航空機事故の危険にさらされています。羽田空港でも2012年には日本航空機が着陸時にエンジン火災を発生させる事故が起こり、あわや大惨事という事態でした。また、落下物について、成田空港で1980年から2014年4月までに計152件の落下物が確認され、特に車輪をおろす際、氷塊や部品が落下しやすいとされ、洋上で車輪を出すよう対策を行った結果、年間3件程度に減ってはいますが、ゼロではありません。やはり人口密集の都心区上空を飛行する同計画は、区民の安全を守るため中止を申し入れるべきと考えます。御所見をお聞かせください。 第3に、この間の区の対応と今後の取り組みについてです。 2014年8月21日、新宿区は東京都を通じて国交省に以下の点を申し入れました。1、飛行ルート案について、関係区市の意見を反映して決定する。2、羽田空港機能強化の必要性、安全面への配慮、騒音対策等について、国からも区民・区議会に対して懇切丁寧に説明する。3、安全対策を徹底するとともに、万が一異常事態が発生した際には迅速に情報を提供し、説明する。4、国が航空機騒音を測定し、詳細な騒音データを区に提供する。5、「都及び関係区市連絡会」は国を入れて、「国・都及び関係区市協議会」として常設し、羽田空港の運用状況について意見・要望等を反映できる場とするという5点です。 新宿区には直接答えが届いておらず、国交省が一般に公開している協議会関係者から、これまでいただいた主な意見・質問とそれに対する回答という形で示されたにすぎず、誠意ある対応とはとても思えません。特に、以下2点について伺います。 まず、2の国からの説明については、新宿区では2回目のオープンハウス型の説明がされただけです。角筈・柏木・落合地区を含め、この問題にかかわりのある地域においては、周知とあわせ、教室型の説明会を開かせるべきと考えますが、御所見を伺います。 次に、4の測定については、実験飛行は難しいとしていますが、特別区区議会議長会も2015年8月5日、新しい飛行経路がもたらす騒音影響が体感できるよう実験飛行等を検討することと要望しており、騒音や振動を実体験し、数値を計測するためには実験飛行は不可欠です。引き続き要望すべきと考えますが、御所見を伺います。 第4に、横田空域返還の問題です。 こうしたルートを飛ばざるを得ない背景には横田空域の問題があります。日米地位協定により、新潟県から静岡県、1都8県の空域を米軍が管制しており、民間機はその空域を避け飛行させられています。この間、1992年に空域の1割、2008年に2割が返還されましたが、横田空域が過密化解消の障害になっていることは明らかです。根本的解決のため、横田空域返還をアメリカ政府に要求することを国に求めるべきと考えますが、御所見を伺います。 ◎環境清掃部長(柏木直行) 川村議員の御質問にお答えします。 羽田空港の機能強化に伴う飛行経路変更計画についてのお尋ねです。 初めに、安全性の認識と騒音及び住民生活への影響についてです。 羽田空港の機能強化による区民生活への影響については、安全面と騒音問題があると考えています。特に安全性の確保は重要であると認識しています。そのため、安全対策の徹底と丁寧な説明を国に要請しています。 また、航空機騒音に係る騒音基準であるLdenは、聞こえ始めから聞こえ終わりまでを測定するもので、新宿区上空の値は57デシベルを上回らないと国から説明を受けています。そのまま比較することはできませんが、瞬間最大値は70デシベル程度と想定されることから、騒音の影響を軽減するために必要な方策の検討についても要請しています。 次に、計画の中止の申し入れについてです。 区では、中止を申し入れる考えはありませんが、安全対策や騒音対策についての区民の理解が前提と考えており、区民生活の安全・安心を守るために、引き続き丁寧な説明や正確な情報提供を求めてまいります。 次に、区の対応と今後の取り組みについてです。 今回の提案で上空が飛行経路となる落合・柏木・角筈地域への説明会などの開催や周知について、現在国と調整をしているところです。また、実験飛行などにより国が航空機騒音を測定し、詳細な騒音データを区に提供するよう、引き続き要望してまいります。 最後に、横田空域の問題についてです。 今回の飛行経路案については、横田空域によって制約を受けているものではないと国から説明を受けています。 横田空域の返還につきましては、国の航空行政全般にかかわる問題になりますので、今後の国の動向を見守ってまいります。 以上で答弁を終わります。 ◆8番(川村のりあき) 横田空域の問題については、今回はそこは問うていないという、当然そういう内容ですけれども、やはり過密化解消ということでは空域の返還は必要だろうということで要望させていただきましたけれども、この点、ぜひそういう認識で臨んでいただきたいと思います。 また、自治体や議会レベルの取り組みといいますか、新宿区の取り組みについても触れさせていただきましたし、区としての取り組みも今伺いましたけれども、飛行経路のところの、また住民の皆さん、自治会ですとかそういった方、団体を含めて、中止を含めた意見表明などもされておりますので、今後、区民の皆さん、住民の皆さんの心配にぜひ心を寄せて対応していただきたいというふうに思いますし、私も取り組んでまいりたいと思います。 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(下村治生) 以上で一般質問は終了しました。--------------------------------------- ○議長(下村治生) 次に、日程第3を議題とします。     〔次長議題朗読〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △第5号議案 平成27年度新宿区一般会計補正予算(第8号)     〔巻末委員会審査報告書の部参照〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(下村治生) なお、総務区民委員会審査報告書はお手元に配付しましたとおり可決です。 これから起立により採決します。 本案を委員会審査報告のとおり決定することに賛成の方は御起立願います。     〔賛成者起立〕 ○議長(下村治生) 起立多数と認めます。 本案は、委員会審査報告のとおり可決されました。--------------------------------------- ○議長(下村治生) 次に、日程第4から日程第40までを一括議題とします。     〔次長議題朗読〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △第10号議案 新宿区公共の場所における客引き行為等の防止に関する条例の一部を改正する条例 △第11号議案 新宿区職員定数条例の一部を改正する条例 △第12号議案 新宿区職員の退職管理に関する条例の一部を改正する条例 △第13号議案 新宿区職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例 △第14号議案 新宿区職員の分限に関する条例の一部を改正する条例 △第15号議案 新宿区職員の結核休養に関する条例を廃止する条例 △第16号議案 新宿区職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例 △第17号議案 新宿区職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例 △第18号議案 新宿区立消費生活センター条例の一部を改正する条例 △第19号議案 新宿区一般事務手数料条例の一部を改正する条例 △第20号議案 新宿区指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例 △第21号議案 新宿区指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員、設備及び運営並びに指定地域密着型介護予防サービスに係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準を定める条例の一部を改正する条例 △第22号議案 新宿区子ども未来基金条例 △第23号議案 新宿区保育所保育料徴収条例の一部を改正する条例 △第24号議案 新宿区立子ども園条例の一部を改正する条例 △第25号議案 新宿区立子育て支援施設の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例 △第26号議案 新宿区学童クラブ条例の一部を改正する条例 △第27号議案 新宿区放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例 △第28号議案 新宿区保健事業の利用に係る使用料等を定める条例の一部を改正する条例 △第29号議案 新宿区大気汚染障害者認定審査会条例の一部を改正する条例 △第30号議案 新宿区国民健康保険条例の一部を改正する条例 △第31号議案 新宿区道路占用料等徴収に関する条例の一部を改正する条例 △第32号議案 新宿区特定公共物管理条例の一部を改正する条例 △第33号議案 新宿区立公園条例の一部を改正する条例 △第34号議案 新宿区立妙正寺川公園条例の一部を改正する条例
    △第35号議案 新宿区自転車等の適正利用の推進及び自転車等駐輪場の整備に関する条例の一部を改正する条例 △第36号議案 新宿区建築審査会条例の一部を改正する条例 △第37号議案 新宿区中高層階住居専用地区内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例 △第38号議案 新宿区特別工業地区内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例 △第39号議案 新宿区環境土木・都市計画事務手数料条例の一部を改正する条例 △第40号議案 新宿区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例 △第41号議案 新宿区中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例の一部を改正する条例 △第42号議案 新宿区幼稚園教育職員の給与等に関する特別措置に関する条例の一部を改正する条例 △第43号議案 新宿区幼稚園教育職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例 △第44号議案 新宿区立の小学校、中学校及び特別支援学校の非常勤の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例 △第45号議案 新宿区立幼稚園条例の一部を改正する条例 △第46号議案 新宿区立図書館条例の一部を改正する条例     〔巻末議案の部参照〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(下村治生) 提出者の説明を求めます。     〔吉住健一区長登壇〕 ◎区長(吉住健一) ただいま一括して上程されました第10号議案から第46号議案について御説明いたします。 まず、第10号議案の新宿区公共の場所における客引き行為等の防止に関する条例の一部を改正する条例ですが、本案は、公共の場所における客引き行為等の防止に向けた取り組みを一層強化するため、過料処分等の新たな施策を導入するものです。 次に、第11号議案の新宿区職員定数条例の一部を改正する条例ですが、本案は、職員の定数を改めるものです。 次に、第12号議案の新宿区職員の退職管理に関する条例の一部を改正する条例ですが、本案は、管理または監督の地位にある職員の職として特別区人事委員会規則で定めるものについている職員であった者が離職後、営利企業等の地位についた場合の任命権者への届け出について、市町村立学校職員給与負担法第1条に規定する職員に係る届け出先を新宿区教育委員会とするものです。 次に、第13号議案の新宿区職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例ですが、本案は、放射線業務従事手当を廃止するほか、地方公務員法の改正に伴い、規定を整備するものです。 次に、第14号議案の新宿区職員の分限に関する条例の一部を改正する条例ですが、本案は、公務の能率の維持及びその適正な運営の確保を図るため、新たに降給を導入するものです。 次に、第15号議案の新宿区職員の結核休養に関する条例を廃止する条例ですが、本案は、結核性疾患を取り巻く状況の変化に伴い、結核休養制度を廃止するものです。 次に、第16号議案の新宿区職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例ですが、本案は、地方公営企業法の改正に伴い、規定を整備するものです。 次に、第17号議案の新宿区職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例ですが、本案は、地方公務員法の改正に伴い、規定を整備するものです。 次に、第18号議案の新宿区立消費生活センター条例の一部を改正する条例ですが、本案は、消費者安全法の改正に伴い、新宿区立新宿消費生活センターの組織及び運営等に関する事項を定めるものです。 次に、第19号議案の新宿区一般事務手数料条例の一部を改正する条例ですが、本案は、介護保険法に基づく事務として第1号介護予防支援事業に係る手数料について新たに定めるほか、介護保険法の改正に伴い、規定を整備するものです。 次に、第20号議案の新宿区指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例ですが、本案は、国の指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準の改正に伴い、新宿区における指定地域密着型通所介護の人員、設備及び運営に関する基準を定めるほか、介護保険法の改正に伴い、規定を整備するものです。 次に、第21号議案の新宿区指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員、設備及び運営並びに指定地域密着型介護予防サービスに係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準を定める条例の一部を改正する条例ですが、本案は、国の指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員、設備及び運営並びに指定地域密着型介護予防サービスに係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準の改正に伴い、新宿区における指定介護予防認知症対応型通所介護の運営に関する基準について所要の改正を行うほか、介護保険法の改正に伴い、規定を整備するものです。 次に、第22号議案の新宿区子ども未来基金条例ですが、本案は、子育て家庭の福祉の向上を図るとともに、子どもたちの生きる力を育むため、新宿区子ども未来基金を設置するものです。 次に、第23号議案の新宿区保育所保育料徴収条例の一部を改正する条例ですが、本案は、多子世帯及びひとり親世帯等に係る保育料の負担軽減措置を拡充するものです。 次に、第24号議案の新宿区立子ども園条例の一部を改正する条例ですが、本案は、多子世帯及びひとり親世帯等に係る入園料及び保育料の負担軽減措置を拡充するものです。 次に、第25号議案の新宿区立子育て支援施設の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例ですが、本案は、新宿区立子ども総合センターの事業として児童福祉法に基づく保育所等訪問支援を行うものです。 次に、第26号議案の新宿区学童クラブ条例の一部を改正する条例ですが、本案は、学童クラブに土曜日のみの利用を行う利用区分を新たに設けるとともに、利用料の免除制度を導入するほか、休日利用を廃止するものです。 次に、第27号議案の新宿区放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例ですが、本案は、学校教育法の改正に伴い、放課後児童支援員の資格要件に義務教育学校の教諭となる資格を追加するものです。 次に、第28号議案の新宿区保健事業の利用に係る使用料等を定める条例の一部を改正する条例ですが、本案は、がん検診の利用の促進を図るため、その利用に係る費用に関する時限的な特例措置を継続するものです。 次に、第29号議案の新宿区大気汚染障害者認定審査会条例の一部を改正する条例ですが、本案は、組織改正に伴い、新宿区大気汚染障害者認定審査会の庶務を担当する部課の名称を改めるものです。 次に、第30号議案の新宿区国民健康保険条例の一部を改正する条例ですが、本案は、基礎賦課額、後期高齢者支援金等賦課額及び介護納付金賦課額の保険料率等を改定するとともに、保険料の額が減額となる世帯を拡大するほか、保険料の減免の申請期限を改めるものです。 次に、第31号議案の新宿区道路占用料等徴収に関する条例の一部を改正する条例ですが、本案は、道路の占用料の額を改定するほか、規定を整備するものです。 次に、第32号議案の新宿区特定公共物管理条例の一部を改正する条例ですが、本案は、特定公共物の占用料及び使用料の額を改定するほか、規定を整備するものです。 次に、第33号議案の新宿区立公園条例の一部を改正する条例ですが、本案は、新宿区立公園の占用料及び使用料の上限額を改定するものです。 次に、第34号議案の新宿区立妙正寺川公園条例の一部を改正する条例ですが、本案は、新宿区立妙正寺川公園の占用料の額を改定するものです。 次に、第35号議案の新宿区自転車等の適正利用の推進及び自転車等駐輪場の整備に関する条例の一部を改正する条例ですが、本案は、新宿区立新宿駅東南口自転車等駐輪場を廃止するものです。 次に、第36号議案の新宿区建築審査会条例の一部を改正する条例ですが、本案は、建築基準法の改正に伴い、新宿区建築審査会の委員の任期を定めるものです。 次に、第37号議案の新宿区中高層階住居専用地区内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例ですが、本案は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律の施行を踏まえ、風俗営業から除外された営業の一部について、引き続き建築制限の対象とするものです。 次に、第38号議案の新宿区特別工業地区内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例ですが、本案は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律の施行を踏まえ、風俗営業から除外された営業の一部について、引き続き建築制限の対象とするものです。 次に、第39号議案の新宿区環境土木・都市計画事務手数料条例の一部を改正する条例ですが、本案は、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の施行による建築物エネルギー消費性能向上計画等の認定制度の創設に伴い、当該認定に係る審査事務について新たに手数料を定めるとともに、長期使用構造等とするための措置及び維持・保全の方法の基準の一部改正に伴い、住宅の増改築をする場合の長期優良住宅建築等計画認定申請手数料を定めるものです。 次に、第40号議案の新宿区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例ですが、本案は、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の施行に合わせ、建築物の容積率制限の緩和に関する措置を講ずるものです。 次に、第41号議案の新宿区中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例の一部を改正する条例ですが、本案は、学校教育法の改正に伴い、中高層建築物の建築により影響を受ける教育施設等に義務教育学校を追加するものです。 次に、第42号議案の新宿区幼稚園教育職員の給与等に関する特別措置に関する条例の一部を改正する条例ですが、本案は、地方公務員法の改正に伴い、規定を整備するものです。 次に、第43号議案の新宿区幼稚園教育職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例ですが、本案は、地方公務員法の改正に伴い、規定を整備するものです。 次に、第44号議案の新宿区立の小学校、中学校及び特別支援学校の非常勤の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例ですが、本案は、公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償の基準を定める政令の一部を改正する政令等の施行に伴い、補償基礎額及び介護補償の額を改定するものです。 次に、第45号議案の新宿区立幼稚園条例の一部を改正する条例ですが、本案は、多子世帯及びひとり親世帯等に係る入園料及び保育料の負担軽減措置を拡充するものです。 次に、第46号議案の新宿区立図書館条例の一部を改正する条例ですが、本案は、新宿区立下落合図書館を設置し、その管理を指定管理者に行わせるとともに、新宿区立四谷図書館の休館日を変更するものです。 以上、御審議の上、御賛同いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。 ○議長(下村治生) 説明は終わりました。 ただいま一括議題となっています議案のうち、第11号議案から第46号議案までは、お手元に配付しました議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託します。     〔巻末議案付託表の部参照〕 ○議長(下村治生) なお、第12号議案から第17号議案まで並びに第42号議案及び第43号議案につきましては、地方公務員法第5条第2項の規定に基づき、あらかじめ特別区人事委員会の意見を聴取したところ、異議がないとの回答を得ておりますので、報告します。---------------------------------------                            27特人委給第440号                            平成28年2月23日 新宿区議会議長  下村治生様                    特別区人事委員会委員長  西野善雄      「職員に関する条例」に対する意見聴取について(回答) 平成28年2月16日付27新議議第290号で意見聴取のあった下記条例案については、下記のとおり意見を申し述べます。                   記 1 第12号議案 新宿区職員の退職管理に関する条例の一部を改正する条例 2 第13号議案 新宿区職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例 3 第14号議案 新宿区職員の分限に関する条例の一部を改正する条例    異議ありません。 4 第15号議案 新宿区職員の結核休養に関する条例を廃止する条例    本条例案中、「新宿区職員の結核休養に関する条例」の廃止に関する部分については、異議ありません。 5 第16号議案 新宿区職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例 6 第17号議案 新宿区職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例 7 第42号議案 新宿区幼稚園教育職員の給与等に関する特別措置に関する条例の一部を改正する条例 8 第43号議案 新宿区幼稚園教育職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例    異議ありません。--------------------------------------- ○議長(下村治生) ここで、第10号議案についてお諮りします。 本案は、防災等安全対策特別委員会に付託したいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(下村治生) 異議なしと認めます。 第10号議案は、防災等安全対策特別委員会に付託することに決定しました。     〔巻末議案付託表の部参照〕--------------------------------------- ○議長(下村治生) 次に、日程第41を議題とします。     〔次長議題朗読〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △第47号議案 (仮称)「漱石山房」記念館建設工事請負契約     〔巻末議案の部参照〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(下村治生) 提出者の説明を求めます。     〔吉住健一区長登壇〕 ◎区長(吉住健一) ただいま上程されました第47号議案 (仮称)「漱石山房」記念館建設工事請負契約を御説明いたします。 本案は、(仮称)「漱石山房」記念館建設工事を施行するものです。 以上、御審議の上、御賛同いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。 ○議長(下村治生) 説明は終わりました。 ただいま議題となっています第47号議案は、お手元に配付しました議案付託表のとおり、総務区民委員会に付託します。     〔巻末議案付託表の部参照〕--------------------------------------- ○議長(下村治生) 次に、日程第42を議題とします。     〔次長議題朗読〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △第48号議案 東京都後期高齢者医療広域連合規約の一部を変更する規約について     〔巻末議案の部参照〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(下村治生) 提出者の説明を求めます。     〔吉住健一区長登壇〕 ◎区長(吉住健一) ただいま上程されました第48号議案 東京都後期高齢者医療広域連合規約の一部を変更する規約についてを御説明いたします。 本案は、東京都後期高齢者医療広域連合規約の一部を変更するため、関係地方公共団体と協議を行うに当たり、地方自治法第291条の11の規定により、議会の議決を得るものです。 以上、御審議の上、御賛同いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。 ○議長(下村治生) 説明は終わりました。 ただいま議題となっています第48号議案は、お手元に配付しました議案付託表のとおり、福祉健康委員会に付託します。     〔巻末議案付託表の部参照〕--------------------------------------- ○議長(下村治生) 次に、日程第43から日程第46までを一括議題とします。     〔次長議題朗読〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △第6号議案 平成27年度新宿区一般会計補正予算(第9号) △第7号議案 平成27年度新宿区国民健康保険特別会計補正予算(第4号) △第8号議案 平成27年度新宿区介護保険特別会計補正予算(第3号) △第9号議案 平成27年度新宿区後期高齢者医療特別会計補正予算(第3号)     〔巻末予算案の部参照〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(下村治生) 提出者の説明を求めます。     〔吉住健一区長登壇〕 ◎区長(吉住健一) ただいま一括して上程されました第6号議案から第9号議案について御説明いたします。 まず、第6号議案 平成27年度新宿区一般会計補正予算(第9号)についてですが、今回、歳入歳出予算を補正する額は、それぞれ20億7,641万9,000円の減額です。 歳出予算から述べますと、総務費においては、人事事務等に要する経費2億1,091万円を減額するものです。 地域文化費においては、(仮称)「漱石山房」記念館の建設等に要する経費1億90万7,000円を減額し、協働推進基金積立金及び夏目漱石記念施設整備基金積立金並びに個人番号カードの交付等に要する経費5,900万2,000円を計上するものです。 産業経済費においては、融資資金の貸し付け等に要する経費5,771万1,000円を減額するものです。 福祉費においては、地域密着型サービス整備助成等に要する経費4億2,852万5,000円を減額し、障害者福祉活動基金積立金及び高齢者福祉活動基金積立金並びに中国残留邦人等に対する支援に要する経費2,707万9,000円を計上するものです。 子ども家庭費においては、保育所建設事業助成等に要する経費7億3,982万1,000円を減額するものです。 健康費においては、後期高齢者医療特別会計繰出金及び公害健康被害補償給付に要する経費1億8,891万1,000円を減額し、国民健康保険特別会計繰出金及び生活習慣病予防事業等に要する経費14億3,466万1,000円を計上するものです。 土木費においては、建築物等耐震化支援事業及び木造住宅密集地区整備促進事業等に要する経費18億3,889万4,000円を減額するものです。 教育費においては、中学校一般修繕及び施設型給付等に要する経費8,069万9,000円を減額するものです。 公債費においては、一時借入金等利子及び区債利子など5,831万6,000円を減額し、区債の元金償還金297万8,000円を計上するものです。 諸支出金においては、社会資本等整備基金積立金等1億455万5,000円を計上するものです。 このほか国庫支出金、都支出金、財産収入、特別区債等の収入実績に伴う各款関係経費の財源更正もあわせて行うものです。 これらの財源としては、国庫支出金、都支出金及び繰入金等を減額し、特別区税、地方消費税交付金、特別区交付金及び特別区債等を充当するものです。 これを補正前の予算額と合わせますと、歳入歳出予算の総額はそれぞれ1,455億7,315万5,000円となります。 次に、繰越明許費の補正について御説明いたします。 福祉費においては都市型軽費老人ホーム建設事業助成について1,600万円、子ども家庭費においては保育所建設事業助成について3,830万6,000円、いずれも年度内の事業完了が困難であるため、翌年度に繰り越すものです。 次に、工事請負契約等の債務負担行為の補正ですが、保育所建設事業助成について、補助単価等の見直しに伴い助成金を増額するため、債務負担行為を行うものであり、限度額720万1,000円、期間は平成28年度までとなっています。 次に、特別区債の補正ですが、大木戸子ども園施設整備に係る子ども家庭債4,100万円、また愛日小学校建設に係る教育債200万円を減額し、区営住宅再編整備に係る土木債など3億1,700万円を計上するものです。 次に、第7号議案 平成27年度新宿区国民健康保険特別会計補正予算(第4号)についてですが、今回、歳入歳出予算を補正する額は、それぞれ1,440万6,000円です。 補正の内容としては、保険給付費においては、一般被保険者療養費及び出産育児一時金3,739万9,000円を減額し、一般被保険者高額療養費3,879万円を計上するものです。 後期高齢者支援金等においては、後期高齢者支援金875万2,000円を計上するものです。 前期高齢者納付金等においては、前期高齢者関係事務費拠出金8,000円を計上するものです。 介護納付金においては、介護納付金1,083万7,000円を減額するものです。 共同事業拠出金においては、高額医療費共同事業医療費拠出金2,471万1,000円を減額し、保険財政共同安定化事業拠出金2,540万5,000円を計上するものです。 諸支出金においては、国庫支出金の収入超過に伴う返納金1,439万8,000円を計上するものです。 また、国民健康保険料の収入歩合の減等による財源更正もあわせて行うものです。 これらの財源としては、国民健康保険料及び都支出金を減額し、国庫支出金、共同事業交付金、繰入金及び繰越金を充当するものです。 これを補正前の予算額と合わせますと、歳入歳出予算の総額は、それぞれ429億9,187万8,000円となります。 次に、第8号議案 平成27年度新宿区介護保険特別会計補正予算(第3号)について御説明いたします。 今回、歳入歳出予算を補正する額は、それぞれ28万7,000円です。補正の内容は、基金積立金において介護給付準備基金積立金28万7,000円を計上するものです。 財源としては、財産収入を充当するものです。 これを補正前の予算額と合わせますと、歳入歳出予算の総額は、それぞれ235億4,149万9,000円となります。 次に、第9号議案 平成27年度新宿区後期高齢者医療特別会計補正予算(第3号)について御説明いたします。 今回、歳入歳出予算を補正する額は、それぞれ1億6,582万6,000円の減額です。 補正の内容は、広域連合納付金において1億6,582万6,000円を減額するものです。 財源としては、繰入金を減額するものです。 これを補正前の予算額と合わせますと、歳入歳出予算の総額は、それぞれ65億4,870万5,000円となります。 以上、御審議の上、御賛同いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。 ○議長(下村治生) 説明は終わりました。 ただいま一括議題となっています第6号議案から第9号議案までは、お手元に配付しました議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託します。 ここでお諮りします。 初めに、第6号議案中、歳出第2款総務費第3項防災費については、防災等安全対策特別委員会に付託したいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(下村治生) 異議なしと認めます。 第6号議案中、歳出第2款総務費第3項防災費については、防災等安全対策特別委員会に付託することに決定しました。     〔巻末議案付託表の部参照〕 ○議長(下村治生) 次に、第6号議案中、歳出第3款地域文化費第2項文化振興費第1目文化振興総務費及び第2目文化振興事業費、並びに同款第5項区民施設費第5目区民施設建設費、並びに歳出第4款産業経済費第1項産業経済費第2目産業振興費については、オリンピック・パラリンピック・文化観光等特別委員会に付託したいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(下村治生) 異議なしと認めます。 第6号議案中、歳出第3款地域文化費第2項文化振興費第1目文化振興総務費及び第2目文化振興事業費、並びに同款第5項区民施設費第5目区民施設建設費、並びに歳出第4款産業経済費第1項産業経済費第2目産業振興費については、オリンピック・パラリンピック・文化観光等特別委員会に付託することに決定しました。     〔巻末議案付託表の部参照〕--------------------------------------- ○議長(下村治生) 次に、日程第47から日程第50までを一括議題とします。     〔次長議題朗読〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △第1号議案 平成28年度新宿区一般会計予算 △第2号議案 平成28年度新宿区国民健康保険特別会計予算 △第3号議案 平成28年度新宿区介護保険特別会計予算 △第4号議案 平成28年度新宿区後期高齢者医療特別会計予算     〔巻末予算案の部参照〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(下村治生) 提出者の説明を求めます。     〔吉住健一区長登壇〕 ◎区長(吉住健一) ただいま一括して上程されました第1号議案から第4号議案について御説明いたします。 まず、第1号議案 平成28年度新宿区一般会計予算についてですが、歳入歳出予算の総額は、それぞれ1,453億8,510万7,000円となり、前年度当初予算に比べ24億7,439万5,000円の増、率にして1.7%の増となりました。 歳出予算から御説明いたしますが、その内訳を、まず人件費と事業費とに分けますと、人件費は276億7,832万5,000円で、前年度に比べ3億1,845万4,000円の減、率にして1.1%の減となっています。 事業費は1,177億678万2,000円で、前年度に比べ27億9,284万9,000円の増、率にして2.4%の増となっています。 以下、基本構想に定めた目指すまちの姿、「『新宿力』で創造する、やすらぎとにぎわいのまち」の実現を目指し新宿区総合計画に示した施策を具体の事業として計画的に実施するため策定した第三次実行計画の5つの基本政策別に御説明いたします。 まず、基本政策の1、「暮らしやすさ1番の新宿」ですが、このための経費としては934億9,167万9,000円を計上しました。生涯にわたり心身ともに健康で暮らせる健康寿命の延伸に向けた取り組みの充実、高齢者・障害者がいきいきと暮らし続けられる環境整備、地域で安心して子育てができる仕組みづくり、未来を担う子どもの生きる力を伸ばす学校教育の充実、セーフティネットの整備、さらには区民との協働の推進、地域自治への支援の拡充などがその内容となっています。 基本政策の2、「新宿の高度防災都市化と安全安心の強化」ですが、このための経費としては111億4,541万円を計上しました。建物の耐震化などの、災害に強い、逃げないですむ安全なまちづくり、避難所運営などの災害に強い体制づくり、暮らしやすい安全で安心なまちづくりなどがその内容となっています。 続いて、基本政策の3、「賑わい都市・新宿の創造」ですが、このための経費としては181億3,270万9,000円を計上しました。新宿駅周辺や歌舞伎町地区を初め地域の特性を活かしたまちづくり、また、みどりや地球温暖化対策など環境に優しいまちづくり、活力ある産業と商店街の活性化への支援、さらには文化、芸術、学習・スポーツ活動、多文化共生、平和施策の推進などがその内容となっています。 続いて、基本政策の4、「健全な区財政の確立」ですが、このための経費としては197億8,799万3,000円を計上しました。行政評価制度の推進、全庁情報システムの統合など、効果的・効率的な行財政運営の実現、施設の有効活用、維持保全などがその内容となっています。 続いて、基本政策の5、「好感度1番の区役所」ですが、このための経費としては28億2,731万6,000円を計上しました。窓口サービスの利便性の向上、区民の視点に立ち、自治の実現に努める職員の育成、地方分権の推進などがその内容となっています。 以上が歳出予算の概要です。 次に、これら歳出予算の財源としては、国庫支出金、都支出金、分担金及び負担金、使用料及び手数料、諸収入並びに特定目的基金繰入金等554億3,872万円を特定財源として計上し、差し引き909億4,638万7,000円につきましては、特別区税を初め特別区交付金並びに財政調整基金繰入金等の一般財源を充当しました。 次に、債務負担行為について御説明いたします。 まず、工事請負契約等によるものは、新宿区土地開発公社取得用地買収など8件で、その総額は16億7,129万9,000円です。また、債務保証によるものは新宿区土地開発公社の資金借り入れに関する債務保証の1件で、その額は10億9,503万1,000円です。 次に、特別区債について御説明いたします。 特別区債は、愛日小学校建設工事等の事業充当債28億2,750万円を特定財源として計上しました。 次に、一時借入金につきましては、150億円を最高限度額として定めたものです。 続いて、歳出予算の流用ですが、これは給料、職員手当等及び共済費における予算額に過不足を生じた場合における同一款内でのこれらの経費の各項の間の流用を認めていただくものです。 以上で、第1号議案 平成28年度新宿区一般会計予算についての説明を終わります。 次に、第2号議案 平成28年度新宿区国民健康保険特別会計予算について御説明いたします。 歳入歳出予算の総額は、それぞれ437億7,112万6,000円で、前年度に比べ7億8,587万9,000円の増、率にして1.8%の増となっています。 歳出予算のうち5億1,756万8,000円が人件費で、総額の1.2%に当たります。事業費は432億5,355万8,000円で、98.8%になっています。この事業費のうち227億9,352万4,000円が保険給付費です。また、後期高齢者支援金等として57億5,031万2,000円、前期高齢者納付金等として325万7,000円を計上しました。また、介護納付金として21億831万1,000円を、共同事業拠出金として119億1,844万1,000円を計上しました。その他は保健事業などの事務事業に要する経費です。 次に、これらの財源としては国民健康保険料、国庫支出金、療養給付費等交付金、前期高齢者交付金、都支出金及び共同事業交付金で384億6,386万4,000円を、一般会計からの繰入金等で53億726万2,000円を充当しました。 次に、第3号議案 平成28年度新宿区介護保険特別会計予算について御説明いたします。 歳入歳出予算の総額は、それぞれ241億795万4,000円で、前年度に比べ7億2,647万2,000円の増、率にして3.1%の増となっています。 歳出予算のうち7億5,343万1,000円が人件費で、総額の3.1%に当たります。事業費は233億5,452万3,000円で、96.9%になっています。この事業費のうち212億9,398万9,000円が保険給付費です。また、地域支援事業費として17億5,490万円を計上しました。そのほかは介護認定調査などの事務事業に要する経費です。 これらの財源としては、介護保険料、国庫支出金、支払基金交付金及び都支出金で197億2,623万5,000円を、一般会計からの繰入金等で43億8,171万9,000円を充当しました。 次に、第4号議案 平成28年度新宿区後期高齢者医療特別会計予算について御説明いたします。 歳入歳出予算の総額は、それぞれ67億5,555万9,000円で、前年度に比べ6,805万5,000円の増、率にして1.0%の増となっています。 歳出予算のうち、1億3,863万1,000円が人件費で、総額の2.1%に当たります。事業費は66億1,692万8,000円で、97.9%になっています。この事業費のうち63億6,070万8,000円が広域連合納付金です。また、後期高齢者支援事業費として1億8,983万4,000円を計上しました。そのほかは後期高齢者医療保険料徴収などの一般管理に要する経費です。 これらの財源としては、後期高齢者医療保険料で36億573万8,000円を、一般会計からの繰入金等で31億4,982万1,000円を充当しました。 以上、御審議の上、御賛同いただきますよう、よろしくお願いいたします。 ○議長(下村治生) 説明は終わりました。 ただいま一括議題となっています第1号議案から第4号議案までは、18名の委員で構成し、副委員長を2名とする予算特別委員会を設置し、一括して付託したいと思います。 これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(下村治生) 異議なしと認めます。 第1号議案から第4号議案までは、18名の委員で構成し、副委員長を2名とする予算特別委員会を設置し、一括して付託することに決定しました。 次に、委員の選任については、委員会条例第5条第1項の規定により、お手元に配付しました予算特別委員会委員名簿のとおり指名します。---------------------------------------            予算特別委員会委員名簿  1番   豊島あつし     2番   木もとひろゆき  4番   井下田栄一     6番   三雲崇正 12番   桑原羊平     15番   渡辺清人 16番   鈴木ひろみ    18番   志田雄郎 19番   あざみ民栄    20番   阿部早苗 21番   中村しんいち   24番   おぐら利彦 25番   佐原たけし    26番   ひやま真一 28番   えのき秀隆    36番   かわの達男 37番   田中のりひで   38番   雨宮武彦--------------------------------------- ○議長(下村治生) 次に、日程第51から日程第53までを一括議題とします。     〔次長議題朗読〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △議員提出議案第1号 新宿区心身障害者福祉手当条例の一部を改正する条例 △議員提出議案第2号 新宿区介護サービス事業者に対する人材確保・定着・育成支援補助金の交付に関する条例 △議員提出議案第3号 新宿区保健事業の利用に係る使用料等を定める条例を廃止する条例     〔巻末議案の部参照〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(下村治生) 議員提出議案第1号から議員提出議案第3号までの説明を求めます。 7番佐藤佳一議員。     〔7番 佐藤佳一議員登壇、拍手〕 ◆7番(佐藤佳一) 日本共産党区議団の佐藤佳一です。 ただいま一括上程されました議員提出議案第1号から第3号まで、提出者を代表して御説明いたします。 最初に、議員提出議案第1号 新宿区心身障害者福祉手当条例の一部を改正する条例です。 条例名を新宿区障害者福祉手当条例に改めるとともに、新たに手当の対象として精神障害者を加えるものです。 障害者差別解消法が成立し、本年4月1日より施行されますが、精神障害者に対する支援制度が身体・知的に比べておくれている現状はいまだ改善されていません。本条例は、精神障害者保健福祉手帳1級から3級までの方に一律月額7,750円を支給し、障害の違いによる制度上の差別・格差を一定程度解消し、精神障害者の福祉の増進及び経済的自立への支援を図ります。 次に、議員提出議案第2号 新宿区介護サービス事業者に対する人材確保・定着・育成支援補助金の交付に関する条例です。 政府は今年度、過去最大規模となる2.27%、2,270億円の介護報酬引き下げを行いました。既にぎりぎりの経営を続けている介護施設では、職員が足りないなどの施設も生まれ、介護職員の離職率は他の産業よりも高くなっています。区民サービスを後退させないためにも、区内介護施設の職員の処遇改善と人材確保のために新宿区が積極的に支援すべきと考え、提案するものです。 区内の特別養護老人ホーム、老人保健施設、ショートステイ、認知症対応型グループホームなど、24時間、365日対応の介護施設サービスの事業者が行う人材確保・定着及び育成に資する取り組みに係る費用を補助することにより、当該施設の職員が安心して就労できる環境をつくり、増大する介護需要に的確に対応するとともに、質の高い介護サービスを安定的かつ継続的に確保するものです。 次に、議員提出議案第3号 新宿区保健事業の利用に係る使用料等を定める条例を廃止する条例です。 本条例は、2003年度から有料になったがん検診を無料にするものです。国の無料クーポンも、乳がん、子宮がん、大腸がんと対象が広がり、受診率向上につながっていることから、来年度も実施されます。新宿区としても全てのがん検診等を無料化することで区民の検診受診の促進を図るためのものです。 よろしく御審議の上、御賛同くださいますよう、お願いいたします。(拍手) ○議長(下村治生) 説明は終わりました。 ただいま一括議題となっています議員提出議案第1号から議員提出議案第3号までは、お手元に配付しました議案付託表のとおり、福祉健康委員会に付託します。     〔巻末議案付託表の部参照〕--------------------------------------- ○議長(下村治生) 以上で、本日の日程は終わりました。 次の会議は3月22日午後2時に開きます。ここに御出席の皆様には改めて通知しませんので、御了承願います。 本日はこれで散会します。 △散会 午後5時08分                  議長    下村治生                  議員    大門さちえ                  議員    宮坂俊文...